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NHKの「八重の桜」は商標登録されるか


1. はじめに

人気ドラマや映画、テレビ番組のタイトルを目にすると、「この名前は商標登録されているのだろうか」「もし自分が先に出願したら、権利を取れてしまうのか」と気になることがあります。作品名や番組名をめぐっては、制作する側の権利確保と、関係のない第三者による便乗出願とが、たびたび交錯します。

ここでは、NHKの大河ドラマ「八重の桜」を題材にしながら、作品名や番組名の商標がどのように扱われるのか、誰が登録できるのか、そして無関係な第三者の便乗出願は通るのかを、放送時期などに左右されない一般的な考え方としてご紹介します。自社のブランドや作品名を守りたい方にも役立つ内容です。

2. 作品名・番組名も商標登録の対象になる

まず押さえておきたいのは、ドラマや番組のタイトルも、商標登録の対象になりうるということです。商標というと商品名や会社のロゴを思い浮かべがちですが、作品名や番組名も、商品やサービスの目印として使われるのであれば、商標として保護を受けられます。

実際に、NHKの大河ドラマ「八重の桜」は、放送に関連するグッズや出版物などとの関係で商標登録されており、権利者は番組の制作・関連事業を担う会社です。同じように、ほかの大河ドラマのタイトルについても、権利元が商標登録出願を済ませている例が見られます。

人気が出そうな作品名は、放送が始まってから慌てて押さえようとすると、すでに第三者に出願されてしまっていることもあります。番組やイベントを手がける側が、世に出る前の段階で権利を確保しておくのは、自然な備えといえます。

3. 「一般名称だから登録できない」とは限らない

「八重の桜」のような言葉は一般的な表現にも見えるため、「ありふれた名前だから商標登録できないのではないか」と考える方もいます。しかし、商標登録できるかどうかは、その言葉だけを見て決まるわけではありません。

商標の登録可否は、権利を求める商品やサービス(指定商品・指定役務)との関係で判断されます。たとえば化粧品やお菓子、クッションといった商品について「八重の桜」を使う場合、その言葉はこれらの商品の普通名称でも品質を表す言葉でもありませんので、商品を見分けるための目印として十分に機能します。こうしたケースでは、登録が認められやすくなります。

逆に、ある商品にとってその言葉が普通名称や品質表示にあたる場合は、目印としての働きが弱いため、登録が難しくなります。同じ言葉でも、どの商品・サービスに使うかによって結論が変わる点が、商標登録の特徴です。

4. 作品名は権利元が早めに押さえるのが実務

作品名や番組名は、制作者や放送局、権利を持つ会社が、公表に先立って出願し、権利を確保しておくのが実務上の基本です。「八重の桜」も、放送が本格化する前の段階で登録手続きが進められていました。

なぜ早めの確保が大切かというと、商標は原則として先に出願した人に権利が与えられる仕組み(先願主義)だからです。話題になってから動き出したのでは、その間に第三者へ出願されてしまうおそれがあります。先に押さえておけば、関連グッズの展開やライセンスを安心して進められますし、紛らわしい名前の便乗商品を排除する根拠にもなります。

この考え方は、テレビ番組に限った話ではありません。新商品の名前、サービス名、店舗名、キャラクター名なども、世に出す前に出願しておくことで、後から生じるトラブルを大きく減らせます。

5. 第三者の「便乗出願」は通るのか

では、作品の関係者ではない第三者が、話題の作品名を商標として出願した場合、その出願は通ってしまうのでしょうか。「関係者でなければ必ず拒絶される」と単純に言い切れるものではなく、いくつかの観点から判断されます。

よく知られた作品名に便乗するような出願には、登録を認めない方向に働く事情がいくつもあります。たとえば、次のような点です。

  • 有名な作品名と紛らわしいことで、消費者が「あの番組の公式商品だ」と出所を取り違えるおそれがある
  • 他人の知名度や信用にただ乗りしようとする、不正な目的が認められる
  • 便乗的な出願が、社会の常識に照らして適切とはいえないと評価される
  • すでに権利元が同じ名称を出願・登録している場合は、後から出した出願は認められない

こうした事情にあてはまるときは、第三者の便乗出願は登録を拒絶されたり、登録後に無効とされたりすることになります。

ただし、結論は作品の知名度や、出願された商品・サービスの内容、出願の経緯によって変わります。広く知られていない作品名や、作品とは関わりの薄い分野の商品については、第三者が登録を受けられてしまう場合もないとはいえません。「有名作品の名前だから誰も取れない」と安心しきるのは禁物で、権利元が自ら早めに出願しておくことが、いちばん確実な備えになります。

6. 無断登録や便乗出願に気づいたら

もし自社の作品名やブランド名が第三者に出願・登録されてしまっていることに気づいた場合でも、打てる手はあります。

  • 登録前の出願であれば、審査の段階で問題点を指摘する情報提供を行う
  • 登録されて間もない場合は、一定期間内に登録異議の申立てを行う
  • 登録に無効の理由があるときは、無効審判を請求して権利をくつがえす
  • 登録されていても実際に使われていない場合は、不使用取消審判を検討する

いずれの手続きも、要件や期限、立証のしかたが細かく定められており、どの方法が適しているかはケースごとに変わります。気づいた時点でできるだけ早く、専門家に相談することが、有効な対抗につながります。

7. 自社の作品名・ブランドを守るために

作品名や番組名の例から見えてくるのは、「価値のある名前は、世に広まる前に自分で押さえておく」という原則の大切さです。話題になってからでは、便乗出願への対応に時間とコストがかかってしまいます。

ファーイースト国際特許事務所では、実務経験10年以上のベテラン弁理士がお客さまを直接担当し、商品名・サービス名・作品名などの商標登録について、どの区分でどう出願すべきかを具体的にご提案します。新しい名前の権利確保や、他社の便乗出願への対応にお悩みの方は、まず無料相談・調査のお問い合わせからお気軽にご連絡ください。費用の目安は商標登録の費用ページでご確認いただけます。

8. よくある質問

Q1:ドラマや番組のタイトルも商標登録できるのですか?

はい、できます。作品名や番組名も、商品やサービスの目印として使われるのであれば、商標として保護の対象になります。実際に、人気ドラマのタイトルは、関連グッズや出版物との関係で権利元が商標登録している例が多くあります。

Q2:「八重の桜」のような一般的に見える言葉でも登録できるのですか?

登録できるかどうかは、その言葉だけでなく、使う商品やサービスとの関係で判断されます。化粧品やお菓子のように、その言葉が普通名称や品質表示にあたらない商品であれば、目印として十分に機能するため、登録が認められやすくなります。

Q3:作品の関係者でない第三者が、有名な作品名を出願したらどうなりますか?

出所の混同や不正な目的、社会通念などの観点から、登録が拒絶されたり無効とされたりすることが多くあります。ただし「関係者以外なら必ず拒絶される」と決まっているわけではなく、作品の知名度や出願された商品・サービスの内容によって結論は変わります。

Q4:自分のブランド名を他人に先に登録されないためには、どうすればよいですか?

商標は先に出願した人に権利が与えられるのが原則ですので、名前を世に出す前に出願しておくことが最も確実です。商品名やサービス名、店舗名などは、公表前の段階で出願を済ませておくと、便乗出願のリスクを抑えられます。

Q5:自社の名前がすでに第三者に登録されていました。取り戻すことはできますか?

登録異議の申立てや無効審判、不使用取消審判など、状況に応じた対抗手段があります。それぞれ要件や期限が定められているため、気づいた時点で早めに弁理士へ相談することをおすすめします。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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ファーイースト国際特許事務所|弁理士 平野泰弘

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