1. 商標登録区分 第1類 「化学品」の解説〔2026年最新版〕
第1類の見出し
- 工業用、科学用及び写真用並びに農業用、園芸用及び林業用の化学品
- 未加工人造樹脂、未加工プラスチック
- 消火剤及び防火剤
- 焼戻し剤及びはんだ付け剤
- 獣皮用なめし剤
- 工業用接着剤
- 堆肥、肥料
- 工業用及び科学用の生物学的製剤
注釈
第1類には、主として、工業用、科学用及び農業用の化学品(他の類に属する商品の製造に用いられるものを含む。)を含む。
2. 商標登録区分の第1類に含まれるもの
第1類には、特に、次の商品を含む
- 感光紙
- タイヤ修理用合成物
- 保存用塩(食品の保存に用いられるものを除く。)
- 特定の食品工業用添加物、例えば、ペクチン、レシチン、酵素、化学保存剤
- 化粧品製造用及び医薬品製造用の特定の成分、例えば、ビタミン、保存剤、精油及び酸化防止剤
- 特定のろ過剤、例えば、鉱物性物質から成るろ過剤、植物性物質から成るろ過剤及び粒状セラミック製ろ過剤
3. 第1類に含まれないもの
第1類には、特に、次の商品を含まない
- 未加工天然樹脂(第2類)、半加工人造樹脂(第17類)
- 医療用及び獣医科用の化学剤(第5類)
- 殺菌剤、除草剤及び有害動物駆除剤(第5類)
- 文房具としての又は家庭用の接着剤(第16類)
- 充填用パテ(第17類)
- 食品保存用の塩(第30類)
- 根覆い用わら(第31類)
4. 詳細解説
化学品(01A01)
この商品には、一般に、無機工業薬品、有機工業薬品、「界面活性剤」「化学剤」の大部分が含まれます。
なお、この商品と類似群は同じですが、第2類(カナダバルサム コパール 等)、第3類(家庭用帯電防止剤 家庭用脱脂剤 等)、第4類(固形潤滑剤)、第19類(タール ピッチ)及び第30類(アイスクリーム用凝固剤 ホイップクリーム用安定剤 料理用食肉軟化剤)に属する商品も存在します。
1.「1 無機酸類」ないし「9 空気」「無機酸類」ないし「空気」には、無機の化学的基礎製品であって、工業原料又は実験用として取引されるもの及び未だ用途が限定されないで取引されるものが含まれます。
したがって、同物質であっても、他の用途に限定された取引の段階にあるものは含まれません。
いかなる用途として取引されるかは、商標権者の業種、商品の包装等から判断されることになります。
例えば、「硫酸アンモニウム」が、工業原料として取引される場合は「化学品」中の「硫酸塩」の概念に含まれますが、肥料として取引される場合はここには含まれず、本類「肥料」に属します。
しかし、未だ何に使用されるかわからない取引段階にあるものは、たとえ後にその大部分が他の用途に使用されるものであっても上記「硫酸塩」の概念に属します。
以下、用途が限定されたものとして取引される場合の取扱いを、例を挙げて説明します。
(1)
「アルカリ類」「消石灰」は、肥料として取引されるものは、本類「肥料」に属します。
「水酸化アルミニウム」は、顔料(アルミナ白)として取引されるものは、第2類「顔料」に属します。
(2)
無機塩類
(ア)
「ハロゲン化物及びハロゲン酸塩」「塩化アンモニウム」や「塩化カリ」は肥料として取引されるものは、本類「肥料」中の「化学肥料」に属します。
「工業塩」は、工業原料として使用される塩化ナトリウムの意味であり、食用として使用される塩化ナトリウムは、第30類「調味料」に属します。
「さらし粉」は、漂白剤として取引されるものはこの概念には属さず、その用途により、例えば、洗濯用のものは第3類「洗濯用漂白剤」に、洗濯用以外のものは、主に、本類「化学品」中の「化学剤」にそれぞれ属します。
また、「消毒剤」として取引されるものは、第5類「薬剤」に属します。
しかし、化学会社がドラム缶に入れて売る場合のように、未だ何の用途に用いられるかわからない商品は、この概念に属します。
(イ)
「硫酸塩」「硫酸アンモニウム」や「硫酸カリ」は、肥料として取引されるものは、本類「肥料」中の「化学肥料」に属します。
「チオ硫酸ソーダ」は、写真定着液として取引されるものは本類「写真材料」に属します。
「硫酸バリウム」は顔料として取引されるものは、第2類「顔料」に属します。
しかし、化学会社で未だ何の用途か限定せずに売られるものは、この概念に属します。
(ウ)
「硝酸塩」「硝酸アンモニウム」は、肥料として取引されるものは、本類「肥料」に属します。
「硝酸銀」は、「写真感光剤」として取引されるものは、本類「写真材料」に属します。
(エ)
「炭酸塩」「重炭酸ソーダ」は、「ベーキングパウダー」として取引されるものは、第30類に属します。
「炭酸カルシウム」は、顔料として取引されるものは、第2類「顔料」に属します。
(3)
酸化物
(ア)
「非金属酸化物」「過酸化水素」は、洗濯用の「漂白剤」として取引されるものは第3類「洗濯用漂白剤」に、医薬品として取引されるものは、第5類「薬剤」に属します。
(イ)
「金属酸化物」「酸化チタン」は、顔料として取引される「チタン白」は第2類「顔料」に属します。
2.「10 芳香族」ないし「25 有機金属化合物」「芳香族」ないし「有機金属化合物」には、工業原料又は実験用として使用される有機の化学的基礎製品が該当します。
これらの概念に属する商品も、「無機酸類」ないし「空気」に属する商品と同様に、同物質であっても他の用途に限定された取引の段階にあるものは含まれず、未だ用途が限定されていない取引段階にある場合は、その大部分が後に他の用途に使用されようと、現段階ではこれらの概念に属します。
3.「26 界面活性剤」
界面活性剤とは、水又は油に溶けて界面エネルギーを著しく低下させ、その結果、界面における諸性質に大きな変化を与えるものですが、このような作用に適した種々の用途に使用されるものをいいます。ここでは界面活性剤をこの用途の面でとらえて列挙しています。
界面活性剤の代表的作用は洗浄作用ですが、せっけん又は洗剤として取引されるものは第3類「せっけん類」に属しますので、この概念からは除かれます。
したがって、この概念に属するものは、洗浄以外の用途に用いるものとして取引される場合及び一定の用途を定めないで取引される場合の界面活性剤です。
4.「27 化学剤」
この商品は、無機又は有機の工業薬品のうち、用途又は効能の面に着目して分類したものと解されます。
ただし、用途の面に着目したものであっても、「界面活性剤」はこの商品には含まれません。
また、他の類の用途(例えば、染料、顔料、せっけん類、香料、薬剤等)に使用されるもの又はこの類の他の商品の用途(例えば、陶磁器用釉薬、写真材料等)に使用されるものも、この概念には属しません。
工業用のり及び接着剤(01A02)のり及び接着剤のうち、工業用に用いられるものが本類に属します。
また、これらの商品と類似群が同じですが、のり及び接着剤のうち、化粧用又は洗濯用である「かつら装着用接着剤 洗濯用でん粉のり 洗濯用ふのり つけまつ毛用接着剤」は第3類に、「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」は第16類に属します。
なお、これらの商品とは類似群が異なりますが、医療用である「外科用接着剤」及び「義歯用接着剤」は第5類に属します。
参照:商品のアルファベット順一覧表
第5類「surgical glues」(外科用接着剤 01B01)
第5類「adhesives for dentures」(義歯用接着剤 01C03)
植物成長調整剤類(01B02)
この商品には、「植物育成剤」「植物ホルモン剤」「発芽抑制剤」等、一般に「植物成長調整剤」と呼ばれているものと「土壌改良剤」とが含まれます。
なお、この商品と類似群が同じ「燻蒸剤(農薬に当たるものに限る。) 殺菌剤(農薬に当たるものに限る。) 殺そ剤(農薬に当たるものに限る。) 殺虫剤(農薬に当たるものに限る。) 除草剤 防虫剤(農薬に当たるものに限る。) 防腐剤(農薬に当たるものに限る。)」は第5類に属します。
肥料(02A01)
この商品は、一般に「肥料」と呼ばれているものが該当します。
「肥料」は作物の生育を助けるものですが、同じ植物の成長に関係するものであっても、「植物成長調整剤」と呼ばれているものはこの商品に含まれず、本類「植物成長調整剤類」に属します。
陶磁器用釉薬(03B02)
この商品は、素焼の陶磁器の表面に掛けて、装飾と水分の吸収を防ぐために用いる釉薬が該当します。
なお、塗料として取引される釉薬は、この商品と類似群が同じですが、第2類に属します。
参照:商品のアルファベット順一覧表
第2類「glazes [paints, lacquers]」(釉薬 03B02)
製造用精油(04D01)
この商品は、化粧品、医薬品や食品等の商品を製造する際に使用される精油が該当します。
なお、国際分類第12−2025版までは、「精油」は、用途に関わらず、全て第3類に属していましたが、国際分類第13−2026版以降は、精油等は、その用途に応じ、第1類(製造用精油)、第3類(香料(芳香用のものに限る。))、第5類(アロマテラピー用オイル)、第30類(食品香料)及び第34類(たばこ用香味料)に属します。
高級脂肪酸(05E01)
この商品は、油脂を分解して得られる脂肪酸のうち、水に対して不溶性のものが該当します。例示されている商品のほか、「リノール酸」「リノレン酸」等がこの商品に含まれます。
なお、「グリセリン」は本類「化学品」中の「アルコール類」に属します。また、「ぎ酸」「酢酸」等の低級脂肪酸も、本類「化学品」中の「有機酸及びその塩類」に属します。
非鉄金属(06A02)本類に属する非鉄金属は、スカンジウムランタン等の希土類元素や、ウラニウムプルトニウム等の核燃料物質等が該当します。
とりわけ、核燃料物質は、金属元素又は同位元素であり、第4類「燃料」には該当しません。
また、この商品と類似群は同じですが、第2類(塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の非鉄金属はく及び粉 塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の貴金属はく及び粉)、第6類(非鉄金属及びその合金)及び第14類(貴金属)に属する商品が存在します。
なお、「金鉱」「銀鉱」「鉄鉱」「銅鉱」等、一般に「金属鉱石」と呼ばれる商品は第6類「金属鉱石」に属します。
参照:商品のアルファベット順一覧表
第1類「rare earths」(希土類元素 06A02)
非金属鉱物(06B01)
この商品は、鉱物のうち有用元素を含有し、採掘の対象となるもので、金、銀、銅などの金属類を含有する「金属鉱石」以外の商品(非金属鉱石)、例えば、「硫黄(非金属鉱物)」や「ボーキサイト」等が該当します。
また、この商品と類似群は同じですが、第6類(金属鉱石)、第14類(宝玉の原石)、第17類(雲母)、第19類(建築用又は構築用の非金属鉱物)及び第20類(海泡石 こはく)に属する商品が存在します。
なお、「金鉱」「銀鉱」「鉄鉱」「銅鉱」等、一般に「金属鉱石」と呼ばれる商品は第6類「金属鉱石」に属します。
写真材料(10E01)
この商品は、化学的製品、紙類、プラスチック、ガラス等の材質を問わず、写真撮影、現像、焼付けに使用される材料が該当します。
また、いまだ撮影されていない生フィルムや映画用のものも含まれます。
なお、この商品とは類似群が異なる商品ですが、映画用の撮影済み「映写フィルム」は第9類に、「写真」は第16類に属します。
試験紙(医療用のものを除く。)(25A01)
この商品は、化学薬品を紙に浸潤又は塗布したものであって、その化学薬品の化学反応を利用するものが該当します。
なお、この商品と類似群は同じですが、第5類(防虫紙)、第16類(紙類)、第17類(コンデンサーペーパー バルカンファイバー)及び第27類(壁紙)に属する商品が存在します。
工業用人工甘味料(31A03)
この商品は、製菓・製パン・漬物等の工業用の甘味剤として用いられるものが該当します。
なお、この商品と類似群が同じ「角砂糖 果糖 氷砂糖(調味料) 砂糖 麦芽糖はちみつ ぶどう糖 粉末あめ 水あめ(調味料) 料理用人工甘味料」は第30類に属します。
工業用粉類(33A03)
この商品には、原則として穀物及び豆を粉にしたものであって、「のり 接着剤」等の工業製品の原材料として用いられるものが含まれます。
また、この商品と類似群が同じですが、専ら食用に供される「食用粉類」は第30類に属します。
原料プラスチック(34A01)
この商品は、成形等の加工を何ら施さない原料としてのプラスチックが該当します。
また、これらの半加工品は、この商品には含まれず、第17類「プラスチック基礎製品」に属します。
パルプ(34D01)
この商品は、紙、レーヨン、セロファンなどの主原料となる「パルプ」が該当します。
5. 区分のポイント
1. 用途による分類
- 同一の商品でも用途によって区分が変わる場合がある
- 第1類に固有の商品と他類との境界に注意が必要
- 取引の実態に基づいて区分が判断される
2. 類似群による他類との関連
- 同じ類似群コードを持つ商品が他の類にも存在する
- 関連する類として第2類、第3類、第4類、第5類、第6類等がある
- 類似群コードを確認して正確な区分を行う必要がある
3. 含まれるもの・含まれないものの区別
- 第1類に含まれるものと含まれないものの区別が重要
- 含まれるもの例:感光紙
- 含まれないもの例:未加工天然樹脂(第2類)、半加工人造樹脂(第17類)
4. 主要な商品カテゴリ
- 主要な区分として「化学品」がある
- 主要な区分として「無機塩類」がある
- 主要な区分として「酸化物」がある
- その他にも多数の細分化された区分が存在する
第1類の商標区分は主に化学品に関する商品を包含しています。商標登録の際は、具体的な商品内容を正確に把握し、適切な区分を選択することが重要です。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247
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