無料商標調査 定休日8/12-8/14

グッズ・雑貨を商標登録する方法


オリジナルのグッズや雑貨を作って販売するとき、商品名やブランド名を商標登録で守りたいと考える方は多いはずです。ところが、願書の書き方にはひとつ大きな落とし穴があります。指定商品の欄に「グッズ」「雑貨」と書くと、審査を通らないのです。

この記事では、なぜ「グッズ」「雑貨」という記載では登録を受けられないのか、出願してしまった後に挽回できるのか、出願前にどう準備すればよいのかを弁理士がご紹介します。

1. 「グッズ」「雑貨」のままでは指定商品にならない

商標登録の願書には、商標そのものに加えて、その商標をどの商品やサービスに使うのかを記載する欄があります。「指定商品(指定役務)」の欄です。ここには、具体的な商品名を記載します。

「美容グッズ」を例に考えてみます。ひとくちに美容グッズといっても、化粧品なのか、爪切りなのか、パフなのか、どの商品を指すのかが読み取れません。出願人としては美容に関連する商品をまとめて押さえたい意図なのでしょうが、周りの事業者から見ると、どの商品までが権利の範囲に入るのかを判断できない記載です。

商標権の範囲は、登録された商標と指定商品の組合せで決まります。指定商品の記載が曖昧なままでは権利の範囲も定まらないため、特許庁は「グッズ」「雑貨」のような総称による記載を認めていません。

2. 願書に「グッズ・雑貨」と書くと拒絶される

指定商品の欄に「グッズ」や「雑貨」と記入して出願すると、審査官から拒絶理由通知が届きます。根拠となるのは商標法第15条第3号です。

商標登録出願が「第6条第1項又は第2項に規定する要件を満たしていないとき」は、審査官は拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。

商標法第15条第3号(要旨)

では、商標法第6条には何が書かれているのでしょうか。願書への指定商品の記載方法を定めた条文です。

第1項「商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない。」

第2項「前項の指定は、政令で定める商品及び役務の区分に従つてしなければならない。」

商標法第6条第1項・第2項の条文

「グッズ」や「雑貨」は、たくさんの商品を含む総称です。総称を書いただけでは商品を指定したことにならず、政令で定める商品・役務の区分に従った記載とも認められません。つまり商標法第6条に違反する記載となり、この拒絶理由を解消できない限り、商標登録を受けられず商標権も発生しません。

3. 意見書や補正で後から直せない理由

拒絶理由通知を受け取った出願人には、意見書で反論する機会と、手続補正書で願書を直す機会が与えられます。それなら「グッズ」を具体的な商品名に書き直せばよい、と考えたくなるところです。ところが、この方法は使えません。

例えば、意見書で「願書の『グッズ』は『化粧品』や『せっけん類』を意味する」と主張し、記載を「化粧品、せっけん類」へ補正しようとしても、審査官は認めません。「グッズ」が化粧品を指すという根拠は、願書のどこにも書かれていないからです。このような補正は、願書に記載した指定商品の範囲を変える「要旨の変更」にあたります。

願書に記載した指定商品等についてした補正が「これらの要旨を変更するものであるとき」は、審査官は、決定をもってその補正を却下しなければならない。

商標法第16条の2第1項(要旨)

手続補正書を提出しても補正は却下され、拒絶理由が解消されないまま残ります。最終的には拒絶査定となり、出願は登録に至りません。

審査で認められる補正は、「グッズ」「雑貨」という記載を削除する方向のものだけです。削除すれば、その部分に載せたかった商品は指定商品から消えてしまいます。後から挽回する道は、実質的に閉ざされているといえます。

4. 指定商品の正しい書き方

指定商品は、政令で定められた45の区分のいずれかに属する、具体的な商品名で記載します。例えば、マグカップは第21類、Tシャツは第25類の「被服」、ステッカーや文房具は第16類、といった具合です。

どのような商品名なら審査で認められるのかは、特許庁の「類似商品・役務審査基準」や、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の商品・役務名検索で確認できます。過去の審査で採択されている表記に合わせて記載すれば、記載不備を理由とする拒絶を避けられます。

なお、指定する区分の数が増えると、特許庁へ納める印紙代も区分数に応じて増えます。範囲を広げるほど費用も上がる仕組みのため、守りたい商品の優先順位を付けて範囲を決めるのが現実的です。

5. 出願前に商品リストを固める

出願の準備は、実際に販売している商品と、今後数年のうちに販売を予定している商品を書き出すところから始めます。商標権の範囲は出願時に指定した商品で決まり、登録後に商品を追加したいときは新たな出願になるからです。

書き出した商品を区分と採択済みの商品名に置き換えていけば、願書に記載する指定商品の一覧が出来上がります。この置き換えの段階で判断に迷う商品が出てきたら、出願前に弁理士へ確認しておくと、拒絶理由への対応に時間と費用を取られる事態を避けやすくなります。

6. グッズ・雑貨の商標登録に関するよくある質問

Q1: 指定商品に「雑貨」とだけ書いて出願してしまいました。もう手遅れですか?

A1: 認められる補正は「雑貨」の削除に限られます。ほかに具体的な商品名を記載していれば、その部分について審査は続きます。「雑貨」しか記載していない場合は指定商品が残らないため、その出願での登録は望めず、新たな出願をやり直す判断になります。

Q2: 「美容グッズ」のように分野を付ければ認められますか?

A2: 分野を付けても、どの商品を指すのかを特定できない点は変わりません。「化粧品」「頭髪用化粧品」のように、審査で採択されている商品名で記載します。

Q3: 認められる商品名はどこで調べられますか?

A3: J-PlatPatの「商品・役務名検索」で、審査で採択されている表記を検索できます。特許庁が公表している類似商品・役務審査基準も参考になります。

Q4: 販売予定の商品が多いときは、全部書いたほうがよいですか?

A4: 区分数が増えるほど印紙代も増えます。売上の中心となる商品と、他社に使われると事業に響く商品を優先して範囲を決め、事業の拡大に合わせて追加の出願を検討する進め方が堅実です。

Q5: 拒絶理由通知が届いてから相談しても間に合いますか?

A5: 意見書・補正書の提出期間内であれば、対応できる場合はあります。ただし「グッズ」「雑貨」の記載そのものは削除以外の補正を認められないため、出願前に相談する場合と比べて選択肢は限られます。

願書の指定商品欄は、商標権の範囲そのものを決める記載です。「グッズ」「雑貨」といった総称ではなく、審査で採択されている具体的な商品名を最初から記載しておけば、審査は滞りなく進み、拒絶理由への対応に余計な時間と費用を取られずに済みます。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

商標のことでお困りですか?

商標登録の出願・調査・侵害対応について、
弁理士が無料でご相談に応じます。お気軽にお問い合わせください。

ファーイースト国際特許事務所|弁理士 平野泰弘

コメントする