猛暑対策に知的財産も一役買っています!

無料商標調査 商標登録革命

1. 日本の夏の気温変化を振り返る

日本の夏の気温は、過去数十年で確実に上昇しています。気象庁のデータを見ると、1970年代と比較して現在の夏季(7月〜9月)の平均気温は約3〜4度も上昇しています。

1970年代初頭には日平均気温が23〜25度程度だったものが、2023年および2024年には28度を超える水準に達しています。最高気温についても、かつては35度前後だったものが、近年では37度を超える日も珍しくありません。

この温度上昇は、私たちの生活や健康に直接的な影響を与えており、特に熱中症対策が重要な課題となっています。

2. 熱中症のメカニズムと対策制度

熱中症は、高温多湿な環境下で体温調節機能が正常に働かなくなることで発生します。初期症状としてめまいや立ちくらみが現れ、重症化すると歩行困難や意識障害に至ることもあります。

気温だけでなく湿度も熱中症リスクを高める要因となる点に注意が必要です。室内であっても高湿度環境では熱中症のリスクが高まるため、エアコンや除湿器の適切な使用が推奨されます。

2024年4月1日には改正気候変動適応法が施行され、熱中症対策が強化されました。

新たに導入された警戒情報システムでは、暑さ指数(WBGT)に基づいて「熱中症警戒アラート」と「熱中症特別警戒アラート」の2段階で注意喚起を行います。特に危険な暑さが予測される場合には、自治体指定のクーリングシェルター(指定暑熱避難施設)が開設され、市民の避難場所として機能します。

3. 知的財産として保護される猛暑対策グッズ

猛暑対策として開発された様々な商品には、商標や特許といった知的財産権が設定されています。

これらの知的財産権は、革新的な技術やアイデアを保護し、さらなる技術開発を促進する役割を果たしています。

気化熱を利用した冷却スカーフ

出願番号/登録番号/国際登録番号:登録5240350(商願2008-095685)
商標(検索用):しろくまのきもち
区分:25
出願人/権利者/名義人:株式会社ビッグウイング
出願日/国際登録日(事後指定日):2008/11/27
登録日:2009/06/19
出願番号/登録番号/国際登録番号:登録5463359(商願2011-056055)
商標(検索用):しろくまのきもち
区分:24 25
出願人/権利者/名義人:株式会社ビッグウイング
出願日/国際登録日(事後指定日):2011/08/05
登録日:2012/01/13

「しろくまのきもち」は、水で濡らして首に巻くことで冷却効果を得られるスカーフです。水が蒸発する際の気化熱を利用して首の血管を冷やし、体温を効果的に下げる仕組みとなっています。この原理は人体の発汗による体温調節と同じであり、急激な冷却を避けながら持続的な冷却効果を提供します。

作業環境を改善するファン付き衣服

建設現場や農作業など、屋外での作業に従事する方々にとって、夏季の労働環境は過酷です。このような環境で働く方々の負担を軽減するため、ファン付き作業服が開発されています。

特許6345836号

ファン付き衣服の特許発明
特許庁の特許公報より引用

これらの衣服は、身体と衣服の間に空気を循環させることで、汗の蒸発を促進し体温上昇を抑制します。これらの技術について、特許が取得されています。最新の特許技術では、より効率的な空気循環システムや、バッテリーの長時間駆動を実現する省電力設計などが採用されています。

体内電解質バランスを整える経口補水液

出願番号/登録番号/国際登録番号:登録4462878(商願2000-032115)
商標(検索用):オーエスワン
区分:32
出願人/権利者/名義人:株式会社大塚製薬工場
出願日/国際登録日(事後指定日):2000/03/30
登録日:2001/03/30

熱中症の初期対応として重要なのが、失われた水分と電解質の補給です。経口補水液は、体内への吸収効率を高めるため、水分と電解質のバランスが最適化されています。

「OS-1(オーエスワン)」は、この分野で広く認知されている製品の一つです。通常のスポーツドリンクと比較して塩分濃度が高く設計されているため、熱中症の症状が現れた際の応急処置として効果的です。

ただし、経口補水液は医療用途を想定した製品であるため、日常的な水分補給には適していません。健康な状態での過剰摂取は塩分の取りすぎにつながる可能性があるため、使用は熱中症の症状が現れた場合に限定することが推奨されます。

4. 知的財産権が支える技術革新と安全な夏

猛暑対策グッズの開発において、知的財産権は重要な役割を果たしています。商標権は消費者が信頼できる製品を選択する際の指標となり、特許権は企業の技術開発投資を保護することで、より効果的な製品の開発を促進します。

近年の気候変動により、従来の常識では対応できないレベルの暑さに直面することが増えています。このような状況下で、知的財産権に守られた革新的な技術と製品は、私たちの健康と安全を守る重要な役割を担っています。

適切な知識を持ち、信頼できる製品を活用することで、厳しい夏を安全に過ごすことができます。体調に異変を感じた場合は、早めに医療機関を受診することも大切です。

知的財産として保護された技術と、正しい対処法を組み合わせることで、猛暑の夏を乗り切りましょう。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

無料商標調査

あなたの商標が最短1ヶ月で登録できるかどうか、分かります
識別性を判断することで、商標登録できるかどうか、分かります
業務分野の検討が、商標の価値を最大化します

コメントする