地域に根差した新聞の名称を保護したいと考えている方々へ、商標登録の可能性について今回は説明します。
ご自分で発行している地域新聞の名前であれば、その名前を商標として商標登録を申請することができます。ただし、重要なのは、その名前と類似するか同じ商標が既に登録されていないことが条件となります。
地域新聞を商標登録する際、留意すべき点は以下の三つです。
1. 全国的な権利の保護
商標権は地域限定ではなく、日本全国でその効力を発揮します。
たとえば、沖縄で特定の名称を持つ地域新聞が商標登録されている場合、北海道で同名の新聞に同じ商標を登録することは不可能です。これは、現行法では地域限定での商標登録が認められていないためです。
仮にこのような問題が生じた際は、例えば、ライセンス契約を通じて使用許諾を得る道等を模索します。
2. 不正利益の防止
他者が発行する新聞が未だ商標登録されていないからと言って、不正な利益を目的とした商標登録は許可されません。また、不正利益を追求しない場合でも、事前の調査を怠らず、不必要なトラブルを避けるための努力が求められます。
3. 商標登録の対象範囲の検討
地域新聞に対する商標登録を検討する際、自らが新聞を発行するのか、他者のために印刷を担うのかによって、必要とされる商標権の範囲が変わります。
直接新聞を発行する場合は、その新聞自体を商品として保護する必要があります。一方、印刷サービスを提供する場合は、そのサービスに対する商標登録が必要となります。
地域密着型の新聞を守るための知識として、これらの点をぜひお役立てください。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
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