商標を登録する前には、特許庁に既に似たような商標が登録されていないか確認することが非常に重要です。もし自分が考えた商標と似たものがすでに存在していれば、商標登録は拒否される可能性が高いです。
では、どのようにしてこの調査を行うのでしょうか。
まず、全く同じ商標がないかを確認することは比較的容易です。
しかし、似たような商標があるかどうかを判断するのは、少し複雑です。二つの商標がどれだけ似ているかを判断することは、実際のところ簡単ではありません。
さらに、図形を含む商標の場合、検索と調査はもっと難しくなります。文字だけの商標であれば、コンピュータを使用して比較的簡単に調査を行うことができますが、図形が含まれる場合は、一つ一つ目で見て比較し、判断する必要があります。
現在では人工知能による判定方法もありますが、これはあくまで参考データになります。対比する商標同士が審査に合格できるかどうか似ているかどうかの判断は微妙です。ちょうど、夕暮れ時は何時何分かは、統計的に一つの回答はあったとしても、人々が体感する時間帯にはばらつきがでるのと同様です。
実務では、特許庁内部で似ていると判断された商標の類否判断が、上級審で覆ることもあります。この場合は、特許庁内部でも、商標同士が似ているかどうかの判断が真っ二つに割れたことになります。
特許庁に願書を提出する前の、商標登録の検索と調査は非常に重要で、手間がかかりますが、このプロセスを怠ると後で大きな問題に直面する可能性があります。出願する前に十分に検討し、準備することが重要です。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
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