大阪府のキャラクター「モッピー」の商標を変更するとの発表があった件に関連して、TBSのテレビ番組「Nスタ」から取材がありました。
大阪府のモッピーは大阪府になじみの深い鳥(モズ)をイメージしたもので、10年以上前から使っています。
しかし同じモッピーとの商標が、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営する株式会社ユー・エス・ジェイにより取得されていることが判明し、大阪府側が商標を変更することになりました。この件についてTBSから取材がありました。
USJ側がモッピーについて商標登録の申請をしたのは2011年の2月ですから、日本における商標登録出願の時期を基準にいえば大阪府の方がUSJよりモッピーを使用していた、ということになります。
ただし同じ商標を先に使っていたとしても、特許庁に登録しなければ商標権者になることはできません。
大阪府が先にモッピーについて商標登録の手続きを済ませておいたなら、逆にUSJ側がモッピーを使えなくなります。
なお、商標法には先使用権といって、先に商標を有名にした人の権利を守る制度があります。
ただし、単に先に使っていた、という程度ではダメで、商標登録出願がされた際に、相当程度有名にした実績がなくてはなりません。
「大阪府のモッピーって知っている?」と聞かれて、「いや、知らないよ」、というレベルの認知度では先使用権を主張するのは難しいと思います。
なお大阪府のモッピーが商標権を侵害していることになるなら、USJ側は大阪府に対して使用の差止請求や損害賠償請求を行うことができます。
(公共機関が商標権を侵害した場合には訴えることができない、とかの例外規定が存在しないからです。)
なお私の解説は、6月26日放送のTBS「Nスタ」で放映されました。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
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