(1)ネーミングのコツ
(1−1)一般的名称からかけ離れていることが前提です
ネーミングで最も重要なのは、一般的名称から離れることです。商品やサービスを説明するような名前では、他の商品やサービスと区別がつきにくくなります。
例えば、シャンプーの名前を「シャンプー」とするのでは他のシャンプーと区別がつきません。また、シャンプーの効能を説明するだけの名前も同様です。さらに、一般的名称では特許庁の審査に合格せず、登録商標にもなりません。
(1−2)多角的な視点から考えてみましょう
(視点1)お客さんの立場から
お客さんにとって簡単で覚えやすい名前が良いです。簡単で覚えやすい名前は人に伝えやすく、口コミで広がりやすいでしょう。
(視点2)イメージやコンセプトから
商品やサービスのイメージやコンセプトを元にネーミングを考えましょう。ネーミングからイメージがわくような名前はお客さんにも覚えやすいですが、一般的名称にならないように注意が必要です。
(視点3)ターゲットとなる客層から
ターゲットとする客層の年齢や性別、ネーミングの見た目や語感の良さなどの視点から考えましょう。
(視点4)他社の商標との比較
商標は他社の商品やサービスと区別が付くほど良いため、他社のネーミングと比較することも大切です。
(視点5)経営者の立場から
現在の事業や将来の展望を考えてネーミングがミスマッチにならないようにしましょう。また、商品やサービスを作った経緯を振り返り、ネーミングを考えることもおすすめです。ストーリーがあると覚えやすくなります。
(2)ネーミングの造語テクニック
ネーミングにはいくつかのテクニックがあります。
(2−1)プラス造語法(A+B→AB)
2つの言葉を組み合わせてネーミングする方法です。例:マイ(私の)+ペット(お気に入り)→「マイペット」(家庭用洗剤)
注意点:区切ってしまうと個別の名前と判断される可能性があります。また、一般的名称を含むと登録が難しくなります。
(2−2)減量造語法(A+B→AB)
文字数が多かったり語感が良くなかったりする場合に使う手法です。例:ゴリラ+クジラ→ゴジラ
注意点:既存の言葉になる可能性があります。
(2−3)変形造語法(A→A)
発音しにくかったり文字数が多かったりするキーワードを都合よく変える手法です。例:adherence→アデランス/ADERANS
(2−4)頭文字造語法(アクロニム造語)
各単語の頭文字を組み合わせる手法です。例:Anima Sana In Corpore Sano→asics/アシックス
(2−5)並び替え造語法(アナグラム造語)
単語の文字を並び替える手法です。例:DENIM→EDWIN
(2−6)語呂合わせ造語法
ダジャレのような造語法です。例:パスカル→パッ助かる(掃除機)
(2−7)語尾変化造語法(単語+接尾語)
キーワードに接尾語を付けて語感を整える手法です。例:win+dom→Windom/ウインダム
(2−8)和洋折衷造語法
日本語をアルファベット化する手法です。例:スーモ→SUUMO
(3)まとめ
企業の商品やサービスのネーミングは非常に重要です。コツやテクニックを活用して、効果的なネーミングを考え、商標登録を通じて企業のブランド力を高めましょう。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247