商品名、店舗名、キャラクター名などを思いついた際、これらを商標登録するべきかどうか迷われる方も多いでしょう。
確かに、商標を登録することは推奨されますし、登録しておくに越したことはありません。
しかし、「本当に登録する必要があるのか?」という疑問は誰もが思うところだと思います。
ポイントの一つは、たとえこちらがその商標を最初に使用したとしても、それだけでは商標権を得られないという事実です。
商標権を取得するためには、特許庁への申請が必要です。
日本の商標法では、単に商標を使用した者ではなく、最初に特許庁に登録を申請した者に権利が与えられる仕組みを採っています。
もし、後から権利を得ようとする場合は、既に商標権を持つ人に権利を譲渡してもらうか、登録を取り消す必要があります。
この過程で発生する費用は、初期の申請費用よりもはるかに高額になる可能性があります。
私の場合、弁理士として独立して20年ほどになりますが、独立当初、ある顧客との会話で彼らは「もっと早く平野先生に出会っていればよかった」と言われたことがあります。
その顧客は、自分の思いついたネーミングを自由に使用できると思い込んでいました。しかし、事業を始めた後で、別の商標権者から使用禁止を告げられ、看板や商品タグ、パンフレットなど、すべてを一から作り直す必要に迫られました。
大切にしてきた商品名も、登録していなければ、合法的に他人に取られてしまう恐れがあります。
このような事態を避けるためにも、商標登録の検討は一度は行うに越したことはありません。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247