商標登録を申請すると、提出した書面が定められた様式に沿っているかどうか方式チェックが最初にあります。ここを突破できたら商標の実際の審査が始まります。
この審査は、誰もが通るブランドが市場に独自の印を残すための大切な関門です。
しかし、審査には様々な落とし穴があるため、成功への道は平坦ではありません。特に注意すべきポイントを押さえ、事前に準備をしておくことが、審査をスムーズに通過する秘訣です。
1. 独自性のチェック:パンが権利範囲の場合の「パン屋」というような一般的な言葉はNG
商標として登録したい名称が、権利請求する商品や役務との関係で日常的に使われる一般的な言葉でないかを最初に確認しましょう。
例えば、「パン屋」のような名称をパンの販売に使用する場合、「パン屋」の表記は誰もが使用する必要がある言葉のため、特許庁はこれを商標として認めません。
あなたのブランド名が、一目で独自性が認められるものであることが重要です。
商標は、自分が扱う商品の名前、といってもよいです。商標は商品の説明語句ではない点に注意しましょう。
2. 他の商標との類似性を避ける:先行する商標とのバッティングは禁物
他者が既に登録している商標と似ていないかも、重要なチェックポイントです。
もしすでに登録されている商標との類似性がある場合、特許庁はあなたの申請を却下します。
似た商標が存在する場合でも、明確に区別できる理由を審査官が納得する程度に説明できれば、審査を通過することが可能です。しかし、これは簡単な道のりではありません。
すでに先に存在する他人の商標権の内容と衝突するために登録できない、との判断が確定してしまうと、特許庁にお金を払って、他人の商標権を侵害するとの逆のお墨付きをもらうことになってしまいます。
これは避けなければなりません。
3. 事前調査は必須:出願前のリサーチでリスクを減らそう
出願する前に、十分な市場調査を行うことが不可欠です。
このステップを甘くみると、審査での拒絶リスクが高まります。
ただし、直近に出願された商標に関しては、特許庁のデータベースに即時反映されないため、完璧な事前調査は難しいのが現実です。
この様な、調査しても結果が得られない期間である「ブラックボックス期間」は、全ての出願者にとっての課題です。事前にできる限りの情報収集を行い、リスクを最小限に抑えましょう。
ただし、検索しても検索結果に現れない情報があったとしても、それは自分だけでなく他社も同じです。自分だけが不利な状況というわけではないです。みんな同じ条件で戦っています。
商標登録のプロセスは複雑で、時には予期せぬ障壁に直面することもありますが、これらのポイントを押さえ、慎重に準備を進めれば、成功への道は開けます。
あなたのブランドが市場で際立つための最初の一歩、特許庁の審査を乗り越え、独自の商標を確立しましょう。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
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