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商標登録の更新とは?更新手続きの方法と費用が分かる!


1. はじめに

商標登録は、登録できたら終わりではありません。会社名、商品名、サービス名、ロゴなどを守る商標権は、一定期間ごとに更新手続きをすることで維持していきます。逆に、更新を忘れると、せっかく取得した商標権が消滅してしまうこともあります。

この記事では、「商標登録の更新はいつ必要なのか」「費用はいくらか」「自分でできるのか」「期限を過ぎたらどうなるのか」という疑問を、初めての方にもわかるように解説します。

2. 商標登録の更新とは

日本の商標権は、設定登録日から10年で存続期間が満了します。ただし、商標権は更新が可能で、更新手続を行うことでさらに権利を維持できます。INPITも、商標権は設定登録日から10年で終了するものの存続期間の更新が可能であり、更新には「商標権存続期間更新登録申請書」と更新登録料の納付が必要だと説明しています。

ここで大切なのは、商標が「使い続けるブランド」を守る権利だという点です。特許のように原則として一定年数で終わるものとは異なり、商標は更新を続けることで長く守れます。老舗ブランド、ロングセラー商品、会社名、店舗名、ECサイト名などは、更新管理がそのままブランド管理になります。

3. 更新できる期間はいつからいつまで?

更新登録申請ができる期間。更新開始日(満了日の6か月前)から更新最終日(満了日)までの6か月間に手続きできる。

商標登録の更新申請ができる期間は、原則として存続期間満了日の6か月前から満了日までです。INPITは、更新手続期間を「満了前6月から満了の日まで」と説明し、期間内に更新できなかった場合でも、満了後6か月以内に限り、更新登録料に加えて同額の割増登録料を納付すれば更新申請ができるとしています。

たとえば、登録日が4月10日の商標であれば、10年後の4月10日が満了日です。この場合、更新手続期間はその前年の10月11日から満了日の4月10日までになります。INPITも同様の例を示しています。

注意したいのは、「6か月前ぴったりの日」だと考えて早く出しすぎることです。特許庁の案内では、満了日が12月26日の場合、更新申請期間は6月27日から12月26日であり、6月26日に申請すると期間外になる例が示されています。

4. 特許庁から更新のお知らせは来る?

原則として、特許庁から「そろそろ商標の更新期限です」という満了通知は届きません。INPITは、存続の要否は権利者にゆだねられるため、特許庁から存続期間満了日の通知などは行わないと説明しています。

そのため、自社で期限を管理しておかなければなりません。満了日は、J-PlatPatで出願番号または登録番号を検索し、「経過情報」から確認できます。INPITも、J-PlatPatで存続期間満了日を確認できると案内しています。

また、特許庁には「特許(登録)料支払期限通知サービス」があります。登録した商標登録番号などについて、次期納付期限日をメールで知らせるもので、対象には次期の商標権存続期間更新登録料も含まれます。ただし、これはあくまで注意喚起であり、権利を維持するには別途、期限内に納付手続を済ませておかなければなりません。

5. 商標登録の更新費用

2026年6月時点の特許庁料金では、商標の更新登録申請は区分数×43,600円です。5年ごとに分けて納付する場合は、前期・後期それぞれ区分数×22,800円です。

区分数10年一括更新5年分納1回分5年分納を2回払った合計
1区分43,600円22,800円45,600円
2区分87,200円45,600円91,200円
3区分130,800円68,400円136,800円

10年一括のほうが、長期的には割安になります。1区分なら、10年一括は43,600円、5年分納を2回行うと45,600円で、差額は2,000円です。区分数が増えるほど差額も大きくなります。

一方で、5年分納にも意味があります。今後そのブランドを長く使うかまだ分からない場合、商品ラインを見直す予定がある場合、短期的な資金負担を抑えたい場合には、5年分納を選ぶ判断もあり得ます。

6. 更新前に必ず確認したい3つのこと

商標更新は、単に料金を払うだけの作業ではありません。10年に一度の、ブランドの棚卸しの機会でもあります。

まず確認したいのは、その商標を今後も使うかどうかです。使っていないブランド、終了したサービス、統合した商品名まで無条件に更新すると、不要な維持費が発生します。

あわせて確認したいのが、区分数と指定商品・指定役務です。更新費用は区分数で決まり、1区分なら43,600円、3区分なら130,800円です。不要な区分がある場合は、更新時に更新を求める区分だけを記載して区分を減らせます。特許庁の記載方法でも、一出願多区分の商標権について区分数を減じて更新申請する場合は、商標登録番号の次に「商品及び役務の区分」欄を設けると説明されています。

そして見落としがちなのが、権利者の住所・名称が現在の情報と一致しているかどうかです。住所が変わっている場合、INPITは、更新登録申請と同時に「登録名義人の表示変更登録申請書」の提出が必要だと説明しています。識別番号が付与されている場合には、住所変更届も必要になることがあります。

7. 自分で商標更新する手続きの流れ

自分で更新する場合の流れは、次のように考えると分かりやすくなります。

ひとつ目は、商標登録番号を確認することです。登録証、社内の知財管理表、J-PlatPatなどで確認します。

ふたつ目は、存続期間満了日と更新可能期間を確認することです。満了日の6か月前から満了日までが通常の更新期間です。

みっつ目は、区分数と更新する範囲を確認することです。現在も必要な区分だけを更新するのか、すべて更新するのかを決めます。

よっつ目は、10年一括か5年分納かを決めることです。長期利用が明確なら10年一括、将来の見通しが不透明なら5年分納も選択肢になります。

いつつ目は、「商標権存続期間更新登録申請書」を作成し、更新登録料を納付することです。特許庁は、更新・一括納付、更新・分割納付前期、分割納付後期の記載例や様式を案内しています。

紙で手続する場合は、特許印紙を使います。ここで間違えやすいのが、収入印紙ではなく特許印紙である点です。特許庁の記載方法にも、特許印紙には割印をしないこと、収入印紙ではないことが明記されています。

また、紙で商標権存続期間更新登録申請書を提出する場合は、更新登録料とは別に、書面を電子化するための費用がかかります。電子化手数料は、手続1件につき2,400円に、書面1枚につき800円を加えた額です。

8. 更新期限を過ぎたらどうなる?

満了日を過ぎても、すぐにすべてが終わるわけではありません。満了日後6か月以内であれば、通常の更新登録料に加えて同額の割増登録料を納付することで更新申請ができます。つまり、実質的に通常の2倍の費用が必要になります。INPITは、満了後6か月以内に限り更新登録できるが、納付すべき更新登録料の倍額を納付しなければならないと説明しています。

たとえば、1区分を10年一括で更新する通常費用は43,600円です。満了後6か月以内に追納する場合は、これに同額の割増登録料が加わるため、合計87,200円になります。

さらにその6か月も過ぎると、原則として商標権は存続期間満了時にさかのぼって消滅したものとみなされます。ただし、一定の要件を満たす場合には、商標法21条に基づき回復が認められることがあります。INPITも、権利が消滅した場合でも一定の要件を満たせば回復が認められる場合があると説明しています。

2023年4月1日以降に期間を徒過した手続については、特許庁が「故意によるものでないこと」による救済を案内しています。商標権の更新登録申請も対象手続に含まれ、救済手続期間は、手続ができるようになった日から2か月以内、かつ商標については手続期間の経過後6か月以内です。商標の回復手数料は86,400円です。

ただし、救済は自動ではありません。「忘れていたから必ず戻せる」と考えるのは危険です。気づいた時点で、すぐに専門家へ相談するのが安全です。

9. 専門家に依頼した方がよいケース

単純な1区分の更新で、権利者情報に変更がなく、期限にも余裕がある場合は、自分で手続できることもあります。

一方で、次のような場合は弁理士などの専門家に相談したほうがよいでしょう。

  • 期限が近い、またはすでに過ぎている
  • 複数区分のうち一部だけ更新したい
  • 住所、社名、代表者、権利者名義に変更がある
  • 共同権利者がいる
  • 商標を使っていない期間があり、今後の維持を判断しかねている
  • ロゴや商品名を変更しており、新規出願も検討すべき
  • 海外の商標やマドプロ案件も関係している
  • 第三者とのトラブルや警告がある

特に、住所変更や名義変更を放置しているケース、複数区分の整理が必要なケース、期限後の追納・救済が絡むケースは、単なる更新料の支払いでは済まないことがあります。

10. 商標更新でよくある質問

Q1. 商標登録は何年ごとに更新しますか?

原則として10年ごとです。5年分納を選んでいる場合は、後期分の納付管理も必要になります。

Q2. 更新時に商標名やロゴを変えられますか?

基本的に、登録済みの商標そのものを別の商標に変えることはできません。新しいロゴや名称を使うなら、新規出願を検討します。

Q3. 更新時に区分を増やせますか?

更新は既存の権利を維持する手続です。新しい商品やサービスを追加して守りたい場合は、別途出願を検討します。

Q4. 使っていない商標も更新すべきですか?

事業上の防衛目的がある場合は、更新する価値があります。ただし、不要な商標を更新し続けると費用がかさむため、今後の使用予定、ブランド価値、第三者に取られた場合のリスクを見て判断します。

Q5. 更新を忘れないためにはどうすればよいですか?

J-PlatPatで満了日を確認し、社内カレンダー、知財管理表、会計年度ごとの確認フロー、特許庁の期限通知サービスを併用するのがおすすめです。特許庁の通知サービスでは、商標の場合、納付期限日まで6か月を切った時点で通知メールが送られます。

11. まとめ:商標更新は「期限管理」と「ブランド判断」が大切

商標登録の更新で最も大切なのは、期限を落とさないことです。通常の更新期間は、存続期間満了日の6か月前から満了日まで。満了後6か月以内なら追納できますが、費用は倍額になります。それを過ぎると、救済の余地はあるものの手続は難しくなり、必ず回復できるとは限りません。

費用は、2026年6月時点で10年一括なら区分数×43,600円、5年分納なら区分数×22,800円です。古い記事では過去の料金が載っていることもあるため、必ず最新の特許庁料金を確認しましょう。

商標は、会社や商品、サービスの信用を積み上げる器です。10年に一度の更新は、ただの事務手続ではなく、「このブランドをこれからも守るか」を見直す大切なタイミングでもあります。登録番号、満了日、区分数、権利者情報を確認し、必要な商標を確実に更新していきましょう。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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