音の商標も日本で登録できます

無料商標調査 次回定休日3/21

かつて日本では、商標登録の対象は視覚で確認できるものに限られていました。例えば、文字、図形、記号、さらには三次元の立体的な形状などが商標として認められていました。

音は目で見ることができないため、従来の商標制度では登録の対象外とされていました。しかし、「音も商標として保護すべきではないか」という議論が高まり、経済産業省の産業構造審議会・商標制度小委員会で検討が進められ、国会の審議を経て法改正が行われました。

この改正により、音の商標登録が可能となり、これまで保護されなかった企業の識別音なども商標権によって保護できるようになりました。

音の商標が導入された背景

音の商標保護制度が導入された背景には、国際的な動向が大きく影響しています。世界各国では、視覚的に認識できる商標だけでなく、聴覚に訴える商標(音の商標)を保護する流れが強まっていました。

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)などの多国間協定において、日本だけが音の商標を保護していない状況では、他国に比べて商標保護の制度が遅れを取ることになります。そのため、日本国内の商標制度も国際基準に合わせる必要があったのです。

音の商標の具体例

実際に登録されている音の商標には、以下のようなものがあります。

  • サロンパス:「ヒ・サ・ミ・ツ」の独特なリズムの音
  • ヨドバシカメラ:「みんなのヨドバシ・カ・メ・ラ」の替え歌

これらの音は、消費者に強く印象付けられ、ブランドの識別要素として機能しています。

音楽と商標の関係

なお、音楽そのものはすでに著作権によって保護されています。したがって、作曲した音楽を商標登録しなくても、著作権法による法的な保護を受けることが可能です。商標として登録されるのは、特定の企業やブランドと結びついた識別可能な音のフレーズに限られます。

まとめ

音の商標は、視覚に頼らないブランドの識別手段として有効です。法改正により、日本でも音の商標が登録できるようになり、企業が独自の音をブランド戦略の一環として活用できるようになりました。国際的な商標制度と足並みを揃えつつ、企業のブランド価値を守るための重要な制度といえるでしょう。

音の商標に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 音の商標とは何ですか?

A. 音の商標とは、特定の商品やサービスを識別するために使用される音のことです。従来、商標登録の対象は目に見えるもの(文字や図形など)に限られていましたが、法改正により、音も商標として登録できるようになりました。

Q2. どのような音が商標登録できますか?

A. 商標として登録するためには、その音が特定の企業やブランドと結びついており、消費者にとって識別性があることが求められます。例えば、企業のコマーシャルで繰り返し使用されているジングルや、特定の商品・サービスの識別に使われる短いメロディなどが該当します。ただし、一般的な音楽や自然音、単なる効果音は登録が難しい場合があります。

Q3. 音の商標を登録するにはどのような手続きが必要ですか?

A. 一般的な商標登録と同様に、特許庁に商標出願を行う必要があります。具体的には、①商標の音源データ(MP3など)を提出する、②その音の特徴を文字で説明する、③使用する商品やサービスの区分を指定する、という手続きが必要です。その後、特許庁の審査を経て登録が認められると商標権が発生します。

Q4. 音の商標と著作権はどう違うのですか?

A. 音楽やメロディは、通常、著作権によって保護されます。しかし、著作権は作曲者の創作物としての権利を守るものであり、企業がブランド識別のために使う音には適用されません。

一方、音の商標は、特定の企業やブランドを識別するための音に対して付与される権利であり、商標登録を行うことで、他社が同じ音を類似の用途で使用することを防ぐことができます。

Q5. すでに使われている有名なメロディや効果音を商標登録できますか?

A. 既存の音楽や効果音をそのまま商標登録するのは難しいです。なぜなら、著作権がある場合は著作権者の許可が必要であり、また、一般的に広く認識されている音は識別性が低いと判断されることがあるためです。

ただし、自社のブランディングに特化した音や、新たに作成したオリジナルのサウンドであれば、登録できる可能性があります。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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