商標登録は実際に必要なのでしょうか。多くの方からその疑問を受けることがあります。
答えは、事業を展開する以上は「商標登録は必要」と感じています。
例えば、健康を失って初めてその大切さに気がつくように、商標登録の価値を痛感するのは、自分の大事にしてきたブランドが他社に取られたときではないでしょうか。
映画「風と共に去りぬ」ではありませんが、愛する人が去ってから、自分が去ってしまった人のことを愛していたと気が付くようでは遅いと思います。
商標登録をせずに事業を進めるのは、他の人の土地で作物を栽培するようなものです。収穫の時が来たとたん、土地の持ち主が現れ、全てを持って行かれる可能性があります。
考えてみてください。多額の宣伝費をかけてブランドの認知度を上げたにも関わらず、突然の通告でそのブランド名を使用できなくなったら? これは、事前に商標登録をしておけば避けられる事態です。
しかも商標権者はこちらの侵害行為を事前に教えてはくれません。
商標権を侵害していることに気がついていない方が、全ての段取りを終えるのをじっと待っています。
後は顧客基盤ごと、侵害者側が開拓した全てを居抜きで回収できるわけですから。
事業を進める際の先見の明として、商標登録の重要性を理解しておくことは非常に大切です。未来を見越して行動すること、それが真の事業者としての資質であると私は信じています。
私たちが望むのは、そのような未来を予測し、行動できる方との出会いです。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247