誰にでもできる商標登録の検索方法とは?J-PlatPatの使い方のポイント

無料商標調査 商標登録革命

*2017年2月23日改訂

(1)商標検索に使うJ-PlatPatとは?

J-PlatPatとは?

J-PlatPatとは、インターネットを通じて誰でも無料で利用することのできる特許庁の特許や商標等の知的財産に関するデータベースです。特許庁のホームページのトップページにある特許情報プラットフォームがJ-PlatPatです。

なお特許電子図書館は特許情報プラットフォームのJ-PlatPatの前のシステムになります。J-PlatPatの運用が開始された平成27年3月23日以降は、特許電子図書館の運用は終了しています。

日本の商標制度では、他人が先に登録済みなら、同じ商標の登録は認められません。

特許庁は、申請中の商標や登録が終わった商標をデータベースで公開し、制限なくいつでも検索可能となっています。これが特許情報プラットフォーム J-PlatPatです。

J-PlatPatは東京にある特許庁のウェブサイトのページから直接リンクされていることから特許庁のデータベースと慣用的に呼ばれていますが、実際はJ-PlatPatの運用は、特許庁ではなくて独立行政法人工業所有権情報・研修館の代行です。

特許庁のデータベース、と表現するのは、商標検索に利用されるデータベースは、特許庁のデータベースとそれ以外の業者が運用する商用データベースがあるからです。

ただJ-PlatPat以外の商用データベースの元となるデータは、基本的にJ-PlatPatにほぼ全て格納されています。

こうした理由から無料で使用可能な商標検索に使うデータベースの中では、J-PlatPatは最強の存在です。

インターネットが普及する以前は商標等の情報は専門家以外では容易に調べることができませんでした。このため以前は商標のデータを検索して先行登録商標を確認するための商用データベースを運用する会社が複数ありました。

現在では規制緩和の流れもあり、特許庁自らが広く国民が利用できるように商標のデータを公開し、無料で検索できる標準環境を提供する時代になっています。

(1-1) 特徴

J-PlatPatは、24時間365日、無料でインターネットによりアクセスすることができます(データ補充時等のメンテナンス時を除きます)。また営業時間内であれば、ウェブサイトに記載されているヘルプデスクに電話をすれば、無料で使い方を案内してくれます。

J-PlatPatのサイトのヘルプ情報に使い方の解説もあります。

(1-2) 特許庁が登録済みの商標等をDBとして公開

J-PlatPatにより、特許庁へ申請済みの商標や審査を無事通過して登録が完了した商標の情報が公開対象です。

J-PlatPatのデータ反映は無料で使用できるデータべースの中では最速です。出願しの後、1〜2週間程の期間を経て公開があります。ただし、検索ワードにより詳細を確認できるまでには1〜2ヶ月程度かかります。

(1-3) 誰でも出願前に検索可能である

事前登録も求められず、また専門家とは違う全くの初心者であったとしてもJ-PlatPatを使えば、商標出願の対象となる商標が第三者によって現状取得されているかを検索可能です。

同じ商標が取られていなくても、考え方の方向が関連する商標が他社に取られているかどうかの確認もできます。

また検索結果を眺めるだけでも今後のネーミング開発の参考となる単語やデザインを見つけることが可能です。

(1-4) DBの種類

J-PlatPatでは種別ごとに下記の知的財産の情報が公開されます。

商標

商標公開公報、商標公報、国際商標公報等のデータが格納されています。出願のあった商標、審査を通過して商標権が生じた商標に関連する情報を入手できます。

意匠

意匠公報等のデータが格納されています。審査の合格があって意匠権の生じた意匠に関連する情報を入手できます。なお意匠のケースでは出願された内容を無条件で公開する出願公開制度がないことから、現時点でどういった意匠登録出願があったかは検索できません。

特許・実用新案

公開特許公報、特許公報、実用新案公報等のデータが格納されています。特許出願された発明、審査に合格して特許権が発生した発明についての情報を得ることができます。実用新案については出願された内容が有効か無効かを審査することなくそのまま登録されるため出願公開情報はありませんが、実用新案公報にてその内容を調べることができます。

(1-5) 注意点

J-PlatPatにデータ内容の反映があるまでにタイムラグが存在します。

出願した内容が即時データベースに反映されるわけではありません。またJ-PlatPatで商標出願の内容公開があっても、出願時に特許庁から交付される出願番号を直接打ち込まなければ、公開のあったすぐの時点では結果が出てこないです。

J-PlatPatにそれぞれの出願内容ごとの検索キーワード等の設定に時間がかかることが原因です。

上記の事情があることから、商標の出願番号が事前に分からない時点から、何の出願があったのか検索を使って結果が得られる時点に移行するには、商標登録出願から1〜2ヶ月程度は待たされることになります。

商標を検索した際は関連する商標が発見できなかった場合でも、商標登録の手続の完了まで登録が拒否される場合もある点に注意が必要となります。

極端な例で説明すると、昨日、権利内容が衝突するような他社の商標登録出願が特許庁に行われている可能性もゼロではありません。仮にこのような出願があったとしても、誰も調べる手段がないことになります。このように検索しても結果がヒットしないブラックボックスの期間が存在します。

ただブラックボックスの期間があったとしても、あなただけが不利になるわけではありません。他の人たちもあなたと同じ条件で戦っているからです。

(2)J-PlatPatを使った検索方法

(2-1) 商標の検索のケース

グローバルメニューをクリック

紺色の上部メニュー中程の「Ⓡ商標」を押せば、詳細で正確な検索が可能になります。ただし「Ⓡ商標」をクリックして入る検索の場合は詳細で正確な検索が可能ではあるのですが、使い切るのに、商標登録に関連する専門上の知識が要求されます。

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画面中央のプルダウン(簡易検索)をクリック

初心者でも簡単に使えるのが、図の赤丸で囲った「商標の簡易検索」です。現在考えている商標を入力すれば、類似商標が出てくることから、初心者であっても容易に商標を調査可能です。そこで、まずは簡易検索の仕方より解説します。

(3)J-PlatPatの簡易検索の方法

(3-1) 簡易検索のポイント

メリット

簡易検索によりおおよその感度目安が判明するメリットが得られます。

簡易検索結果を見れば商標登録される可能性の有無や難易度がある程度分かります。
類た商標の数の多さで判断できるなど手がかりが得られます。

類似商標が全くないケースなら簡単に登録されることが考えられます。

逆に類た商標が多量にあるなら注意しなければなりません。

類似商標が多い場合は審査が甘い分野と審査が辛い分野に注意が必要です。審査が甘い分野とは同じ商品や役務に対して似た商標が多数登録されている場合です。この場合には、ちょっと商標を変化させると審査に合格しやすいということが分かります。

ただしちょっと名前、会社名、ネーミングやマーク等の商標を変えただけで商標権の権利をすり抜けられることにつながりますので、審査が甘い分野が有利というわけではありません。

逆に審査が辛い分野については、商品や役務ごとに細かく商標権が既に取り尽くされてます。このため後からの参入は困難ですが、もし参入できたとすれば後からの参入者を防ぐことができるメリットが生じます。

さらに簡易検索の結果を見れば、どういった言葉が良いかの目安も判明するメリットも出てきます。

またまったく知識も何もない状態から自分の商標を作る場合はどのような商標がよいのか分からず苦労しますが、実際に審査に合格したものを見てみれば、商標制作の手がかりになります。

実際に類た商標を見れば、どういった具合に商標を変化させれば審査を突破できるかについての方針も分かります。つまり類似商標から、どのように商標を組み立てるのか学べるというメリットがあるのです。

またアルファベットには大文字と小文字が存在しますが、商品と役務の範囲が共通すするなら、商標の大文字と小文字をそれぞれ代えても審査突破は困難です。読み方が共通する商標は相互に似たもの扱いになるので審査通過が難しくなります。

ですので前後に違う言葉を組み合わせるなどの操作により審査に合格している事例はないか調べます。前に登録の済んでいる商標と似た商標は審査通過が難しいですが、登録事例を眺めることにより、どのように商標の構成要素を変化させれば審査に合格できるのかが見えてきます。

デメリット

検索により示される結果が、こちらの望む通りの結果として必ずしも正確に表示されるわけではない点に気を付けてください。

例えば、次の商標の簡易検索画面でプルダウンメニューより「商標を探す」を選択して、キーワードとして「ファーイースト国際」と入力して「検索」ボタンを押します。そうするとヒット件数はゼロ件になります。

ところが当社は「ファーイースト国際特許事務所」にて2件の商標を登録しています。本来であれば少なくとも、2件の類似商標があることを結果として示さなければなりません。

簡易検索は存在する類似商標の分布状況を大雑把に感触をつかむためのもので、表示されなかったから問題となる商標はなかった、と理解すると本質的な商標選択の判断を誤ることにつながります。

(3-2) 「ファーイースト」という商標の登録を計画したケース

次に、商標が「ファーイースト」である場合を例に採り上げ、商標の簡易検索を解説します。
まずプルダウンを「商標を探す」に合わせます。
次に検索欄に「ファーイースト」と打ち込んで、検索をクリックして下さい(下図参照)。

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検索結果が示されます。ここではヒット件数が32件になっています。
「ヒット件数が32件」と表示されている横の「一覧表示」のボタンをクリックします。

そうすると、次の画面が表れます。

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この画面には「ファーイースト」と似た商標が一覧リストになって出てきます。
多くの商標が前に登録済みであることが判明しました。

  • アルファベットのもの。
  • 中丸で区切られたもの。
  • 前後に文字が付加されたもの等、

検索結果に出てくる事項は次のものです。

項目

  1. 項番(検索結果の通し番号)
  2. 出願・登録番号
  3. 商標(検索用)
  4. 区分
  5. 出願人
  6. 出願日
  7. 登録日
  8. イメージ(商標画像)

種類(○○は数字)

登録○○

表示される「登録○○」は、商標登録時に付与される登録番号です。七桁の数字が出てくるものは商標権が生じています。

商願○○

ここで表示される「商願○○」は、出願番号です。この出願番号は商標出願のあった時に特許庁から付与されます。「商願」との表記なら、これは出願段階のため、商標登録は未だ済んでいない状態です。審査を通過し登録が済むと登録番号の付与があります。

国際登録○○

ここで表示される「国際登録○○」は、国際登録番号を意味します。マドリッドプロトコル(世界一括で商標出願ができる国際条約上の制度)を利用したときに表示されるのが国際登録番号です。

国際登録番号のあるのは主として外国より日本にきた企業のものが多いです。日本国の国民でなくても条約上の制度を利用することにより、外国から日本に対して商標登録手続を行うことができます。

出願人

検索結果の出願人は原則、商標出願当時の出願人です。ただ出願人は名義変更により別の者に変わる場合があります。

また商標権が生じた後は、権利者の指定により検索可能です。

出願日

特許庁に願書を提出して受理された日付です。

登録日

審査に合格した後、特許庁に対して登録手続を行い、実際に特許庁で商標登録のあった日になります。商標登録された日を基準として商標権が生じます。また登録日は商標権の存続期間を計算する際の起算日になります。

イメージ

商標として画像を選択したならイメージの所に画像が表れます。

これらの項目のうち、出願・登録番号を押せば、詳細ページに移ります。特に着目する事項は「存続期間満了日」になります。

存続期間満了日とは商標権の存続期間が満了する日で、存続期間満了日より手前に更新の手続を特許庁に対してしなければ権利が消滅します。
「存続期間満了日」が迫っているなら、まもなく他社の権利が消滅することも考えられます。

注意点

存続期間内に更新の手続がなかった場合でも、補完手続をすることにより商標権が復活する場合があります。このため検索結果の表示をうのみにせず、本当に更新がなくて商標権が消滅したかどうかの裏を取るようにしましょう。

(4)J-PlatPatで本格的に調べるには?

(4-1) 「ファーイースト」という商標を登録しようと考えている場合

ここではJ-PlatPatを用いて商標を本格的に検索する一例に、商標が「ファーイースト」であると仮定して解説します。

手順の説明

本格的に調べるには、商標出願・登録情報を使いましょう。まずは下図の場所(グローバルナビ)の「商標」を指定して下さい。

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図の通りプルダウンメニューに表示される下記のメニューから「商標出願・登録情報」を選択します。

そうすると検索画面が出てきます。

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実際に商標を入力するときの3つのポイント

1.まずは称呼を調べる。

商標そのものを調べるのでなく、まずは称呼を調べます。称呼は、商標の呼び方です。称呼検索を最初に選ぶのは、称呼で問題になるケースが、とても多いからです。

2.前後に全角?をつけ加えます。

前後に?を加える理由は、前後に組み合わされた言葉を、全て表示させるためです。

3.入力は全角カタカナで行う。

称呼の検索においては、必ず全角カタカナの文字を入れます。

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言葉の文字を入れて検索します。
検索ボタンをクリックすると、次のような画面になります。

検索結果の表示

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これを見ると、ヒット件数が49件あります。最初に行った簡易検索では32件でしたから、少し数が増えました。

どのような商標が正式に登録されているのか、一覧表示をクリックしてみましょう。

一覧表示をクリック

類似商標のリストが出てきます。これが称呼において、「ファーイースト」と類似する先行商標です。

登録番号をクリック

登録番号のところを押せば、詳細画面に移ります。

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なお、検索欄には複数の単語を入力することもできます。複数の単語を直結してしまうと一つの単語として扱われてしまいます。複数の単語であると認識させるためには単語間にスペースを入れます。

また複数の単語を一つの検索欄に入力した場合には、入力欄右端のORと ANDの指定を忘れないようにしてください。

(4-2) 商標登録ができるかの判断基準

ファーイーストの商標が、商標登録可能かは、次の3点から判断します。

  1. 称呼
  2. 類似群コード
  3. 区分

例えば称呼が共通する場合、類似群コードや区分が違うなら、商標登録を否定する材料ではないです。ですので、類似群コードと区分がどこに表示されるか、知っておきましょう。

称呼

称呼とは商標を口ずさんだ時の音感をいいます。文字の構成が異なっても称呼が同じであれば、比べる二つの商標は似ていると判断します。

類似群コード・区分

一覧表示された画面には、左に登録番号があるので、クリックします。下図のように当社の登録番号である、5139650をクリックしてみましょう。

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類似群コードは、詳細画面最下部に出ています。

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類似群コードとは?

類似群コードとは、特許庁が審査の際に採用する、商品・サービスを分類するための表示です。大事なのは、商標とは類似群コードの範囲で、効力が認められる点にあります。

区分とは?

区分とは、商品や役務に対する、国際分類に準じた区分けです。類似群コードが入る大区分です。

よくある疑問

類似群コードだけをチェックすれば足りるか?

区分が類似群コードの大区分と位置付ければ、類似群コードのみを見ればよく、区分を考慮する必要はないように思われますが・・・

両者をチェックする必要があります

その理由は、類似群コードの中には、本来あるはずの区分と異なる区分に存在するものもあるからです。実際には類似群コードそのものに付されている区分の番号がその区分の番号以外の区分にも類似群コードが入り乱れて配置されています。

商品や役務の分類を国際的な基準に統一するために日本はこれまでの商標法改正で、区分を国際基準の指定に何度も入れ替えたのです。それにより一部の類似群コードは、本来あるべき区分と違う区分に移ってしまいました。

簡単にいえば、法改正があるごとに区分と類似群コードが入り乱れて配置されたので、区分と類似群コードの両者をチェックする必要があるということです。

類似群コードにより、商品や役務に関連するビジネスを分類し、効力が届く範囲が決まっているのです。

仮に商標の称呼が同じケースでも、類似群コードが異なり、自社の業務と共通点がないなら、商標登録できるかも知れません。

またこれとは違って、同じ類似群コードが付された商品や役務は互いに類似しているものとして扱われるため、称呼が同一ではない場合でも、商標全体の外観や観念が共通していれば商標同士が互いに類似するものと扱われます。

(5)初心者にもできるおすすめの検索方法

初心者にもできるおすすめの検索方法

手順

まず簡易検索を使って、なるべくヒット数の少ない言葉を考えます。
次に商標出願・登録情報で、称呼を検索します。
その上で類似群コードと区分をみて、衝突の有無を確認します。

背景

なぜ上記の手順を踏んで商標を検索するかというと、その背景は商標登録の申請件数の数です。

日本の商標登録数は170万件以上にも達し、400件前後が毎日追加されます。

加えて商標権の効力は同一の商標に加えて、同じ称呼の商標を範囲に含むため、調べるとほとんどのケースで似た商標が出てきます。

区分表と類似群コードの調べ方はどうする?

区分表と類似群コードとの関係は信頼できる弁理士に直接相談した方がよいです。

その理由は、区分表と類似群コードとの関係がばらばらになっているため、初心者が類似群コードの指定を念頭に商標検索するのは簡単ではないためです。

また類似群コードは非常に細かく分かれているため、追跡して調べていく段階で検索漏れが生じ易いからです。

(6)図形やロゴマークの商標検索は?

文字の情報がない図形やマークの検索の手順は文字の検索方法より複雑です。図形やマークの違いは外観の見た目が重要になります。

考え方としては、図形やマークの見た目やデザインを図形等分類コードにより特定したら、J-PlatPatの図形等商標検索により検索可能です。

手順は別ページで解説しましたので参考にしてください。

(7)海外国の商標を検索するには?

海外の商標の検索については、商標登録を希望するそれぞれの国で実際に検索しなければなりません。

(7-1) 海外の商標の検索方法

通常、日本の弁理士・弁護士を介して、外国の弁理士・弁護士にお願いします。

注意点

外国では商標検索の費用、期間が同じではないです。
例えば、日本における商標検索を無料で行っていても、外国で商標の検索を行うケースでは有料対応です。

例えば、1商標1区分の単位で、外国ファームにいる商標専門家の代行費用に加えて、日本の代理人費用が別途かかる場合があります。
現地代理人費用の一例は下記の通りです。

  • 中国:約1〜3万円で5日間
  • 韓国:約1〜7万円で二週間
  • 台湾:約1〜3万円で5日間
  • 米国:約5〜30万円で二週間
  • 欧州:約50万円で1〜2週間(EU全加盟国)

専門家のアドバイスを参考に最適な手続を探ります。

*なお、いわゆる格安もぐり業者(無資格者)に業務代行を依頼すると格安で対応できる場合があります。ただ費用と信頼とを十分考慮して代行を依頼しないと、後で改めて正規現地代理人に依頼しなければならない結果になれば、結局格安業者に払った費用が全額ムダになりますのでご注意ください。

(7-2) 事前の簡易検索

いきなり外国特許事務所に依頼する前に、ネット環境を利用して各国のデータベースにより無料検索もできます。

外国の検索DBの紹介

  • 米国:米国特許庁の商標検索システム
  • 中国:中国商標局の商標検索システム
  • 韓国:韓国特許庁の商標検索システム
  • 台湾:台湾特許庁の商標検索システム
  • 欧州:欧州共同体商標意匠庁の商標検索システム

(7-3) 海外のDB検索の注意点

商標登録されるかどうかの判断基準は国ごとに同じではありません。各国の法制度を理解した上でDBを使います。

日本

商標登録の制度として登録主義を採用しているため、登録により商標権が生じます。日本の商標権のチェックは登録商標を見ます。

米国

商標登録の制度として、登録主義を基調としつつも、使用主義、すなわち使用している商標を保護する傾向があります。

米国では登録済みの商標を検索するだけでは足りず、未登録の商標についても調査が求められます。このため米国における商標の調査費用は、他の外国に比べて費用が高くなる傾向があります。

(8)商標検索の重要部分

商標検索のキモの部分は、最終的にデータベースに表示された他社の商標が、あなたの商標と関連するといえるのか、それを判断する点です。

どんずばりの同一のものがデータベースで発見できれば、これは使えないことは瞬時に分かります。

ただ、悩ましいのは類似するかどうか、判断がつきかねる場合です。検索結果のリストが得られた場合でも、リストの中のいずれの商標が障害となるのか特定できなければ検索結果を活かすことができません。

実際に商標権の権利の抵触が起きるかどうか分からない場合には、専門家の意見を聞いて、慎重に商標を選ぶようにしてください。当事者では判断が自己に甘くなりがちですので専門家の意見を聞けば安心できます。

一度商標を使い始めると、それを後から変更するのは想像以上に大変になります。特に時間が経てば経つほど、なじみの商標を変更することが困難になります。まずはこれから使い始める商標が問題がないかどうかを慎重に調べる必要があります。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247

なおファーイースト国際特許事務所では、商標検索を皆様に代わって、無料で行っています。費用は一切かかりませんので、申請代行を検討されている方は、お電話ください。