1、お花見のはじまり
さくらといえば、お花見ですよね。
そのお花見は今から、1,000〜2,000年前の農民からはじまったと言われています。でも、この頃のお花見は豊作を願う祈りのようなものであり、今とはスタイルが違ったようです。
豊作の祈りではなく、きれいなさくらを楽しむようになったのは、平安時代のことです。この頃は貴族の間で楽しまれていましたが、鎌倉時代に入ると貴族以外にも広がりました。
現在ような、さくらの下でお弁当を食べたりとみんなでわいわいするお花見のスタイルになったのは江戸時代になってからです。まだ日が浅いのですね。
また、昔は梅でお花見をしていたとの説もあります。梅もさくらと同じく、春の訪れとともに咲くきれいなお花ですもんね。
近年は、お花見の文化が外国人にも広がっています。日本政府観光局によると2017年の3,4月に日本に来た外国人観光客は、478万人になるということです。
これは5年前の2.5倍以上増えているということですよ。
〈参照〉
関西電力
http://www.kepco.co.jp/ brand/for_kids/teach/2016_04/index.html
NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/ news/html/20180327/k10011380021000.html
2、さくらの種類
日本で咲いているさくらの80パーセントがソメイヨシノですが、桜にはいくつかの種類があります。
- ヤマザクラ(山桜)
- オオシマザクラ(大島桜)
- エドヒガン(江⼾彼岸)
- シダレザクラ(枝垂桜)
など挙げればきりがありません。
380種もの種類があるようですよ。
日本花の会「桜図鑑」では、花の咲き方でもさくらの種類を調べることができるので、自分好みのさくらを見つけてみるのもいいですね。
公益財団法人 日本花の会「桜図鑑」
http://www.hananokai.or.jp/sakura-zukan/
さくらと言えばこの種類!の「ソメイヨシノ(染井吉野)」は登録されています。
特許庁の商標公報より引用
- 商標登録第4604158号
- 権利者:鳥越製粉株式会社
- 出願日:2001年12月26日
- 登録日:2002年9月13日
- 指定商品:
第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」等
他の会社や個人が他の区分でも登録しています。
ここでご紹介した以外の「ソメイヨシノ」の登録商標をご覧になりたい方は、特許情報プラットフォームで調べてみてください。
特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ web/all/top/BTmTopPage
3、「さくら」の登録商標例のご紹介
それでは、「さくら」の登録商標をいくつかご紹介いたします!
(1)さくら
特許庁の商標公報より引用
- 商標登録第4277046号
- 権利者:日本製粉株式会社
- 出願日:1998年2月6日
- 登録日:1999年5月28日
- 指定商品:
第30類「米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,即席菓子のもと」
(2)サクラ
特許庁の商標公報より引用
- 商標登録第138366号
- 権利者:サクラグローバルホールディング株式会社
- 出願日:1921年8月13
- 登録日:1921年11月30日
指定商品:
第 5類「医療用腕輪」
第 8類「ピンセット」
第 9類「試験管,望遠鏡,顕微鏡,タイムスタンプ,タイムレコーダー,測定機械器具」
第10類「医療用機械器具(蹄鉄機械器具・妊娠帯を除く。),外科用器械,歯科用具,スポイト,氷のうつり,綿棒」
第12類「車いす」
(3)櫻
特許庁の商標公報より引用
- 商標登録第129467号
- 権利者:サクラグローバルホールディング株式会社
- 出願日:1921年2月22日
- 登録日:1921年5月24日
- 指定商品:
第 5類「医療用腕輪」
第 8類「ピンセット」
第 9類「試験管,望遠鏡,顕微鏡,タイムスタンプ,タイムレコーダー,測定機械器具(天文用のものを除く。),度量衡器」
第10類「医療用機械器具(蹄鉄機械器具・妊娠帯を除く。),外科用器械,歯科用具,スポイト,氷のうつり,綿棒」
第12類「車いす」
(2)の「サクラ」と同一の商品で、称呼も同一の商標は登録はできるの?と疑問に思った方がいらっしゃるかもしれません。
(2)(3)とも権利者がサクラグローバルホールディング株式会社で同一のため、登録することができています。
商品や役務が同一または類似で、称呼・外観・観念が同一または類似であっても、同一の権利者なら、商標登録することができますよ。
(4)SAKURA
特許庁の商標公報より引用
- 商標登録第464603号
- 権利者:株式会社サクラクレパス
- 出願日:1951年3月5日
- 登録日:1955年4月19日
- 指定商品:
第 2類「絵の具(絵の具溶き油を除く。),顔料,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の金粉・銀粉」
第 3類「化粧用顔料」
第14類「金粉,銀粉」
(5)マーク(さくら)
特許庁の商標公報より引用
- 商標登録第850928号
- 権利者:株式会社さくらカラメル
- 出願日:1967年10月25日
- 登録日:1970年3月30日
- 指定商品:
第29類「食肉,魚介類の刺身,その他の食用魚介類(生きているものを除く。),焼鳥,その他の肉製品」等
第30類「コーヒー豆,そばつゆ付きそばのめん,うどんつゆ付きうどんのめん,その他の穀物の加工品」等
第31類「コプラ,麦芽,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,果実,野菜,糖料作物」
第32類「飲料用野菜ジュース」
「さくら」はアルファベットやマークなど様々な形で商標登録されていました。
ここでご紹介した以外の「さくら」の登録商標をご覧になりたい方は、特許情報プラットフォームで調べてみてください。
特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ web/all/top/BTmTopPage
4、まとめ
「さくら」の登録商標が多くあって驚かれてのではないでしょうか。
日本人に好かれている花だからこそ、商標にも使用したいと、多くの人が考えたのかもしれませんね。
上記に挙げたような「さくら」等に同一または類似する商品またはサービスの範囲では、「さくら」は登録することができませんが、特徴的な名称やマークを付することにより登録の可能性が向上する場合がありますよ。
チャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247