商標権の侵害が発生し、訴訟に至った場合、裁判所での審理は「侵害論」と「損害論」の二つに分かれます。
知らなかったは通用しない!商標権侵害と対応ガイド
1. はじめに
近年、企業間の競争はより激しさを増してきました。その中で、企業やブランドのアイデンティティを示す「商標」は非常に重要な役割を果たしています。商標は、ある特定の商品やサービスがどの事業体やブランドから提供されているのかを消費者に伝えるためのシンボルです。この商標が他者に模倣されたり、不正に使用されることは、その事業体やブランドの価値を著しく低下させる恐れがあります。
ブランドはあなたの財産。海外で商標権を守るための具体的な手順
商標登録:あなたのブランドを保護する
商標登録はなぜ大切なのか
ブランドは企業の財産であり、その価値を保護するためには商標登録が重要です。商標登録を行うことで、指定した商品やサービスについて登録商標と似たような商標の使用を差し止めたり、損害賠償を請求したりできます。
海外におけるブランドの保護化
それぞれの国における商標登録
・国ごとの審査の進め方
一つの国の法律の効力は条約等の合意がない限り、その国限りです。このため海外で商標登録するなら、各国毎で権利を取得する必要があります。これは国際登録出願を利用する場合でも同じです。
モンシュシュの商標権侵害で損害賠償請求額が約5100万円
モンシュシュの商標権侵害を巡って洋菓子会社である堂島ロールとゴンチャロフ製菓が争った大阪高裁による二審で、商標権者であるゴンチャロフ製菓側の主張が認められ、商標権侵害により約5100万円の損害賠償請求を認める判決がでました。
大阪地裁の一審では、訴訟を提起したのが遅すぎること、モンシュシュは店舗名として広く認知されていること、モンシュシュの知名度を上げたのは堂島ロール側であるので、逆に堂島ロール側の信用を利用されたとして、商標権の行使は権利濫用である等の主張を行いましたが、大阪地裁ではこれらの主張は認められませんでした。
大阪高裁による上級審でも大阪地裁の判断が結果的に維持されたことになります。