特許出願、特許明細書の作成、発明の発掘、外国特許出願、PCT、特許庁に対する手続きのポイント等について解説しています。
【Q1】化学関係の特許出願は特許を受けにくいと聞いていますが実務はどうなのでしょうか
【A1】発明のポイントの開示方法を工夫することにより、特許化に導くことがより容易になります
化学関係の特許出願の場合、権利を取得しようとする化合物や組成物の全てがこれまでどこの文献にも一切記載がないという状況はほとんどありません。
ではちょっとでも関係のある記載がほかの文献に書かれていると特許を得ることはできないのでしょうか。
実際の実務ではそんなことはなく、工夫することにより特許を得ることができます。
特許庁の審査では、特許出願した発明は従来技術から容易に思いつくことができたとの指摘を受けることがあります。
ところが化学関係の発明の場合にはやってみなければ分からないという側面があります。
ほんの少し分子構造が異なるだけで薬が毒になる場合等、その実例はいくらでもあります。例えばメタノールとエタノールとは似た構造をしていますが、一方は心の薬になり、片方は毒になります。
発明のポイントを分かりやすく示すことができる様にデータを提示することにより、従来技術から容易に思いつくことができたとはいえないことを主張することが可能になります。
似た様な技術が既に開示されているからといって特許出願をあきらめる必要はありません。
特許出願するケースにもよりますが、工夫する余地は十分あると思います。