商標を出願する際、どのような商標を選ぶべきかは頭を悩ませる問題です。
多くの人が最初に思いつくのは、商品の品質や効能を表すような商標ですが、これらは商標登録が認められにくい傾向にあります。
例えば、「ウルトラマイルド」や「すごくマイルド」といった石鹸の商標を出願しても、これらは石鹸の一般的な品質を示すに過ぎず、特定の個人や企業に独占権を与えるほどの特徴はありません。
では、「ウルトラマイルド」という言葉を石鹸の商標として登録するためにはどうすれば良いでしょうか。一つの方法は、この言葉を図形や記号と組み合わせて、もはや一般的な表現ではなくなるような独自の商標を作ることです。
ただし、この場合でも「ウルトラマイルド」という言葉自体は自由に使用可能であり、他者がこの言葉を使用しても止めることは原則できません。
私は、商標として品質表示を選ぶことには問題があると考えています。これらの言葉を商標として選んでも、商標権を得ることは難しく、競合他社が同じ商標を使用するようになれば、こちらの商品はライバルの製品に埋もれてしまう恐れがあります。
だからこそ、お客様が他社の製品と区別しやすいような、目を引く商標を最初から選ぶべきです。例えば、缶コーヒーでは「缶コーヒー」という表現を使用することはありません。代わりに「ワンダ」や「ジョージア」のような、コーヒーと直接関係のない独特な名前が使われます。
車の例でも、単に「乗用車」という表現ではなく、「クラウン」や「カローラ」といった固有の名前を用います。
商標を選ぶ際には、ライバルの商品やサービスに埋もれず、独自性を持つものを選ぶことが重要です。それが、成功する商標戦略の鍵となります。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247