【必見】商標の早期審査制度とは?最短2ヶ月で審査完了するメリットと注意点をプロが解説!

無料商標調査 次回定休日4/28-5/2

1. 早期審査ってなに?

「商標登録、早く終わらせたい!」
そんな声に応えるのが、商標の早期審査制度です。

この制度は1997年(平成9年)にスタートし、特許庁が通常よりも早く審査を行ってくれる特別ルートです。

条件を満たせば、なんと審査期間が8ヶ月 → 約2ヶ月に短縮されます!
(※昨年2024年の1年間の審査に合格した商標権の登録までの最瀕値は8ヶ月です)

◆ なぜ審査に時間がかかるの?

今、特許庁には年間10万件以上の商標出願が集まっています。
審査を行っているのは、東京・虎ノ門にある一ヶ所の特許庁のみ。
結果、出願してから審査が始まるまで約8ヶ月待ちが発生しているのが現状です。

審査官に出願書類が届くのに一定期間を要する影響で、
「もう商品販売が始まるのに、商標が取れてない…」
「他社にマネされたらどうしよう…」
そんな不安を抱える事業者さんも少なくありません。

◆ 早期審査が必要とされる背景

実は、商標出願より先に商品やサービスをスタートするケースはよくあります。
でも、万が一その商標が登録NGと判断されたら…今使っている名前が使えなくなるリスクが。

だからこそ「早く審査して欲しい!」というニーズは高まっており、
ビジネスの現場を守る手段として、早期審査制度が導入されました。

◆ 早期審査を受けられるのはどんなケース?

「早くして欲しい」はみんな同じ。でも、特許庁が優先するのは“急を要する正当な理由”がある人だけ。自分だけ審査を早くしてほしい、というのは通りません。

早期審査を申し込むには、

「すでにビジネス展開が始まっている」ことを客観的に証明する必要があります。

たとえば…

  • 商標が印刷されたカタログを数千部作成済み
  • 商標入りの容器やパッケージの試作品が完成している
  • Webサイトで商標付き商品の販売が始まっている

※画像だけでは加工の可能性があるため、証拠として弱く、認められないケースもあります。

◆ 早期審査のメリットとは?

✅ とにかくスピーディ!

登録までに8ヶ月かかるところ、早期審査ならたったの2ヶ月程度で審査結果が返ってきます。
ビジネススピードが求められる今、これは大きなアドバンテージです!

✅ 拒絶査定の審判にも使える!

早期審査は、審査段階だけでなく、拒絶査定不服審判(いわば再チャレンジ)にも適用可能です。
通常は1年近くかかる審判も、数ヶ月で結果が出る可能性があります。

◆ 注意すべき点は

  • 誰でも申請できるわけではない
  • 客観的な証拠が必要
  • 書類の不備があると申請が通らない

◆ここがポイント

「商標を早く登録したい」「今すぐ使いたい」そんなあなたには、早期審査制度が強い味方になります。
ただし、申請には実績と証拠が不可欠。
正しく申請すれば、ビジネスをスピーディに守ることができます。

2. 🔍早期審査の対象になる出願とは?

次のいずれかに該当すれば、早期審査を申し込めます。

商標登録の早期審査が認められる3要件

【対象1】使っていて、しかも急ぐ必要があるケース

商標をすでに使っている(または使用準備がかなり進んでいる)

さらに、以下のような緊急性がある場合
例:

  • 第三者が勝手に商標を使っている
  • 警告を受けている
  • 使用許諾を求められている
  • 海外でも出願中
  • マドプロ出願の予定がある

【対象2】使用中の商標「のみ」を指定しているケース

商標を既に使っている商品・サービス(または準備が進んでいるもの)のみを指定して出願している場合。
※未使用の商品・サービスが含まれているとNGなので、事前に削除しておくのがベストです。

【対象3】使用中&「公式リストに載っている名称」のみを指定しているケース

商標をすでに使用しており、指定商品・サービス名が「類似商品・役務審査基準」などに完全一致していること。
※名称に誤字があると対象外になることも。細心の注意が必要です。

3. 📝早期審査の申出手続きとは?

申請方法もシンプルです。

  • 手続き項目:内容
  • 提出書類:「早期審査に関する事情説明書」
  • 提出者:出願人または代理人
  • 提出方法:オンライン or 書面
  • 提出時期:出願後いつでもOK(※なるべく早めが望ましい)
  • 手数料:追加の特許庁印紙代無料!

⏳ポイント:出願から時間が経ちすぎていると、早期審査の着手が遅れることもあるため注意が必要です。

💬まとめ|「早く商標を取りたい人」こそ、早期審査を!

事業を立ち上げたばかりの起業家や、ブランドを急いで守りたい法人様にとって、商標の早期審査・早期審理は心強い味方です。

  • 「ライバルの活動を商標権で牽制したい」
  • 「メディア掲載が近いので急いでいる」
  • 「海外展開も見据えて動いている」

こうしたシーンでは、商標のスピード取得が命運を分けることも。
早期審査・審理を賢く活用して、ブランドを最速で守りましょう。

4. 早期審査の具体的な手続きってどうやるの?

早期審査を利用するには、まず商標の出願を済ませることが必須です。出願内容がなければ、特許庁は審査を進めることができません。

手続きのステップ:この順番で進めよう

4-1. 「早期審査に関する事情説明書」を提出する

早期審査を受けたい場合、まずはこの書類を用意しましょう。
商標を早く登録する必要がある理由などを記載します。

4-2. 必要に応じて「事情説明補充書」を追加提出

説明書だけでは要件が十分に伝わらない場合、補充書でフォローできます。
ただし!
一度、特許庁から「早期審査の対象としません」という通知が届いてしまうと、補充書の提出はできません。
ここが大きな注意ポイントです。

4-3. 特許庁による選定

提出内容をもとに、特許庁が早期審査の対象とするかどうかを判断します。
対象とならなかった場合には、「非選定通知書」が郵送されます。

4-4. 早期審査の申請が通らなかったらどうなるの?

安心してください。
たとえ早期審査の対象にならなかったとしても、出願が無効になるわけではありません。
そのまま通常の審査プロセスに移行するだけです。

4-5. 審査が通れば、スピード勝負!

早期審査の対象に選ばれた場合、審査官がすぐに動き出します。
できるだけ早く処分が完了するよう、優先的に審査が進められます。

4-6. ここがポイント:早期審査は使い方次第で強力な武器に!

早期審査制度は、うまく活用すれば商標登録までの時間を大幅に短縮できます。
ただし、手続きに抜けやミスがあると、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性も。
提出書類は丁寧に、タイミングにも注意しましょう。

\商標の早期審査でビジネスのスピードを加速させよう!/

早期審査って本当におトク?

商標の通常審査には、登録までおおよそ8か月前後かかります。
ところが「早期審査制度」を利用すると、たった2か月程度にまで短縮されることも!
これを聞いて「ぜひ使いたい!」と思う方も多いのではないでしょうか?

しかし、その制度の裏側を知らないまま進めると、
思わぬトラブルやムダな出費に巻き込まれる可能性があるのです。

【実話】こんな相談が実際に寄せられています

「平野先生、早期審査で12万円も追加請求されたんですが、普通これくらいかかるんですか?」
「早期審査をお願いしたのに、また出し直す必要があるって言われました…これってどういうことなんですか?」

こうしたご相談、実は珍しくありません。

事前に十分な説明が受けられないまま、早期審査制度を進めているケースも見受けられます。

「早く登録できるなら…」と高額な手数料を支払ってしまう前に、
制度の仕組みと注意点をしっかり理解することが大切です。

【ここが重要】早期審査で必ず確認すべきポイント

最大の注意点は、「どの商品について商標登録を急ぐか」という点です。
たとえばあなたが、

  • 化粧品
  • 歯磨き
  • 抜け毛防止用シャンプー

の3つの商品について同じ商標を申請したとします。
でも、今カタログなどの販促準備ができているのは抜け毛防止用シャンプーだけ。
化粧品と歯磨きは、まだ何も資料がない状態。
この場合、早期審査で登録できるのは抜け毛防止用シャンプーのみになります。

他の2つは「準備不足」として扱われ、早期審査では対象外になります。つまり補正で削除して、狭い権利だけが得られる結果になります。

業者が早期審査で儲かるカラクリ

【比較】通常審査と早期審査の違いをひと目でチェック!

審査方法 登録対象となる商品
通常審査 すべての商品が対象(準備状況に関係なし)
早期審査 準備が整っている商品のみが対象(証拠資料が必要)

【要注意】結局、余計な出費になることも…?

早期審査では、準備が整っていない商品については登録できません。
その結果、別途ふたたび申請が必要になります。

つまり、2回分の手数料が発生する可能性があるのです。

一方、通常審査なら1回の申請で全部まとめて登録可能です。

【なぜトラブルが起きるのか?】

早期審査では「手数料が2回分請求される」場合があるという側面もあるため、
制度の仕組みをきちんと説明しないまま、早期審査を強く勧められる場合には要注意です。

依頼する側としては、

  • なぜ早期審査を勧められているのか?
  • 全品目が対象になるのか?
  • 追加の費用が発生しないか?

このあたりをしっかり確認することが、とても重要です。

【ここがポイント】早期審査を活用する前に、必ずこれをチェック!

✅ 早期審査は原則として「準備できている商品だけ」が対象
✅ すべての商品を一度で登録したいなら通常審査も検討
✅ 手数料の内訳と追加費用の可能性を事前に確認
✅ 説明が不十分な業者には注意!後で追加料金が発生する場合があります

商標の早期審査制度は、うまく使えば強力な武器になります。
ですが、その前に「制度の仕組み」と「リスク」を知っておくことが大切です。

トラブルを防ぎ、あなたの大切なブランドを守るために、
事前に専門家に相談してから進めましょう。

5. 早期審査でよくある誤解:ポイントを押さえよう

5-1. 早期審査だからといって審査に通りやすくなるわけではない

早期審査制度は、出願の順番を繰り上げて“審査結果を早めに受け取れる”ようにするための仕組みです。
ただし、あくまで審査の順番が早まるだけで「審査自体がゆるくなる」わけではありません。

そのため、たとえ早期審査用の追加費用を支払って手続を進めたとしても、必ずしもスムーズに商標登録できる保証はない点に注意しましょう。

ポイント: 早期審査は「最優先レーン」ではあっても「無料パス」ではありません。審査のハードルは同じです。

5-2. 早期審査でも“先願主義”は変わらない

日本の商標制度は、出願が早い者勝ちの“先願主義”を採用しています。
たとえ早期審査で先に審査を受けられたとしても、同じような商標を先に出願している人がいれば、そちらが優先されます。

また、商標登録データベースへの反映にはタイムラグがあるため、直前に誰かが似た商標を出願している可能性もあります。

ポイント: 早期審査で審査順が繰り上がっても、類似や衝突する商標の出願日が自分より先なら、登録できない場合があるのです。

6. スーパー早期審査制度は特許だけ

特許庁では、早期審査の他にスーパー早期審査制度を設けていますが、対象となるのは特許案件だけです。
商標登録出願にはスーパー早期審査制度の適用はありませんので注意しましょう。

7. まとめ:早期審査制度は“早さ”重視だが、リスクも理解して活用を

  • メリット: 審査スピードがアップする
  • デメリット: 審査基準が甘くなるわけではない、先願主義の壁は変わらない
  • 注意点: 出願タイミングや競合商標の存在には常に目を配る必要あり

早期審査制度は「なるべく早く結果が欲しい!」という方には便利な選択肢ですが、あくまで審査を早める手段であって、合格率を上げる魔法のチケットではありません。

しかし出願者はみな同じ条件下にいるため、一概に自分だけが「不利」になるわけでもありません。

うまく使いこなすことで、スピード感をもってビジネスを進めることが可能になります。

もし「早期審査に申し込むべきか迷っている…」という方は、事前にしっかり専門家に相談し、メリット・デメリットを踏まえたうえで最適なタイミングを見極めるのがおすすめです。

「商標の早期審査って、メリットだけじゃなく、思わぬリスクもあるって知っていましたか?手続きが早く進むメリットに惹かれて、よく考えずに早期審査を申し込むと、実は費用が増えたり、競合より先に審査を突破できるとは限らなかったり…意外なデメリットが潜んでいます。

状況に応じて早期審査を上手に活用すれば大きな武器になるのは事実です。特許庁のガイドラインに合致しているか、しっかりチェックしてから申請すればOK!ただし、業者の言われるがままに“とりあえず早期審査”と飛びつくのは要注意。手数料や追加の費用がどんどん増えるかもしれません。

不安な点があれば、いつでも無料相談をご利用ください。早期審査の適用可否をしっかり見極めることで、無駄な出費や時間を減らし、スムーズに商標登録を勝ち取りましょう!

▼ まとめポイント

  • 早期審査を申請しても、先に出願した人を追い越せるわけではない
  • 申請の内容次第では、最終的に費用が増加する可能性がある
  • 特許庁のガイドラインを事前に確認し、要件に合致しているかをチェック
  • 迷ったときは、無料相談でプロに質問してから判断するのがおすすめ

ファーイーストでは「早期審査ができるかどうか」の無料相談を行っています。疑問点・不安点があれば、ぜひ気軽にお問い合わせください。早期審査を賢く活用して、あなたのブランドをいち早く守りましょう!

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