お茶の商標はどの区分に属する?

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1.八十八夜とは

~八十八夜に込められた意味とお茶の関係~

「八十八夜」とは、立春から数えて88日目のことで、その名の通り、「八十八」という縁起の良い数字が由来です。毎年、日付は異なりますが、2024年の八十八夜は5月1日でした。

日本では、立春や春分といった二十四節気がよく知られていますが、八十八夜はそれとは別の「雑節」の一つ。この日は、農業が盛んだった時代にとって非常に重要な日でした。特に、茶摘みや田植えの準備が本格化する時期として、昔の人々は「夏の始まりの目安」として重視していました。

さらに、数字の「八」は末広がりで縁起が良いとされ、二つの「八」が重なる「八十八夜」は、特別な吉日と考えられていました。加えて、「八」「十」「八」を組み合わせると「米」という字になるため、農業と深い結びつきがあったのです。

春になると、冬の間に養分を蓄えた茶の木が芽吹きます。特に、八十八夜に摘まれる新茶は、栄養価が高く、味わいも格別。昔から「八十八夜のお茶を飲むと健康に良い」と言われてきました。

ただ、近年は気候変動によって猛暑日が増え、季節感が少し変わってきているのも事実です。これからのお茶の育成や収穫にも、新しい工夫が必要かもしれません。

2.商標的考察

商標出願の際に「お茶」に関する相談を受けると、少し悩ましい点が出てくることがあります。ご存知の通り、商標権の効力は「商標」そのものと、「指定する商品またはサービス」によって決まります。そして、特許庁に出願した後は、指定商品の追加は認められません。

つまり、出願時に指定する商品は、商標そのものと同じくらい重要です。もし指定商品を間違えてしまうと、商標が登録されたとしても、期待していた保護を十分に得られない可能性があります。

例えば、特許庁のデータベース「特許情報プラットフォーム」で商品やサービスを検索すると、お茶に関連する項目として、以下のような区分が見つかります。

  • 第30類:「茶飲料」
  • 第30類:「茶」(急須で淹れる茶)
  • 第31類:「茶の葉」(未加工の摘みたて茶葉)
  • 第32類:「茶入り清涼飲料」
  • 第43類:「茶を主とする飲食物の提供」(店内で提供される飲食)

未加工の茶葉(第31類)を取り扱うケースは少ないため、ここでの問題はあまり大きくありません。また、「茶」と「茶飲料」は類似群コードが同じで、これも大きな問題にはならないでしょう。

しかし、問題となるのは第30類の「茶飲料」と、第32類の「茶入り清涼飲料」の違いです。これらは一見似ていますが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか?

3.まとめ

ボトル入りのお茶の代表例として知られる「お~いお茶」(株式会社伊藤園)は、商品パッケージに関して商標登録(商標登録第5471443号)を受けており、第30類と第32類の二つの区分で登録されています。

また、サントリーが販売する「伊右衛門」(商標登録第4766195号、商標権者:株式会社福寿園)も、第30類と第32類を含む四区分で登録されています。

全体的に見ると、ボトル入りのお茶に関しては、多くの場合、第30類「茶飲料」を指定して登録が行われていることがわかります。

しかし、一度出願が完了すると、商品やサービスの追加は一切認められません。そのため、後から新しい商品を追加したい場合には、改めて新たに出願する必要があります。

新たな出願で無事に登録されれば問題ありませんが、もし他人が先に類似する商標を出願していた場合、その商品について商標を使用できなくなるリスクがあります。

このようなリスクを回避するためにも、商標出願を行う際には、将来の展開を見据えて、できるだけ広めの範囲で商品を指定しておくことが重要です。

ファーイースト国際特許事務所
弁理士 秋和 勝志
03-6667-0247

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