特許Q&A(3)PCT出願を行うかどうか

【Q3】PCT出願(国際特許出願)を行うかどうかをどの様に考えると良いか教えて下さい

【A3】PCTは最終的に外国特許出願するかどうかが決まっていない場合に力を発揮する制度です

日本国の特許庁に対し一つの手続きをすることにより、外国の特許庁に実際に特許出願の願書の提出手続きしたのと同じ効果が得られるのが国際特許出願制度です。

実務上は日本にした特許出願に基づいて出願日から1年以内にパリ条約上の優先権を主張して外国に特許出願を行います。

PCT制度は特許出願手続きを世界的に統一したものであり、実際の審査や出願手続きは各国ごとに行う必要があります。

このためPCT制度を利用した場合でも最終的には各国に対して各国の言語で作成された明細書等を原則として提出しなければなりません。

ただしPCT制度を利用すると、各国に対する翻訳文の提出手続き等を最初の日本出願の日から30ヶ月後送りすることが可能になります。

日本に対する特許出願の後、事情の変化により外国特許出願を取り下げる可能性がある場合には翻訳文等の提出を後送りすることのできるPCT制度を利用するのがよいと思われます。

各国に対する翻訳文提出期間内に外国に対する特許出願を取り下げる場合には翻訳文の作成費用等を節約することができるからです。

逆に外国に対して具体的に特許出願を行うことが決定されている場合にはPCT制度を利用しないことが良いと思われます。PCT制度を利用する費用を節約することができるからです。


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