今日も特許庁から商標登録証が9件届きました。登録証が届くと嬉しいです。
お客さまの喜ぶ顔も楽しみです。
特許庁では毎年10万件以上の商標登録出願を全件審査しています。
ファーイースト国際特許事務所では年間数百件の出願をこなしていますが、特許庁の判断は(よいしょ、をするつもりはありませんが)比較的ぶれていないと思います。
もちろん、まれに審査上の明らかなミスと思われる案件もありますが、それは年間数百件を扱う中でもごく少数にしか過ぎません。
しかし過去の審査例に比べて判断が厳しくなってきたと思われる事例もあります。
こういった審査実務の流れは毎日商標登録出願を実施している私どもの事務所であれば手に取るように分かります。
この様に特許庁の審査は安定していますので、逆に出願をすれば審査官が何をいってくるのかある程度予想ができるようになります。
審査を受ける側としては、出願案件の商標登録の可能性が60%とか80%とか議論する場合があるかもしれません。
けれども審査官の判断はオールオアナッシングです。登録査定か拒絶査定かの二つにひとつの判断しかありません。完全にデジタルです。
審査官の場合は各事例に厳格に審査基準を当てはめてきます。
このため、出願人の個々の事情を聞くことは少ないです。
個々の事情を聴いていては審査がいつまでたっても終わらないからです。
このため、審査官の示した基準をクリアできなければ拒絶査定になります。
でも拒絶査定になったとしてもそれで終わりではありません。
拒絶査定不服審判で争うこともできます。
審判で審査の結果が逆転し、登録審決をもらうこともできます。
また審判では審判官がこちらの事情も含めて判断してくれます。
もちろん、こちらにのみ都合のよい論理を展開しても審判官は通常それを認めませんが、粘り強く主張することにより、審査の基準が変更になる場合だってあるわけです。
このため審査官の判断に追従するだけでなく、正しいと思う点があるのであればそれはきちんと主張していくべきです。
そういった小さな試みが審査の流れを変えていく原動力になっていきます。
ファーイースト国際特許事務所
弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247