こちらと同じネーミングの名刺を他社に使ってもらいたくない
多くの企業が、同業他社による紛らわしい名刺の使用を阻止したいと考え、名刺自体の商標登録を希望されます。
しかし、商標法は通常商取引における商品に適用されるため、名刺を販売商品として登録することは一般的ではありません。
名刺は一般には販売される商品ではないため、その登録が他社に対して効果的な抑止力となるとは限りません。
重要なのは、名刺自体に焦点を当てるのではなく、名刺を介して宣伝される実際の商品やサービスに商標登録を行うことです。
名刺を配布する業者は、名刺の配布だけが事業内容ではなく、名刺の配布後に商品の販売やサービスの提供を行うことが一般的です。
これらの商品やサービスに対して商標権を確立することで、他社が同様の名刺を使用する意味を無くすことができます。
その結果、競合他社は類似した名刺を配る動機を失い、実際に販売を目的とした商品の市場での混同を防ぐことができます。
お金をかけて名刺やチラシ自体を保護するのではなく、名刺を通じて展開される核となる商品やサービスに焦点を当てた商標登録が推奨されます。
これにより、より効果的に競合他社の混同行為を防止し、自社のブランド価値を守ることが可能になります。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247