企業や個人が商品やサービスのブランドを保護するために行う商標登録は、そのブランドの顔とも言えます。
しかし、どの商標を登録すれば良いのか、という疑問は多くの方が持っています。
特に、カタカナやアルファベット、縦書きや横書きなど、同じ名前でも表記方法が異なる場合、どれを選ぶべきか迷うことがあります。
重要なのは、商標権の効力が似た読み方の商標にも及ぶという点です。つまり、カタカナとアルファベット表記であれば、どちらか一方を登録すれば十分なのです。これは、縦書きと横書きにも同様に適用されます。
ただし、一度登録された商標は日本国内で使用する義務が課せられています。このため、せっかく登録しても、日本国内で3年間、指定商品や役務に登録商標を使用していないと、第三者からの請求により、登録が取り消されることもあります。
登録する商標を選ぶ際の基本は、現在主に使用しているものを選ぶこと。これが原則です。
また、マークのみの使用の場合は、マークのみを登録することが可能です。この場合、そのマークの使用を他人に制限することができます。
さらに、文字とマークを組み合わせて使用している場合は、それらを一つにまとめて出願する方法もあります。このように、商標登録は自由度が高く、自分のブランドに合った保護の形を選ぶことが重要です。
結局のところ、どの商標を登録するか迷った場合は、現在実際に使用している形態を基準に選ぶのが最適です。
商標登録を機に、使用する商標の形を整理し、ブランド戦略を見直す良い機会とも言えるでしょう。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247