索 引
1. 商標登録の料金の相場
商標登録にかかる費用は、大きく分けて2つあります。特許庁に払う印紙代と、依頼先の事務所やサービスに払う手数料です。
特許庁に払う印紙代は、どの事務所に頼んでも同じです。
1区分の場合、出願時に12,000円、登録時に32,900円。合計で最低44,900円が特許庁への支払いです。2区分なら出願20,600円、登録65,800円で合計86,400円になります。
つまり、事務所によって料金に差が出るのは、事務所に払う手数料の部分だけです。
この手数料が、数万円のところもあれば、十数万円のところもある。なぜ、これほど差があるのか。
「誰が担当するか」が違うからです。
2. なぜ事務所によって商標登録の値段が大きく違うのか?
商標登録の手数料の差は、サービスの品質構造の違いから生まれます。現在の商標登録サービスは、おおまかに4つのタイプに分けられます。
AI自動処理型
近年増えているのが、AIやシステムで自動的に出願書類を作成するサービスです。人件費を抑えられるため、低価格で提供できます。
ただし、AIが判断できるのは形式的なチェックまでです。あなたの事業にとって本当に必要な指定商品・役務は何か。類似する先行商標があった場合にどう対応するか。こうした判断には、実務経験が必要です。
無資格スタッフ対応型
弁理士資格を持たないスタッフが窓口対応し、書類作成は弁理士名義で提出する形態もあります。費用は安い。しかし、あなたの商標を実際に「見て」「判断する」のは誰なのか。窓口のスタッフは商標法の専門家ではありません。
外注・下請け型
表面的には大手事務所が受任しながら、実務は外部に委託するケースもあります。依頼者からは誰が担当しているのか見えません。
現役弁理士直担当型
出願の相談から、調査、出願書類の作成、拒絶理由への対応まで、実務経験のある現役弁理士が一貫して担当する形態です。
当然、人件費がかかるため料金は高くなります。しかし、その分だけ判断の質が違います。
3. 「安い」商標登録で実際に起きる問題
料金が安いサービスで出願し、あとから困るケースが増えています。
類似商標の見落とし
出願前の先行商標調査で手を抜くと、出願そのものが無駄になります。
AIによる自動検索は、完全一致や文字の一致は拾えます。しかし、称呼(読み方)の類似や、外観の類似など、人間の判断が必要な類似性を見落とすことがあります。
結果として、拒絶理由通知が届いてから「類似商標がありました」と知ることになります。出願料は返ってきません。
指定商品・指定役務の選定ミス
商標は「指定商品・指定役務」とワンセットで登録されます。この指定を間違えると、登録できても事業で使えない商標権になってしまいます。
たとえば、アパレルブランドで洋服を指定したのに、下着や靴下の指定を漏らすケース。ECサイトを運営しているのに、小売等役務を入れ忘れるケース。
こうした「取り漏れ」は、後から追加できません。別出願が必要になり、費用が二重にかかります。
拒絶理由通知への対応力不足
特許庁から拒絶理由通知が届いた場合、意見書・補正書で反論する必要があります。
安価なサービスでは、拒絶対応は別料金、あるいは対応不可というケースがあります。結果として、登録を諦めるか、別の事務所に駆け込むことになります。
最初から経験ある弁理士に依頼していれば、拒絶理由を予測した出願戦略を立てられます。仮に拒絶されても、どう対応すべきか即座に判断できます。
権利範囲を狭く絞られるリスク
これは見落とされがちですが、料金の安いサービスで最も深刻な問題かもしれません。
AI処理や下請け処理の担当者には、難所で踏ん張る理由がありません。特許庁の審査で拒絶されれば、報酬のとりはぐれが発生します。だから、できるだけ権利範囲を狭く、安全な方向に寄せます。審査に通りやすい範囲に絞り込んで出願するのです。
指定商品・役務を必要最小限まで削る。類似商標との衝突が少しでも予想される部分は最初から外す。結果として、審査は通りやすくなる。しかし、取得できた権利は、あなたの事業を守るには不十分な範囲になっている可能性があります。
経験豊富な現役弁理士の場合は事情が違います。審査の難所を切り抜けるノウハウを持っています。類似商標があっても、意見書で非類似を主張できる根拠があるなら、最初から権利範囲を狭く絞る理由がないのです。
商標登録は「登録できた」がゴールではありません。「事業を守れる権利範囲で登録できた」がゴールです。安全策で狭く登録しても、肝心な場面で使えない商標権では意味がありません。
4. 料金で判断する前に確認すべき3つのポイント
商標登録の依頼先を選ぶとき、料金だけで比較するのは危険です。少なくとも次の3点は確認してください。
担当者は誰か
あなたの案件を実際に担当するのは、弁理士本人ですか。資格を持たないスタッフですか。AIですか。
「弁理士が監修」と書いてあっても、実際の作業は別の人がやっているケースは珍しくありません。
調査の範囲はどこまでか
出願前に先行商標調査をしてくれるのか。調査は料金に含まれているのか。別料金なのか。
調査なしで出願するサービスも存在します。出願はできますが、登録できるかどうかはわかりません。
拒絶された場合の対応は含まれるか
商標出願は、一定の割合で拒絶理由通知が届きます。その場合の対応費用は見積もりに含まれているのか。別途請求なのか。対応そのものができないのか。
初期の見積もりが安くても、拒絶対応で追加費用が発生すれば、最終的な総額は変わりません。
5. まとめ:商標登録は「値段」ではなく「何を守れるか」で選ぶ
商標登録の料金は、安いものでは数万円から、特許事務所では十数万円以上まで幅があります。
その差は、特許庁に払う印紙代の差ではありません。「誰が、あなたの商標を見て、判断するか」の差です。
事業の根幹に関わるブランドを登録するなら、「誰に担当してもらうか」を基準に選んでください。
費用の詳細については「費用の考え方について」をご覧ください。
商標登録を検討されている方は、まず無料調査からご利用ください。実務10年以上の現役弁理士が、あなたの商標を直接調査します。調査の結果、出願できそうであれば見積書をご案内します。見積書のゴーサインをいただかない限り、何も進みませんのでご安心ください。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247
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ファーイースト国際特許事務所|弁理士 平野泰弘
