「動き商標」ってなに?動きがあるロゴやキャラクターも商標登録できる時代

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索引

(1)そもそも「動き商標」ってどういうもの?

これまでの商標といえば、紙やスクリーンに「固定されたロゴ」や「静止したマーク」が一般的でした。でも今は、動きのある商標も登録できるんです。

それが「動き商標(アニメーション商標)」です。

たとえば

  • 文字がスッと現れて光る
  • 図形が回転しながら変化する
  • 鳥が画面上を羽ばたきながら移動する

こうした“時間の経過とともに変化する”動きや、“移動する”表現を取り入れたものが、動き商標の対象になります。

テレビCMやYouTube動画、アプリの起動画面など、デジタル時代ならではのブランディング手法が、今では商標として保護できるのです。

1-1. しかも、平面だけでなく立体でもOK!

たとえば、3Dのキャラクターがぐるっと回転したり、立体ロゴが動いたりする場合も「動き商標」として認められるケースがあります。

1-2. すでに使っている場合はどうなるの?

もし、制度が始まる前からその動きのあるロゴなどを継続して使っていた場合は、「継続的使用権」というルールが適用されることがあります。

つまり、登録していなくても、これまで通り使い続けることができるというわけです(※ただし、位置商標は除きます)。

✅ ここがポイント!

「動き商標」は、企業の個性や世界観を伝える“動くブランディング”。今やただのロゴでは差別化が難しい時代。動きで魅せる新しい商標戦略、はじめてみませんか?

(2)実はあなたも見たことがあるかも?「動き商標」の世界

「動き商標」とは、特定の商品やサービスを印象づける“動き”そのものを商標として登録できる仕組みです。言い換えれば、「動きにブランド力を与える」時代が到来しているのです。

2-1. 日本で登録された「動き商標」の代表例

たとえば、日本で有名なのが 菊正宗酒造のテレビCM映像 です。

紫色の風呂敷がふわりとはらりと解けていき、その中から一升瓶がゆっくりと姿を現す—

この印象的な動き、実は「動き商標」として登録されているのです。

CMで見覚えがある方も多いのではないでしょうか?ただの映像と思っていたものが、実は“法的に守られたブランド”だったというわけです。

2-2. 海外にも!インパクト絶大な「動き商標」

海外でもユニークな例がいくつもあります。

2-2-1. ■ ランボルギーニ(Lamborghini)

イタリアの高級車ブランド・ランボルギーニでは、車のドアが上向きに開く独特の動きが「動き商標」として登録されています。

あの近未来的でスタイリッシュな動きが、まさに“ブランド”として保護されているのです。

2-2-2. ■ 20th Century Fox

映画の始まりを告げるあの名シーン—

館内が暗くなり、サーチライトが夜空を照らしながら「20th CENTURY FOX」の文字が浮かび上がる映像。

あの一連の動きそのものが、アメリカで「動き商標」として認められています。

映画好きなら誰もが記憶に残る、あの演出。それが企業の知的財産として守られているのです。

2-3. 「動き」にも“商標”という武器がある

こうした例を見ると、「動き商標」は決して遠い存在ではなく、むしろ私たちの身近な映像や体験の中に潜んでいることがわかります。

企業が“印象に残る動き”をどうブランドに昇華させているのか—

その視点で映像を見直すと、あなたのビジネスにも新しい発想が生まれるかもしれません。

(3)どうやって出願するの?

〜「動き商標」を登録するためのステップ〜

「動き商標」を登録するには、通常の商標出願と比べて少しだけ工夫が必要です。以下の3つのポイントを押さえましょう。

① 商標の図や写真で「動き」を伝える

出願書類の【商標登録を受けようとする商標】の欄では、時間とともに商標がどう変化していくのかを、連続した画像(図や写真)で示す必要があります。パラパラ漫画のように、1コマずつ動きがわかる形で表現します。

② 「これは動き商標です」と明記する

その下の欄では、「この商標は動き商標です」とはっきり記載します。これを忘れると、通常の静止商標として扱われてしまう可能性があります。

③ 動きの詳細を丁寧に説明する

【商標の詳細な説明】欄では、画像の説明に加え、「どのように動くのか」「動きの順番」「変化にかかる時間」などを具体的かつ丁寧に書きます。

実際の登録例をご紹介!

〜日本弁理士会のマスコット「はっぴょん」〜

「動き商標」の成功例として、日本弁理士会のマスコットキャラクター「はっぴょん」(登録第5904184号)があります。

特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

これは、9枚の連続画像で構成された動き商標で、全体の動きは約4秒間。具体的な動きはこうです:

  • 1. 最初は腕を組んで目を閉じたはっぴょん[1]
  • 2. 次に片目をパッと開いて何かをひらめいた様子に[2]
  • 3. さらに笑顔になり、体を上下に揺らして喜ぶ様子が続きます[3〜6]

このとき、音符も登場し、楽しそうな雰囲気に!

このように、視覚的に動きが伝わる構成で、「はっぴょん」の個性と団体のブランドを同時にアピールしています。

SNSでも注目度バツグン!

「動き商標」は、視覚的なインパクトが強いため、SNSや動画コンテンツとの相性が抜群です。ロゴやキャラクターが“動く”だけで、ブランドの記憶に残りやすくなります。

(4)まとめ:動き出した“印象”を、あなたのブランドに。

「動き商標」と聞くと、少しハードルが高く感じるかもしれません。実際、通常の商標出願と比べて、提出書類や審査の内容がやや複雑になることもあります。

ですが、その分、ブランドの個性や世界観をより深く表現できるのが「動き商標」の魅力。見る人の記憶に残りやすく、ブランドへの愛着もぐっと高まります。

ちょっと難しそう…と思っていた方も、このチャンスにぜひ挑戦してみませんか?

他にはない“動き”が、あなたのブランドをもっと特別な存在にしてくれるはずです。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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