索 引
1. 商標登録区分の第42類:IT・設計・研究・理系サービス〔2025年最新版〕
第42類の見出し
- 科学的及び技術的サービス並びにこれらに関する調査及び設計
- 工業上の分析、工業上の調査及び工業デザインの考案サービス
- 品質管理及び認証サービス
- コンピュータのハードウェア及びソフトウェアの設計及び開発
主な内容:
この類は、主として、複雑な活動分野の理論的又は実用的な側面に関する人により提供されるサービスを含みます。例えば、科学に関する実験及び研究、土木・工学に関するエンジニアリング、電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、建築物の設計又はインテリアデザインの考案などが該当します。
2. 商標登録区分の第42類に含まれるもの
この類には、特に、次のサービスを含みます:
- 技術に関する助言を含む、科学的及び技術的分野における評価、見積もり、研究及び報告を行うエンジニア及び科学者によるサービス
- コンピュータデータ、個人、金融又は財務の情報の安全確保のため、及びデータ及び情報への不正アクセスの検知のためのコンピュータ及び技術に関するサービスの提供
- 例:コンピュータウィルスの侵入防止用プログラムの設計・作成・保守又はそのプログラムの提供、データの暗号化処理、インターネット経由での個人情報の盗難を検出するための個人識別情報の電子的な監視
- オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS)、コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS)
- 医学用科学的研究サービス
- 建築計画及び都市計画の設計サービス
- 特定のデザインサービス
- 例:工業デザインの考案、コンピュータソフトウェア及びシステムの設計、インテリアデザインの考案、包装デザインの考案、グラフィックアートデザインの考案、服飾デザインの考案
- 測量(土木・工学に関するエンジニアリング)
- 石油、ガス及び採鉱の探査
3. 商標登録区分の第42類に含まれないもの
この類には、特に、次のサービスを含みません:
- 特定の調査サービス
- 例:事業の調査(第35類)、市場調査(第35類)、金融又は財務に関する調査(第36類)、教育に関する研究(第41類)、系図の調査(第45類)、法律的事項に関する研究(第45類)
- 会計監査及び業務監査(第35類)
- コンピュータによるファイルの管理(第35類)
- 財務の評価サービス(第36類)
- 採鉱、石油及びガスの掘削(第37類)
- コンピュータハードウェアの設置工事、保守及び修理(第37類)
- 音響機器の操作(第41類)
- 特定のデザインサービス
- 例:景観の設計(第44類)
- 医療及び獣医サービス(第44類)
- 法律業務(第45類)
4. 詳細解説
気象情報の提供(42G01)
このサービスは、天気予報や津波情報などを提供するものが該当します。
なお、「地震情報の提供」も、このサービスに類似するものとして本類に属します。
建築物の設計 測量(42N01)
これらのサービスには、「土木工事に係る設計」も含まれます。
なお、これらのサービスと類似群は同じですが、園芸に関するサービスである「景観の設計」は第44類に属します。
地質の調査(42N02)
このサービスには、地質又は土質の調査のための計測、解析及び試錐(ボーリング)も含まれます。
機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計(42N03)
このサービスは、例えば、「自動車の設計」「工作機械器具の設計」「コンピュータハードウェアの設計」等が該当します。
なお、コンピュータハードウェア等機械器具の保守のサービスは、このサービスには含まれず、第37類に属します。
デザインの考案(42P01)
このサービスは、工業デザイン、クラフトデザイン、インテリアデザイン、商業デザイン、服飾デザイン、テキスタイルデザイン及びパッケージデザイン等の「デザインの考案」に関するものであり、デザイナー等の専門家によって提供されるものです。
なお、デザインの対象を広告物とする「広告物のグラフィックデザインの考案」や「販売促進用材料のグラフィックデザインの考案」も、このサービスに類似するものとして本類に属しますが、広告のコンセプト開発等のサービスである「広告用コンセプトの開発」は第35類に属します。
参照:役務のアルファベット順一覧表
- 第42類「graphic design of promotional materials」(販売促進用材料のグラフィックデザインの考案 42P01)
- 第35類「development of advertising concepts」(広告用コンセプトの開発 35A01)
電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守(42P02)
このサービスは、いわゆる、ソフトウェアの開発業者等が提供するものが該当し、コンピュータプログラムの開発もこのサービスに含まれます。
また、オンライン又はオフラインを問わず「コンピュータによる情報処理」や、「インターネットのホームページの設計・作成又は保守」も、このサービスに類似するものとして本類に属します。
電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明(42P03)
このサービスは、電子計算機、各種産業用機械(複写機等の事務用機器を含む。)又は自動車等、用途に応じた的確な操作をするためには、高度の専門的知識、技術又は経験を必要とするものについて紹介及び説明を行う業務(実演を含む。)で、これらの機械器具等のデモンストレーションを行うものが該当します。
医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究(42Q01)
このサービスは、依頼に基づき、医薬品、化粧品又は食品に関連する専門的知識を活用して試験、検査又は研究を行うものが該当します。
建築又は都市計画に関する研究 公害の防止に関する試験又は研究 電気に関する試験又は研究 土木に関する試験又は研究(42Q02)
これらのサービスは、依頼に基づき、建築又は都市計画、公害、電気又は土木に関連する専門的知識を活用して試験、検査又は研究を行うものが該当します。
また、工学・技術に関する試験又は研究も、これらのサービスに類似するものとして本類に属します。
農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究(42Q03)
このサービスは、依頼に基づき、農業、畜産又は水産に関する専門的知識を活用して試験、検査又は研究を行うものが該当します。
また、林業に関する試験又は研究も、これらのサービスに類似するものとして本類に属します。
機械器具に関する試験又は研究(42Q99)
このサービスは、上記の「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究」に属する製品以外の製品に関する試験又は研究を行うものが該当します。
「織物の検査」「機械器具の検査・測定」「発掘分野に関する調査」も、このサービスに類似するものとして本類に属します。
なお、美術品の真偽を見分ける「美術品の鑑定」は本類に属しますが、売却や課税等のために価格を決める「美術品の評価」は第36類に属します。
また、このサービスと類似群は同じですが「教育に関する研究」は第41類に、「法律的事項に関する研究」は第45類に属します。
5. 本類に属する貸与の役務
計測器の貸与(42X04)
電子計算機の貸与 電子計算機用プログラムの提供(42X11)
「電子計算機用プログラムの提供」は、電気通信回線を通じて、電子計算機用プログラムを利用させるサービスが該当します。
なお、ゲームプログラムを記憶させた物理的な記録媒体(カートリッジ、ディスクなど)の貸与も、本類(41M08 42X11)に属します。
理化学機械器具の貸与(42X14)
望遠鏡の貸与(42X15)
製図用具の貸与(42X31)
6. 区分のポイント
1. 専門知識を要するサービスの区分
- 第42類は主に科学的・技術的な複雑な活動分野のサービスを対象
- 高度な専門知識や技術を要する設計、研究、試験サービスが含まれる
- 例:建築設計、コンピュータプログラム開発、科学的研究
2. 調査・研究サービスの区分
- 科学技術関連の研究・調査は第42類
- 事業・市場調査は第35類、金融調査は第36類
- 教育関連調査は第41類、法律・系図調査は第45類
3. デザインサービスの区分
- 多くのデザイン関連サービスは第42類(工業、インテリア、パッケージ等)
- 「広告用コンセプトの開発」は第35類
- 「景観の設計」は第44類
4. コンピュータ関連サービスの区分
- ソフトウェア設計・開発・保守は第42類
- ハードウェアの設置・保守・修理は第37類
- ファイル管理は第35類
5. 評価・鑑定サービスの区分
- 科学技術評価は第42類
- 美術品の真偽鑑定は第42類だが価格評価は第36類
- 財務評価は第36類
6. 情報提供サービスの区分
- 気象・地震情報提供は第42類
- 高度専門知識を要する機械の操作方法説明も第42類
7. 類似群コードによる区分
- 同じ類似群コードでも、内容により異なる類に属することがある
- 例:42Q99の美術品鑑定と第36類の美術品評価
- 例:42N01の建築設計と第44類の景観設計
8. 貸与サービスの区分
- 科学技術関連機器の貸与は第42類
- 電子計算機の貸与、プログラム提供も第42類
- ゲームプログラムの記録媒体貸与も本類に含まれる
第42類の商標区分は主に科学技術やコンピュータ関連の専門的サービス、研究・調査、デザイン考案、および関連機器の貸与を包含しています。特に専門知識を要するサービスと他の類に属する類似サービスとの区別、および同じ類似群コードでも内容により異なる類に属する場合があることが重要なポイントです。