索引
はじめに
特許事務所や法律事務所には、既に仕事を請けているお客さまとライバル関係にある新たなお客さまの仕事を請けてはいけないとの決まりがあります。
「敵」と「味方」の両方の代理をすると、片方に肩入れすることが可能になり、一方を意図的に不利にすることができます。
このような不公正な事態を防止するため、法律で双方代理(敵と味方との両方の仕事を代理すること)は利益相反業務になるとして禁止されています。
これから仕事を依頼する特許事務所が、利益相反業務、つまりライバル、競業者の商標登録を行っているかどうかの調べ方は次の通りです。
ライバルが使っている特許事務所の調べ方
まず特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)のウェブサイトを開きます。
上部の中央にある「®商標」をクリックして開くプルダウンメニューから、「商標出願・登録情報」を選択します。
次に「検索項目」のプルダウンメニューから、「出願人/書換申請者/権利者/名義人」を選択します。
「検索キーワード」の入力欄に、あなたのライバル(競業者)を入力します。ここでは一例としてライバルが「アップル」であった場合で説明します。
「検索キーワード」の入力欄に、「アップル」と入力して検索ボタンを押します。
この場合は何もヒットしません。
つまり、完全に正しい会社名を入力しないとヒットしない、ということです。
完全一致検索ではなく、部分一致でもヒットするように検索するには、キーワードを二つの「?(クエスチョンマーク)」ではさみます。
クエスチョンマークは、全角でも半角でも問題ありません。
「?アップル?」で入力すればよいです。
そうすると、社名に「アップル」を含む検索結果が大量にヒットします。
「ヒット件数」の数字をクリックすれば、検索結果が分かります。
この中で「アップル インコーポレイテッド」というのが正式名称であることが分かります。
次に「アップル」の単語と「インコーポレイテッド」の単語との間のスペースを外して、「アップルインコーポレイテッド」で検索します。
続いてヒット件数のところをクリックして、結果を表示させます。
次に画面を下にスクロールして、「次の一覧」の中の最も大きい数字をクリックして、最新の結果を表示させます。
この中の一番新しい(つまり、検索結果の一番下)のものを表示させます。
なお今回の説明は、2016年4月10日付のものを使用していますので、検索する時期が異なれば、検索結果が違うものになっている場合があります。
次に検索結果の最新のものをクリックします。
次に右上の「経過情報」をクリックします。
さらに「出願情報」のタブをクリックします。
「代理人」の項目のところに記載されている特許事務所が、この案件を担当する特許事務所です。
なお、代理人の項目は、「特許業務法人名」か「弁理士の個人名」かのいずれかが表示されます。
代理人として「特許業務法人名」を願書に記載することにより、どの弁理士がこの案件を担当しているかの情報が公開されることをブロックすることが可能になります。
代理人として「弁理士の個人名」を表示させるには、願書に「特許業務法人名」ではなく「弁理士の個人名」を記載します。
弁理士個人名からの特許事務所の調べ方
代理人の情報として特許業務法人名が出てきた場合にはその特許事務所がどこかは明確です。
しかし特許庁のデータベースでは「弁理士の個人名」が情報として出てきた場合には、その弁理士がどの特許事務所に所属しているかまでの情報は公開されません。
弁理士の個人名からその弁理士が所属する特許事務所を特定するには、google等の検索エンジンで弁理士個人の名前を入力して検索します。
検索することにより、その弁理士がどの特許事務所に所属しているか、追跡することができます。
ファーイースト国際特許事務所