商標登録では、商標を使用する商品やサービスを指定して出願します。スポーツ関連の事業を展開する際は、扱う商品やサービスに応じて適切な区分を選択することが重要です。
1. 商標区分の調べ方
商品やサービスがどの区分に該当するかは、特許庁の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で調査できます。実際に「ランニングシューズ」を例に、調べ方を説明します。
特許情報プラットフォームでの検索手順
特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)にアクセスし、「商標」セクションから「商品・役務名検索」を選択します。


検索フィールドに調べたい商品名を入力して検索を実行します。

今回「ランニングシューズ」で検索したところ、3件の結果が表示されました。一覧表示から詳細を確認すると、ランニングシューズは第25類、類似群コード22A01に分類されることが分かります。スパイク付きシューズの場合は、類似群コードが異なる点にも注意が必要です。
2. スポーツ関連商標の主な区分
スポーツビジネスには様々な商品やサービスが関わります。
ランニングを例にとると、シューズやウェア、タオルなどの商品から、運動施設の提供やトレーニング指導といったサービスまで多岐にわたります。実際の登録事例から、どのような区分が指定されているか見ていきます。
スポーツ用品メーカーの登録区分
スポーツ用品メーカーは幅広い商品を扱うため、複数の区分を指定しています。

ナイキの登録例(商標登録第4705527号)を見ると、運動用シャツやランニングシューズは第25類、かばんは第18類、運動用具は第28類といった形で、商品カテゴリーごとに適切な区分が選択されています。
スポーツジムの登録区分
スポーツジムは主に第41類で登録されています。この区分には「スポーツの教授」や「運動施設の提供」が含まれるためです。
ザバススポーツクラブ(商標登録第3339422号)はプール、ジム、各種スクールを運営しており、第41類で登録されています。
女性専用30分フィットネスを展開するカーブス(商標登録第4975079号)も同様に第41類を指定しています。
スポーツ教室の登録区分
スポーツの技術指導を行う教室も、「スポーツの教授」を含む第41類での登録が一般的です。商標登録第5474915号や第3053758号といった事例からも、スポーツ教室関連の商標が第41類で保護されていることが確認できます。
スポーツ大会の登録区分
スポーツ大会に関する商標は、複数の区分にまたがって登録される傾向があります。第28類の運動用具、第41類のスポーツの教授に加えて、大会で販売・配布される第25類のTシャツや第24類のタオルといった商品区分も含まれます。
商標登録第4952187号や第5903377号の事例では、大会運営に関わる幅広い商品・サービスをカバーするため、複数区分での登録が行われています。
3. まとめ
スポーツ関連の商標登録では、事業内容に応じて適切な区分を選択することが必要です。単一の区分だけでなく、複数の区分にわたる登録が必要となる場合が多くあります。
商品やサービスが該当する区分が不明な場合は、専門家に相談することをお勧めします。適切な区分選択により、ビジネスに必要な商標権を確実に保護できます。
ファーイースト国際特許事務所所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247