よくある質問事項の一つとして、商標を登録すると、多くの方が「Rマーク」の表示方法について疑問を持たれます。ここでは、「Rマーク」の表示に関して、実際のところどうなのかを解説します。
まず、日本の法律上「Rマーク」(アルファベットの「R」を丸で囲んだシンボル)の使用に特別な規定は存在しません。つまり、「Rマーク」を使用すること自体が直接的な法的効果をもたらすわけではありません。
しかし、「Rマーク」の使用は、登録商標を不正に使用されたくないという意思表示として、実務上活用されています。「この商標は守られていますよ」というメッセージを伝えるためのものです。
それでも、「Rマーク」の使用に際しては注意が必要です。以下、特に留意すべき法的なポイントをいくつか挙げます。
1. 登録されていない商標に「Rマーク」を使用しないこと
日本の商標法第74条では、登録されていない商標に対して登録商標であるかのように表示することを禁止しています。つまり、実際には登録されていないにも関わらず「Rマーク」を使用することは法律違反となります。
2. 登録手続き完了前の表示禁止
商標が特許庁の審査を通過し、正式に登録されるまでは、「Rマーク」の表示は避けるべきです。手続き中や審査中の商標は登録された商標ではないですから、手続き中や審査中の商標に対して先走って「Rマーク」を付ける行為は、誤解を招く恐れがあります。
3. 「Rマーク」の表示は登録商標に限定される
商標権の保護は、登録された商標だけでなく、それに類似する商標にも及びます。一方で虚偽の表示を禁じる規定は、実際に登録されている商標にのみ適用されます。登録商標でないものや、類似する商標への「Rマーク」の使用は、適切ではありません。
以上のポイントを踏まえ、「Rマーク」の使用には、その商標が正式に登録されていることを確認し、適切なタイミングと方法で行うことが重要です。
商標登録と「Rマーク」の正しい理解と使用が、あなたのビジネスを法的に保護する上で大きな力となります。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
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