索 引
1. 商標登録区分の第19類:木材・セメント・建築材料など〔2025年最新版〕
第19類の見出し
- 建築用及び構築用の専用材料(金属製のものを除く。)
- 建築用の硬質管(金属製のものを除く。)
- アスファルト、ピッチ、タール及び瀝青
- 可搬式建造物組立セット(金属製のものを除く。)
- モニュメント(金属製のものを除く。)
注釈:
第19類には、主として、金属製でない建築用及び構築用の専用材料を含む。
2. 商標登録区分の第19類に含まれるもの
第19類には、特に、次の商品を含む
- 建築用半加工木材、例えば、梁、板、パネル
- ベニヤ板
- 建築用ガラス、例えば、ガラス製タイル、建築用の絶縁ガラス、安全ガラス
- 路面標識用粒状ガラス
- 花こう岩、大理石、砂利
- テラコッタ(建築材料)
- 光電池を組み込んだ屋根材(金属製のものを除く。)
- 墓碑及び墓標(金属製のものを除く。)
- 石製・コンクリート製又は大理石製の像、胸像及び造形品
- 石製郵便受け
- 地盤用シート
- 建築用塗材
- 足場(金属製のものを除く。)
- 可搬式建造物組立セット(金属製のものを除く。)、例えば、水生動植物の飼育観賞用水槽、鳥類飼育檻、旗掲揚柱、組立式ポーチ、水泳用プール組立てセット
3. 商標登録区分の第19類に含まれないもの
- セメント保存剤、セメント防水剤(第1類)
- 耐火剤(第1類)
- 木材保存剤(第2類)
- 離型用油(建築用のもの)(第4類)
- 金属製郵便受け(第6類)及び郵便受け(金属製及び石製のものを除く。)(第20類)
- 金属製の像、胸像及び造形品(第6類)、貴金属製の像、胸像及び造形品(第14類)、木製・ろう製・石膏製又はプラスチック製の像、胸像及び造形品(第20類)、磁器製・陶器製・土器製・テラコッタ製又はガラス製の像、胸像及び造形品(第21類)
- 建築用ではない管(金属製のものを除く。)、例えば、衛生設備の部品としての管(第11類)、フレキシブル管・フレキシブルチューブ及びフレキシブルホース(金属製のものを除く。)(第17類)
- 建築用防湿材料(第17類)
- 乗物の窓用ガラス(半製品)(第21類)
- 鳥かご(第21類)
- マット、リノリウム及びその他の既存床を覆う材料(第27類)
- 製材前又は未加工の木材(第31類)
4. 詳細解説
タール ピッチ(01A01)
この商品は、建築材料として使用される「コールタール」や「石油ピッチ」等の「タール」及び「ピッチ」が該当します。
また、これらの商品と類似群は同じですが、以下の類に属する商品も存在します:
- 第1類(化学品)
- 第2類(カナダバルサム コパール 等)
- 第3類(家庭用帯電防止剤 家庭用脱脂剤 等)
- 第4類(固形潤滑剤)
- 第30類(アイスクリーム用凝固剤 ホイップクリーム用安定剤 料理用食肉軟化剤)
建築用又は構築用の非金属鉱物(06B01)
この商品は、専ら建築用又は構築用の材料として用いられる「砂利」や「大理石」等、採掘の対象となる未加工の商品が該当します。
また、この商品と類似群は同じですが、以下の類に属する商品も存在します:
- 第1類(非金属鉱物)
- 第6類(金属鉱石)
- 第14類(宝玉の原石)
- 第17類(雲母)
- 第20類(海泡石 こはく)
なお、この商品を一定の形に加工し、建築用材や構築用材に加工したものは、本類「石材」に属します。
陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物(07A02)
これらの商品は、専ら建築に用途を限定されたものとして取引される材料のうち、「陶磁製かわら」等の陶磁製商品、「焼成れんが」や「耐火モルタル」等が該当します。
プラスチック製建築専用材料 合成建築専用材料 アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料 ゴム製の建築用又は構築用の専用材料 しっくい 石灰製の建築用又は構築用の専用材料 石こう製の建築用又は構築用の専用材料(07A03)
これらの商品は、専ら建築又は構築に使用される材料のうち、金属製、陶磁製、セメント製、木製及び石製並びにガラス製のもの以外のものが該当します。
「専用材料」とは、専ら建築又は構築に用途を限定されたものとして取引される材料のことであって、物それ自体として建築又は構築以外の用途に使われないようなものが属します。
なお、建築用又は構築用の専用材料であっても以下のものは、その材料に応じて、それぞれの区分に属します:
- セメント製 → 本類「セメント及びその製品」
- 木製 → 本類「木材」
- 石製 → 本類「石材」
- ガラス製 → 本類「建築用ガラス」
また、「落石防止網(金属製のものを除く。)」は第22類に属し、「金属製の落石防止網」は第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料」に属します。
旗掲揚柱(金属製のものを除く。)(07A03,07C01)
「旗掲揚柱」は、構造物の一種であり、金属製以外の商品は本類に属し、金属製の商品は第6類に属します。
なお、「手持式旗ざお」は、金属製の商品が第6類に属し、金属製以外の商品は第20類に属します。
建造物組立てセット(金属製のものを除く。)(07A04)
「建造物組立てセット」は、特定の使用目的を有する簡易な組立式建造物の専用部材であって、一式のセットとして取引に供されるもので、金属製以外のものが本類に属し、金属製の商品は第6類に属します。
土砂崩壊防止用植生板(07A05)
この商品は、土砂崩壊防止等を目的とした法面の保護に用いられるものが該当します。
窓口風防通話板(07A06)
この商品は、駅の窓口等に設置される通話が可能なように板に加工を施している仕切り板等が該当します。
区画表示帯(07A07)
この商品は、建築又は構築専用材料に該当する商品のうち、道路の区画線に使用するシート等が該当します。
セメント及びその製品(07B01)
この商品は、狭義の「セメント」(粉末状)、セメントの基礎製品(管、柱等)、セメント製の建築用又は構築用の専用材料が該当します。
また、単なる「セメント」のみではなく、セメントモルタル製やコンクリート製の商品等、それがセメントを主体としたものであればこの商品に含まれます。
ただし、一定の用途(建築用又は構築用を除く。)を目的として加工された完成品、例えば、「灯ろう」は、セメント製のものであっても、この商品には含まれず、本類「灯ろう」に属します。
木材(07C01)
この商品は、例えば「丸太」等、一般に木材と称される商品や、木材を加工した木製の建築用又は構築用の専用材料、例えば「木製床板」が該当します。
石材(07D01)
この商品は、岩石を一定の形に切り出したものが該当します。
なお、「墓用石材」はこの商品に含まれますが、これを「墓石」に加工した商品は、この商品には含まれず、本類「墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」に属します。
建築用ガラス(07E01)
この商品は、建築用材料として使用される不定形のガラス製の棒や板等が該当します。
また、例えば、「ガラスかわら」「ガラスれんが」等のように特殊な形態に加工したものも、この商品に含まれます。
ただし、「光学ガラス」や、科学用、写真用、光学用等の第9類に属する機械器具に用いられる「加工ガラス(建築用のものを除く。)」は、この商品と類似群は同じですが、第9類に属します。
さらに、第21類(ガラス基礎製品(建築用のものを除く。))に属する商品も存在します。
参照:商品のアルファベット順一覧表
- 第9類「optical glass」(光学ガラス 07E01)
人工魚礁(金属製のものを除く。)(09A05)
「人工漁礁」は、水産資源を育成・保護し、また乱獲を防ぐために海中に設置した岩石・コンクリート‐ブロック・廃船などの構造物であって、金属製以外のものは本類に属し、金属製の商品は第6類に属します。
なお、第7類(漁業用機械器具)に属する商品も存在します。
養鶏用かご(金属製のものを除く。)(09A46)
「養鶏用かご」は、金属製以外のものは本類に属し、金属製の商品は第6類に属します。
吹付け塗装用ブース(金属製のものを除く。)(09A64)
「吹付け塗装用ブース」は、金属製以外の商品は本類に属し、金属製の商品は第6類に属します。
また、「塗装機械器具」は第7類に属します。
セメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。)(09A71)
「セメント製品製造用型枠」は、金属製以外の商品は本類に属し、金属製の商品は第6類に属します。
送水管用バルブ(金属製又はプラスチック製のものを除く。)(09F05)
送水管用の「バルブ」は、金属製又はプラスチック製以外のもので、機械要素に該当しないものは本類に属します。
また、以下の類に属する関連商品も存在します:
- 第6類(金属製バルブ(機械要素に当たるものを除く。))
- 第7類(バルブ(陸上の乗物用のものを除く機械要素))
- 第11類(水道用栓 タンク用水位制御弁 パイプライン用栓)
- 第17類(ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。))
- 第20類(プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。))
道路標識(金属製又は発光式若しくは機械式のものを除く。)(09G07)
「道路標識」は、発光式又は機械式ではない金属製以外の商品が本類に属し、発光式又は機械式ではない金属製の商品は第6類に属します。
また、「乗物の故障の警告用の三角標識 発光式又は機械式の道路標識」は第9類に属します。
航路標識(金属製又は発光式のものを除く。)(09G08)
「航路標識」は、発光式ではない金属製以外の商品が本類に属し、発光式でない金属製の商品は第6類に属します。
また、「航路標識(発光式)」は第9類に属します。
参照:商品のアルファベット順一覧表
- 第9類「beacons, luminous」(航路標識(発光式) 09G08)
貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。)(09G59)
この商品には、石製の貯蔵槽(「石製液体貯蔵槽」及び「石製工業用水槽」)が含まれ、金属製は第6類に属し、石製及び金属製以外の材質(プラスチック製等)の商品は第20類に属します。
石製郵便受け(19B35)
「郵便受け」は、石製の商品は本類に、金属製の商品は第6類に、金属製又は石製以外の商品は第20類に属します。
石製家庭用水槽(19B49)
「家庭用水槽」は、石製の商品は本類に、金属製の商品は第6類に、金属製又は石製以外の商品は第20類に属します。
建具(金属製のものを除く。)(20A01)
「建具」は、金属製以外の商品は本類に属し、金属製の商品は第6類に属します。
また、第6類(金庫)、第14類(宝石箱)及び第20類(家具)に属する商品も存在します。
屋外用日よけ(金属製又は織物製のものを除く。) 屋外用ブラインド(金属製又は織物製のものを除く。)(20D01)
「屋外用日よけ」や「屋外用ブラインド」は、主に日差しを遮ることを目的とした屋外に設置される商品が該当し、金属製又は織物製以外の商品は本類に属し、金属製の商品は第6類に、織物製の商品は第22類に属します。
また、「農業用プラスチックシート」は第17類に、「雨覆い 天幕」は第22類に属します。
灯ろう(20D03)
この商品は、戸外に据えつける台灯籠が該当します。
人工池(金属製のものを除く。)(20D06)
「人工池」は、屋外に設置される人工的な池が該当し、金属製以外の商品は本類に属し、金属製の商品は第6類に属します。
可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。)(20D07)
「可搬式家庭用温室」は、屋外に設置される商品が該当し、金属製以外の商品は本類に属し、金属製のものは第6類に属します。
石製・コンクリート製又は大理石製の記念カップ 石製・コンクリート製又は大理石製の記念たて(20E01)
「記念カップ」及び「記念たて」は、スポーツ大会や学術大会等で、優勝者や優秀者等を表彰するために贈られる杯・たてなどが該当し、材質によって以下のように分類されます:
- 石製・コンクリート製又は大理石製 → 本類
- 金属製 → 第6類
- 貴金属製 → 第14類
- 木製・ろう製・石膏製又はプラスチック製 → 第20類
- 磁器製・陶器製・土器製・テラコッタ製又はガラス製 → 第21類
墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)(20F01)
「墓標」や墓碑用の「銘板」は、金属製以外の商品は本類に属し、金属製のものが第6類に属します。
また、第20類(葬祭用具)、第24類(遺体覆い 経かたびら 等)、第26類(造花の花輪)及び第31類(生花の花輪)に属する関連商品も存在します。
石製彫刻 コンクリート製彫刻 大理石製彫刻(26C01)
「彫刻」のうち、石製、コンクリート製、大理石製のものは本類に属し、これらの複製物も含まれます。
なお、材質によって以下のように分類されます:
- 金属製彫刻 → 第6類
- 石こう製彫刻 プラスチック製彫刻 木製彫刻 → 第20類
すさ(34E03)
この商品は、壁土にまぜて亀裂を防ぐつなぎとする繊維質の材料であり、建築用材料として本類に属します。
鉱物性基礎材料(34E09,34E10,34E11)
1. 無機繊維の板及び粉(34E09)
2. 石こうの板(34E10)
3. 鉱さい(34E11)
これらの商品は、後に何らかの加工を施すべき鉱さい等の鉱物性材料及びガラス繊維、金属繊維等の無機繊維を粉状、板状又は層状等に加工したもので未だ用途が定まっていないものが該当します。
これらの商品には、特定の用途に使用される最終製品は含まれません。
なお、無機繊維をプラスチック板に強化材又は充てん材として使用した繊維入り板は、「無機繊維の板」には含まれず、第17類「プラスチック基礎製品」の下位概念の「繊維入り板状プラスチック基礎製品」に該当します。
また、何らかの加工を後に施すべき材料であって、建築用以外の岩石繊維製の防音材は、第17類「岩石繊維製防音材(建築用のものを除く。)」に該当します。
5. 区分のポイント
1. 金属製・非金属製による区分
- 第19類の多くの商品は「金属製のものを除く」という条件付きで、金属製のものは基本的に第6類に属する
- 例:建具、墓標、旗掲揚柱、建造物組立てセット、養鶏用かご、人工魚礁など
2. 材質による区分
- 同じ機能・用途の商品でも材質によって区分が異なる
- 例:記念カップ・記念たては材質によって第6類、第14類、第19類、第20類、第21類に分かれる
- 郵便受けは材質によって第6類、第19類、第20類に分かれる
3. 用途による区分
- 「専用材料」という言葉は「専ら建築又は構築に用途を限定されたもの」を指す
- 同じ材料でも用途が異なれば区分が変わる
- 例:建築用ガラスは第19類、光学ガラスは第9類
4. 加工度による区分
- 未加工または半加工状態の商品と完成品では区分が異なることがある
- 例:墓用石材は「石材」に含まれるが、墓石に加工したものは「墓標」に属する
5. 類似群コードによる関連性
- 同じ類似群コードの商品が他の類にも存在することが多い
- 例:建築用ガラス(07E01)と光学ガラス(第9類、07E01)
- 同じ類似群コードを持つ商品は類似商品として扱われる
6. 構築物と部品の区分
- 構築物本体と、その部品・構成要素は区分が異なることがある
- 例:セメント製品と、その製造用型枠は別の区分
7. 特殊な条件による区分
- 発光式・機械式か否かで区分が分かれる商品もある
- 例:道路標識、航路標識は発光式・機械式か否かで第9類と第19類に分かれる
8. 複合条件による区分
- 複数の条件(材質と機能など)によって区分が決まることもある
- 例:バルブは材質と機械要素であるかどうかによって区分が決まる
第19類の商標区分は主に非金属製の建築材料・構築材料を対象としており、同種の製品でも材質、用途、加工度などの条件によって異なる区分に分類されることが多いため、詳細な区分基準の理解が重要です。