1. はじめに
皆様に報告するのが遅くなったのですが、2013年6月に産経新聞から取材があり、私のコメントが産経新聞社の経済ニュースサイトSankeiBizで紹介されました。
掲載当時はSankeiBizの記事へのリンクをこの記事に載せていましたが、SankeiBizはその後サービスを終了したため、リンクは削除しました。取材を受けた記録として、当時の話題とその後の法改正の経過を残しておきます。
2. 取材テーマ:職務発明の権利帰属
産経新聞から取材があったのは、企業の従業者が発明をした際に、従来のように発明に基づく権利を従業者に帰属させるのではなく、これからは会社に帰属させたらどうか、という点です。この要望は以前より産業界から寄せられているものでした。
3. 当時の商標法改正をめぐる状況(2013年)
取材では、産経新聞の記者の方と商標法の改正問題についても話題が及びました。
商標登録の関連では、当時、目に見える商標以外に、目には見えない香りとか音とかの商標を保護しよう、という動きがあり、実際に法整備に向けた研究も進められていました。
ただ、取材を受けた2013年の時点では、商標の保護対象を広げる商標法改正案の国会提出が遅れているように見える状況でした。アジア周辺には日本より先行して商標の保護対象を広げている国もあり、日本の法整備の遅れで、日本国民や日本企業が本来享受できたはずの権利を国内で受けられない状態が続くのはよくない、というのが当時の私の問題意識でした。
4. その後の法改正で状況は大きく変わりました
この記事を最初に書いた後、いずれのテーマでも法改正が実現しています。
商標については、平成26年(2014年)の商標法改正により、音の商標、色彩のみからなる商標、動き商標、ホログラム商標、位置商標といった新しいタイプの商標が、2015年4月1日から登録できるようになりました。
取材のテーマだった職務発明についても、平成27年(2015年)の特許法改正により、契約や勤務規則などであらかじめ定めておけば、特許を受ける権利を発生した時点から会社に帰属させることができるようになっています(2016年4月1日施行、特許法35条3項)。あわせて、発明をした従業者には金銭に限らない「相当の利益」を受ける権利が保障されています。
5. まとめ
当時心配していた「日本だけが後手に回るのではないか」という状況は、これらの改正でひとまず解消されました。とはいえ、制度はこれからも変わっていきます。商標や特許の実務では、その時々の最新の法制度を確認しながら対応していくことが大切です。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
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