【起業家必見】商標トラブルで事業停止?たった30分の検索で100万円の損失を防ぐ方法

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1. なぜ9割の起業家が商標で失敗するのか?

こんにちは、商標登録専門20年以上の弁理士の平野です。20年以上で2万件の出願を扱ってきた中で、心が痛む瞬間があります。それは「もう少し早く相談してくれれば…」という案件に出会う時です。

以前、リリース直前に商標権侵害の可能性に気が付き、ウェブサイトから営業印刷物の全てをつくくり直すことになった方がいます。。彼が漏らした「たった一度の検索をしていれば…」という言葉が、今も耳に残っています。

実は、起業時の商標トラブルの多くは、わずか30分の事前検索で防げるものなのです。にもかかわらず、なぜこれほど多くの起業家が同じ過ちを繰り返すのでしょうか。

答えは簡単です。商品や業務の名前に権利を設定できることを、ご存知ないのです。

仮に知っていたとしても、「今じゃなくてもよい」「時が熟してからでよい」との考えかえたとか、「商標検索なんて難しそう」「お金がかかりそう」「専門家じゃないと無理でしょ?」という考え方が先行するからです。でも、これは大きな勘違いです。

2. 商標検索は起業家の「保険」である

商標検索を怠ることは、まるで自動車保険に入らずに運転するようなものです。事故を起こす確率は低いかもしれませんが、一度事故を起こせば人生が変わってしまいます。

商標の世界でも同じことが言えます。日本では年間約10万件以上の商標が新規登録されています。つまり、あなたが今考えているそのネーミングが、既に誰かの権利になっている可能性は決して低くないのです。

私がこれまで見てきた商標トラブルの典型的なケースを、当事者が特定できないように少し事例を変形させて紹介しましょう。

ある健康食品の中小企業の方が、「ヘルシーボウル(※当事者が特定されないように事例を変えています)」という商品名で長年マーケティングを展開し、売上がかなり上がってきた時のことです。突然、別の食品メーカーから「商標権侵害」の警告書が届きました。調べてみると、その会社は10年以上前に「ヘルシーボウル」の商標を取得していたのです。

結果として、この社長は商品名を変更し、パッケージを全て作り直し、既存顧客への説明と謝罪に追われることになりました。解決金として支払ったのは1000万円を超えます(※事実です)。

最も痛手だったのは、せっかく築いたブランド認知を全て失ったことでした。

ここまで話が大きくならなくても起業家の方が「商標検索なんて知らなかった」と口にする事例はあります。事業計画書には緻密な売上予測が書かれているのに、なぜか商標というリスクについては考慮されていないのです。

ウェブサイトから印刷物から名刺・各種届出処理の変更だけでなく、すべての商品表示を変更するとなると100万円単位で追加費用が発生することもあります。

3. 「お金をかけずに自分で調べたい」は正解です

「でも、商標の相談って高そう…」そう思われるかもしれません。確かに、弁理士に本格的な有料商標調査を依頼すると数万円程度かかります。起業準備中の資金が限られた状況では、なかなか手が出せない金額かもしれません。

しかし、だからといって商標調査を全くしないのは危険すぎます。幸い、基本的な商標検索であれば、あなた自身が無料で行うことができるのです。

実際に、私がアドバイスした起業家の方は、まず自分で商標検索を行ってから、必要に応じて専門家に相談するという段階的なアプローチを取っている方が多いです。

これにより、本当に専門的な判断が必要なケースだけに絞って出願費用をかけることができ、結果的にコストを大幅に削減できています。

自分でできる商標検索の第一歩は、特許庁が無料で提供している「J-PlatPat」というデータベースを使うことです。

このシステムは、これまでに登録されたすべての商標を検索することができます。操作方法は思っているより簡単で、慣れれば15分程度で基本的な検索ができるようになります。

ただし、注意すべき点があります。商標検索は単純にキーワードを入れて検索するだけでは不十分です。なぜなら、商標の世界では「似ている」と判断される範囲が、一般的な感覚より広いからです。

4. 検索で気をつけるべき「3つの落とし穴」

私がこれまで見てきた中で、起業家が商標検索で見落としがちな落とし穴が3つあります。

まず1つ目は、「読み方の違い」です。

商標簡易検索による商標「シュミレート」の検索結果

例えば、J-PlatPatの商標の簡易検索で商標候補の「シュミレート」で検索したとします。ヒット件数はゼロ、です。「シュミレート」はよくある間違いで、実際は「シュミレーション」ではなく「シミュレーション」の誤記です。ヒット数がゼロなら、違う形の「シミュレート」と入力するのではないか、と気がつきます。実際正しい「シミュレート」で検索するとヒットします。つまり、データベースに登録されている形を予測して検索しないと、うまくヒットしない場合がある、ということです。

商標権の効力は同じ読み方のものに及びますので、どんずばり同じの商標がないだけでは安心できないのです。

2つ目は、「商品・サービス分野の理解不足」です。

商標は「マークの似ている度合い」と「商品・サービスの似ている度合い」の両方で判断されます。例えば、「アップル」という名前は、コンピュータの分野ではApple社が商標を持っていますが、りんご農家が「アップル農園」という名前を使うことは問題ありません。

逆に言えば、自分のビジネス分野と関連する分野での商標確認が必要なのです。

りんごやアップルの名称は一般的だから登録されることはないだろう、と考えていると、権利範囲の指定商品役務との関係で一般的でなければ、がしがし登録されます。

3つ目は、「出願中の商標の見落とし」です。

J-PlatPatで検索できるのは、基本的に既に登録された商標です。

しかし、現在審査中の商標(出願から登録まで約8ヶ月かかります)については、別途確認が必要です。審査中の商標を見落とすと、自分が使い始めた後に相手の商標が登録されて、結果的にトラブルになる可能性があります。

これらの落とし穴を避けるためには、複数の角度から検索を行い、不安な点があれば専門家に相談するという姿勢が重要です。

5. 専門家に相談するタイミングの見極め方

「いつ専門家に相談すべきか?」これは多くの起業家が悩むポイントです。私の経験から言えば、以下のような状況になったら、迷わず専門家に相談することをお勧めします。

まず、自分で検索した結果、似ている商標が見つかった場合です。この「似ている」かどうかの判断は、実は非常に高度な専門知識を要します。

人工知能の発展により、商標同士の類否判断は容易になったとはいえ、教科書的事例を除き、商標同士が互いに類似するかどうかは、通常、専門家の間でも意見が割れて、100:0になることはないです。

商標審査基準には細かい判断ルールがあり、相当数経験を積んでいないと一般の方が正確に判断するのは困難です。

無理に自分で判断して「大丈夫だろう」と進めてしまうと、後で大きなトラブルになる可能性があります。

次に、自分のビジネスが複数の分野にまたがる場合です。

例えば、アプリ開発とコンサルティングサービスを同時に展開する場合、商品分類が複雑になります。このような場合は、どの分野で商標を取得すべきかという戦略的な判断も含めて、専門家のアドバイスが必要になります。

また、将来的に海外展開を考えている場合も、早めに専門家に相談すべきです。

国によって商標制度が異なるため、グローバル戦略を踏まえた商標取得計画が必要だからです。

意外に見落とされがちなのが、投資家からの資金調達を検討している場合です。

最近では、投資家の方も知的財産に対する意識が高くなっており、デューデリジェンス(投資前調査)の際に商標の取得状況を確認されることが増えています。しっかりとした商標戦略があることで、投資家からの評価も高まります。

6. 実際の検索手順を公開します

それでは、実際にどのような手順で商標検索を行えばよいのか、具体的にご説明しましょう。

まず、特許庁のJ-PlatPat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にアクセスします。「特許庁」のキーワードで特許庁のサイトを検索し、トップページの「商標」をクリックし、「商標検索」を選択します。

最初に「商標(検索用)」の欄に、あなたが考えているネーミングを入力します。まずはどんずばりが登録されていないかみてみます。

「称呼(単純文字列検索)」で読み方で検索できますが、ヒットする件数が多くなり、どの検索結果が自分の場合に影響を及ぼすのかの判断がが必要です。

特に重要なのが「商品・役務名」の設定です。

ここでは、あなたのビジネスがどの分野に該当するかを正しく設定する必要があります。商標制度では、全ての商品・サービスが45の「区分」に分類されています。例えば、ソフトウェアは第9類、コンサルティングサービスは第35類といった具合です。

この商品役務の選択を間違えると、重要な商標を見落とす可能性があります。自分のビジネスがどの区分に該当するかわからない場合は、複数の商品役務で検索するか、専門家に相談することをお勧めします。

検索結果が表示されたら、単純に件数だけを見るのではなく、実際に一件ずつ内容を確認していきます。

商標の詳細ページでは、登録状況、権利者情報、指定商品・サービスの詳細などを確認できます。

審査に合格できなかった案件は、データベースから消えるのがデフォルトの設定になっています。

特に注意深く見るべきは、「出願の状態」です。「出願」や「審査中」となっているものは、まだ登録されていませんが、将来的に登録される可能性があります。

7. 成功する起業家の商標戦略

私がこれまでサポートしてきた成功する起業家には、共通する特徴があります。それは、商標を「コスト」ではなく「投資」として捉えていることです。

ある ITスタートアップの経営者は、サービス開始前に商標検索を行い、似ている商標が複数見つかったため、サービス名を変更しました。一時的には時間とコストがかかりましたが、結果的にこの判断が正解でした。

なぜなら、後にその変更したサービス名で商標を取得し、競合他社の類似サービス参入を防ぐことができたからです。

また、別の経営者は、メインのサービス名だけでなく、将来展開予定の関連サービス名についても事前に商標検索を行い、包括的な商標戦略を立てました。

その結果、事業拡大の際にスムーズに新サービスを展開することができ、ブランド価値の向上につながりました。

成功する起業家は、商標検索を単なる「チェック作業」として終わらせません。検索結果を分析して、自社のポジショニングを明確にし、競合との差別化戦略に活かしています。

例えば、検索の過程で競合他社がどのような商標を取得しているかを把握することで、市場の動向や競合の戦略を読み取ることができます。

また、まだ誰も取得していない有望なキーワードを発見できれば、それが新たなビジネスチャンスにつながることもあります。

8. 今すぐ始められる3ステップアクション

この記事を読んでいるあなたに、今すぐ実践できる3つのアクションをお伝えします。

今日中にまずはJ-PlatPatにアクセス

まずステップ1として、今日中にJ-PlatPatにアクセスして、あなたが考えているサービス名・商品名で検索してみてください。

操作に慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、まずは触ってみることが重要です。無料なので使い倒してください。

検索結果の見方がわからなくても構いません。まずは「こういうシステムがあるんだ」ということを体感してください。

検索結果の保存

ステップ2では、検索結果を印刷またはスクリーンショットやPDFで保存してください。

後で専門家に相談する際の資料にもなりますし、時間をおいて再度確認する際の参考になります。

また、検索した日付も記録しておきましょう。商標データベースは日々更新されているため、いつ時点での情報かを明確にしておくことが重要です。

検索結果の評価

そしてステップ3として、検索結果を客観的に評価してください。

似ている商標が見つからなかった場合でも、「大丈夫」と判断するのは早計です。どうしても自分に甘く、他人に厳しく見てしまうバイアスがかかるからです。

逆に、似ている商標が見つかったからといって、必ずしも使用できないわけではありません。重要なのは、現状を正確に把握することです。

もし検索の過程で不安や疑問が生じたら、無料相談を実施している特許事務所に連絡してみることをお勧めします。

多くの事務所では、30分程度の初回相談を無料で行っています。また商標の無料調査も受け付けています。

検索結果の解釈や今後の方針について専門家の意見を聞くことができます。

9. 最後に:商標検索は起業成功への第一歩

20年以上、約2万件の商標案件に携わってきた私の実感として、商標トラブルで事業に影響を受ける起業家は確実にいます。これは、新しいビジネスが次々と生まれ、ネーミングの重複が起こりやすくなっているからです。

しかし同時に、事前の商標検索を適切に行うことで、これらのトラブルの大部分を防ぐことができるのも事実です。少しの検索時間が、あなたの事業の将来を左右するかもしれません。

商標検索は決して難しいものではありません。

最初は慣れないかもしれませんが、一度手順を覚えてしまえば、誰でも基本的な検索はできるようになります。

大切なのは、「完璧である必要はない」ということを理解することです。自分でできる範囲の検索を行い、不安な点があれば専門家に相談する。この段階的なアプローチで十分なのです。

あなたの素晴らしいアイデアが、商標トラブルによって台無しになってしまうことがないよう、今日から商標検索を始めてみてください。きっと、安心してビジネスに集中できる環境を手に入れることができるはずです。

商標検索は、起業成功への確かな第一歩になります。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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