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甲府之証とは?甲府ブランドの認定品と三つの商標登録例

1. 甲府ブランド認定制度と「甲府之証」

甲府のお土産や農産物に付いている「甲府之証」は、甲府ブランドの認定を受けた商品を示すマークです。読み方は「こうふのあかし」。同じ名前でも、食品、クラフト系、農林産物でデザインが異なり、それぞれの商標登録例があります。

甲府市が2013年度に始めた認定制度は、地域の資源や技術を生かした商品を対象としています。市内で作ったというだけで自動的にマークを使える制度ではありません。認定品を広報や販路の面で支援し、商品を通じて甲府を知ってもらうことが目的です。

制度の説明に登場する「テロワール」は、ワインの産地を考える際に使われる言葉です。土壌だけでなく、気候や地形、培われた技術も商品の特徴に関わる、という考え方を甲府の特産品や工芸にも広げています。武田信玄の城下町としての歴史、宝石加工、果樹栽培なども、土地と商品との関係を知る手掛かりになります。

2015年度には食品・クラフト系・農林産物の3部門が設けられました。菓子や酒、装身具、果物を同じ基準だけで評価するのではなく、部門ごとの特色を認定とマークに反映しています。制度の申請方法や認定品の更新は、甲府市の制度案内で確認できます。

以下では3部門のマークと、原記事に掲載していた登録資料・認定品を取り上げます。市による商品の認定と、特許庁による商標登録は別の制度です。この違いを押さえると、マークが何を伝え、誰が使えるものなのかを読み取りやすくなります。

2. 食品部門は、認定したことを伝える印の形

甲府之証/KOFU NO AKASHI:登録第5922882号


特許庁の商標公報・商標公開公報より引用
出願番号/登録番号/国際登録番号:登録5922882(商願2016-060221)
商標(検索用):§甲府\KOFU NO AKASHI\之証
区分:30 32 33
出願人/権利者/名義人:甲府市
出願日/国際登録日(事後指定日):2016/05/23
登録日:2017/02/17

食品部門のマークは印鑑を思わせる形で、「甲府」と「之証」の文字を配しています。商品の包装に付けることで、甲府ブランドとして認められた品であることを伝えます。マークだけで味や原材料のすべてが分かるわけではないので、購入時には個々の商品の表示も確認してください。

掲載カードでは、甲府市名義の登録第5922882号に第30類・第32類・第33類が記載されています。出願日は2016年5月23日、登録日は2017年2月17日です。菓子や飲料、酒など、食品部門の産品と関わる分類が並んでいますが、各区分に含まれるすべての商品を指定しているとは限りません。

登録番号から指定商品の詳細を開くと、どの商品についてマークを保護しているのかを確認できます。市の認定品一覧に載っていることと、その商品の区分や商標権の範囲を確認することは、別々の作業になります。

3. クラフト系部門のカワセミと宝石加工の文化

甲府之証/KOFU NO AKASHI/MADE IN KOFU:登録第5937779号


特許庁の商標公報・商標公開公報より引用
出願番号/登録番号/国際登録番号:登録5937779(商願2016-060293)
商標(検索用):§甲府\KOFU NO AKASHI\之証∞MADE IN KOFU∞N∞S
区分:14 21
出願人/権利者/名義人:甲府市
出願日/国際登録日(事後指定日):2016/05/23
登録日:2017/04/07

クラフト系部門のマークには、羽ばたくカワセミが描かれています。カワセミは1984年に甲府市の鳥となり、青緑色の羽から「飛ぶ宝石」とも呼ばれます。宝石加工で知られる街と、作り手の技術を結び付けるモチーフです。

市の説明では、作り手が伝えたい甲府らしさを、カワセミの姿と「MADE IN KOFU」の言葉で表しています。食品部門の印の形と比べると、装身具などに添えるエンブレムとしての違いも見えてきます。

掲載されているのは登録第5937779号で、区分は第14類・第21類です。2016年5月23日に出願され、2017年4月7日に登録された資料を引き継いでいます。宝石や貴金属に関わる商品でも、具体的に何を指定したかまで読まなければ、権利の範囲は判断できません。

甲府の工芸としては宝飾品だけでなく印伝なども知られています。ただし、街の代表的な工芸品であることだけを理由に、すべてが「甲府之証」の認定品だと考えることはできません。下の表では、原記事に載せた認定品名を個別に残しています。

4. 農林産物部門は、リボンと五つのカテゴリー

甲府之証/KOFU NO AKASHI/MADE IN KOFU:登録第5922883号


特許庁の商標公報・商標公開公報より引用
出願番号/登録番号/国際登録番号:登録5922883(商願2016-060222)
商標(検索用):甲府\KOFU NO AKASHI\之証∞MADE IN KOFU
区分:29 31
出願人/権利者/名義人:甲府市
出願日/国際登録日(事後指定日):2016/05/23
登録日:2017/02/17

農林産物部門のデザインはリボンが特徴です。生産者と消費者を結ぶという意味を持ち、認定カテゴリーを表示する部分にも使われています。登録第5922883号の掲載カードには第29類・第31類があり、出願日は2016年5月23日、登録日は2017年2月17日となっています。

農林産物には「特選」「巧」「伝承」「特産」「振興」の五つのカテゴリーがあります。「特選」は選りすぐりの品、「巧」は熟練した生産技術に着目した品。「伝承」は甲府ならでは、または受け継がれてきた農林産物を扱います。「特産」は産地としての生産や市場評価、「振興」は地域振興との結び付きを見る区分です。

例えば、シャインマスカットは表の「特選」と「巧」の両方に登場し、ももの「なつっこ」も同様です。同じ品種名でも、認定された生産者やカテゴリーは異なります。品種の名前だけで認定対象を判断せず、認定番号と事業者を併せて確認します。

甲府市産業支援サイトの農林産物部門の案内では、リボンの意味や五つのカテゴリーを確認できます。認定マークを商品ラベルや販売ページに使いたい場合は、申請・使用の条件を担当窓口に確かめてください。

5. 原記事に掲載した認定品を部門別に見る

食品部門には、きみひめ大福、shunkaロール、葡萄屋kofuレーズンサンド、酒やお茶などが並びます。クラフト系は装身具、農林産物はぶどう・もも・すもも、野菜、畜産物、味噌など。ワインを使った菓子や果物の加工品もあり、同じ土地の素材が異なる商品になっている点も見どころです。

次の表は原記事に掲載していた39件です。最新の全認定品一覧ではなく、認定の具体例を読むための記録として掲載しています。「認定中」「認定終了」は原記事の表記で、現在の認定状況や販売の有無を一件ずつ確認したものではありません。「-」も原記事の未記載欄を引き継いでいます。

食品第22号と第23号は、甲府市の広報こうふ2025年4月号で2025年1月27日の認定を確認できるため、旧表の「認定予定」を訂正しました。また、第10号の商品名の「感想サフラン」は「乾燥サフラン」に直しています。その他の認定番号・日付・品名・事業者は掲載資料を維持しています。

部門カテゴリー(農林産物部門)認定番号認定品名認定事業者・個人認定日原記事掲載時の状態(下記注記参照)
食品部門–第1号きみひめ大福–平成25年6月27日認定中
食品部門–第2号shunkaロール–平成26年3月12日認定中
食品部門–第3号甲州地どり各種–平成26年3月12日認定中
食品部門–第4号葡萄屋kofuレーズンサンド株式会社FT山梨平成27年5月14日認定中
食品部門–第5号清酒「純米大吟醸 帯那(おびな)」–平成28年3月28日認定中
食品部門–第6号甲州金まんじゅう–平成29年1月25日認定中
食品部門–第7号甲府ぶどうの葉カステラ–平成29年8月8日認定中
食品部門–第8号甲府Sparkling 甲州–平成30年3月3日認定終了(令和5年3月31日)
食品部門–第9号甲府Sparkling マスカット・ベーリーA,アリカント–平成30年12月27日認定終了(令和6年3月31日)
食品部門–第10号奇跡のサフラン ほうじ茶・玄米茶・紅茶・緑茶・和漢茶・乾燥サフラン–平成30年12月27日認定中
食品部門–第11号天使のカッサータ–令和元年12月24日認定中
食品部門–第12号山の都 甲府–令和3年8月12日認定中
食品部門–第13号里吉甲州ワイン–令和3年8月12日認定中
食品部門–第14号甲府ロゼスパークリング–令和3年12月9日認定終了(令和6年3月31日)
食品部門–第15号きみひめアイス–令和3年12月9日認定中
食品部門–第16号甲府盆地カレー–令和4年6月13日認定中
食品部門–第17号富岡葡萄農園「濃厚葡萄液」–令和4年6月13日認定中
食品部門–第18号オビナビール–令和4年12月14日認定中
食品部門–第19号甲州黄金色–令和4年12月14日認定中
食品部門–第20号甲府甲州–令和6年2月14日認定中
食品部門–第21号甲府スパークリングロゼパッション–令和6年2月14日認定中
食品部門–第22号昇仙峡はちみつファーム 百花生はちみつ・はちみつ紅梅富士興業株式会社令和7年1月27日認定(令和7年1月27日)
食品部門–第23号アルガベリーファーム 干しぶどう・ぶどうジュース・ぶどうジャムアルガベリーファーム令和7年1月27日認定(令和7年1月27日)
クラフト系部門–認定1号TO LABO×1DK(トゥーラボ ワンディケィ)シリーズ–平成27年10月27日認定中
クラフト系部門–認定2号SHIELD STAR PENDANT (シールドスターペンダント)–平成30年1月15日認定中
農林産物部門特選第1号ぶどう(シャインマスカット)山梨みらい農業協同組合平成28年6月17日認定中
農林産物部門特選第2号もも(なつっこ)(一社)中道農産物加工直売組合平成29年8月4日認定中
農林産物部門特選第3号すもも(木成り甘熟大石早生)笛吹農業協同組合中道支所令和元年6月21日認定中
農林産物部門巧第1号もも(なつっこ)柿嶋美保子平成29年8月4日認定中
農林産物部門巧第2号ぶどう(シャインマスカット)河野功平成29年9月8日認定中
農林産物部門伝承第1号くいしき味噌農事組合法人上九ふれあいの里平成28年2月19日認定中
農林産物部門特産第1号甲州地どり農事組合法人甲州地どり生産組合平成28年2月19日認定中
農林産物部門特産第2号甲州信玄豚オオタ総合食品株式会社平成28年2月19日認定中
農林産物部門特産第3号ちぢみほうれんそう(一社)中道農産物加工直売組合平成28年2月19日認定中
農林産物部門特産第4号スイートコーン(ミルフィーユ)山梨みらい農業協同組合平成28年6月7日認定中
農林産物部門特産第6号スイートコーン(きみひめ)(一社)中道農産物加工直売組合等平成28年6月7日認定中
農林産物部門特産第7号なす(千両二号)山梨みらい農業協同組合平成30年8月22日認定中
農林産物部門特産第8号甲州乳酸菌豚クリスタルポーク株式会社大森畜産令和2年12月16日認定中
農林産物部門特産第9号スイートコーン(ドルチェドリーム)山梨みらい農業協同組合令和3年7月5日認定中

甲州地どりは食品部門と農林産物部門の両方に載っています。数字だけを見ると認定番号が重なる品もありますが、部門やカテゴリーが違うため、番号だけで同じ認定とは判断できません。問い合わせる際は、部門、カテゴリー、認定番号、品名をセットで伝えると対象を特定しやすくなります。

認定が終了した記録も、かつてどのような商品が対象だったかを知る資料です。終了の記載だけから、商品の品質や事業者に問題があったと推測することはできません。購入や掲載、ロゴ使用の判断には市の最新案内を使ってください。

6. 商品の認定と、マークを守る商標権を分けて考える

甲府市の認定制度は、どの商品に「甲府之証」を与えるかを決める仕組みです。一方、商標登録は、マークと指定商品・指定役務との組合せを保護する仕組みです。認定を受けた各生産者が、市の商標権を自分のものとして取得するわけではありません。

掲載した3件のカードは原記事の登録資料です。現時点の権利の存続、名義、指定商品の変更まで確認済みという意味ではありません。実際に使用する場面では登録番号からJ-PlatPatの詳細を読み、市のロゴ使用条件も併せて確認します。

特許庁の商標権の効力の説明では、登録商標と指定商品・指定役務を基準に、同一・類似の範囲を考えます。「市が登録しているから、甲府という言葉を含む表示はすべて禁止」といった判断にはなりません。比較するマーク、商品、使い方を具体的に見ることが必要です。

地域の共通マークを作る際には、参加する事業者、認定する商品、ロゴを載せる場所、使用を終える際の対応を決めておきます。包装、店頭表示、通販サイトで使い方がばらばらになると、買う人にはどれが認定対象なのか分かりにくくなるためです。

自社の商品名と地域の認定マークを一緒に付ける場合、自社名についての商標調査・出願も別に検討します。ご相談は商標の調査・相談フォームへ、費用は料金案内をご参照ください。対象商品とロゴ案、使用予定の包装や販売ページがあれば、確認すべき範囲を具体的に検討できます。

7. 甲府之証についてよくある質問

Q1. 甲府市で作った商品なら自由に付けられますか?

市内で作ったという理由だけでは使えません。認定の対象と条件、認定後のロゴ使用方法を甲府市に確認してください。

Q2. 食品・クラフト系・農林産物のマークは同じですか?

同じ「甲府之証」の名前を使いますが、デザインと登録資料は異なります。食品は印、クラフト系はカワセミ、農林産物はリボンが特徴です。

Q3. 農林産物の「特選」と「巧」は何が違いますか?

「特選」は選りすぐりの品、「巧」は熟練の技に着目したカテゴリーです。同じ品種でも認定された生産者や番号が違うため、認定対象を個別に確認します。

Q4. 表にある商品は今もすべて認定されていますか?

表は原記事の掲載例を残した記録です。現在の全件一覧ではありません。認定や販売の現況は、市の最新情報で確認してください。

Q5. 認定されれば自社の商品名も商標登録されますか?

自動的には登録されません。市の認定マークの使用と、自社の商品名を守るための調査・商標出願は別に進めます。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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ファーイースト国際特許事務所|弁理士 平野泰弘

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