つけ麺やラーメンの商標登録には、意外と見落としがちなポイントがあります。これを知らないと、後から思わぬトラブルに巻き込まれる可能性も。ここでは、商標法の基本ルールと注意点を分かりやすく解説します。
つけ麺とラーメン、メニューは別でも商標は類似？
つけ麺とラーメンは、メニューとしては別物に見えますが、商標法上では「類似」するものとして扱われます。
そのため、たとえば「つけ麺の提供サービス」で商標登録がされている場合、他人が同じ商標を使って「ラーメンの提供サービス」を商標登録することはできません。
サービスと商品で商標分類が異なる
商標法では、つけ麺やラーメンを店内で提供するサービスは「飲食物の提供サービス」として第43類に分類されます。一方、つけ麺の麺そのものを商品として販売する場合は、第30類（テイクアウト商品）に分類されます。
ここがポイント
店舗での飲食サービスだけを商標登録していると、テイクアウト商品としての調理済み商品に対する商標権が守られないことがあります。
その結果、他人がその麺の商標を取得してしまうリスクが生じるのです。
実例：大勝軒の場合
有名店「大勝軒」は、つけ麺の提供サービスを「大勝軒」の名で商標登録しています。また、持ち帰り用の麺についても適切に商標保護を行っています。
このように、飲食サービスと商品販売の両方を網羅する登録をしておくことが重要です。
これから商標登録を考える人へのアドバイス
新たにつけ麺やラーメンの店舗を立ち上げる場合、以下の点に注意しましょう：
- 1. 飲食サービス（第43類：イートイン）と商品販売（第30類：テイクアウト）の両方で商標登録を行う
- 2. 商標登録する際、メニューや商品ごとに類似範囲をしっかり確認する
- 3. 将来的なトラブルを防ぐため、専門家に相談する
商標登録は一見複雑に思えますが、しっかりとした準備でブランドを守ることができます。
特に飲食業界では、商標がビジネスの命綱になることも。ぜひこの記事を参考に、適切な商標戦略を再検討してみましょう。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
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