1、「シルバーウィーク」って何ですか
2018年は残念ながら3連休が2回あるだけで大型連休の「シルバーウィーク」ではありません。
そもそも、この大型連休はどのようにしてできたのでしょうか。また、どのようなときに大型連休「シルバーウィーク」となるのでしょうか。
「シルバーウィーク」ができたきっかけは「ハッピーマンデー制度」の導入によります。
「ハッピーマンデー制度」とは、国民の祝日の一部を、従来の固定日から特定週の月曜日に移動させる制度のことです。
これにより、2003年から敬老の日(9月15日)が第三月曜日へ移動となり、3連休ができました。
国民の祝辞に関する法律に次のようなものがあります。
第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
国民の祝日に関する法律
これは、国民の祝日に挟まれた、国民の祝日でない日は、休日とするという内容です。
そのため、国民の祝日である「敬老の日」「秋分の日」が2日違いになったときは、最大5連休になります。
これが「シルバーウィーク」です。
次の「シルバーウィーク」は2026年になる見込みです。待ち遠しいですね。
〈参照〉
日本文化研究ブログ
2、「シルバーウィーク」は登録商標です!
連休の呼び名である「シルバーウィーク」ですが、商標登録されています。
どのような会社が、どのような指定商品及び役務で登録しているか見ていきましょう。
「シルバーウィーク」
- 商標登録第5806712号
- 権利者:宝ホールディングス株式会社
- 出願日:2015年7月14日
- 登録日:2015年11月13日
- 指定商品及び役務:
第33類「日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」
宝ホールディングス株式会社は傘下に宝酒造などを擁する持株会社です。
指定商品が酒類なので、「シルバーウィーク」と名のつくお酒があるのでしょうか。
インターネットで探してみましたが、見つかりませんでした。ぜひ飲んでみたいですね。
「シルバーウィーク」ともうひとつ名前のついている連休といえば「ゴールデンウィーク」ですよね。
「ゴールデンウィーク」も商標登録されていますよ。2件ありました。
「ゴールデンウィーク」
- 商標登録第5713010号
- 権利者:宝ホールディングス株式会社
- 出願日:2014年6月16日
- 登録日:2014年10月24日
- 指定商品及び役務:
第33類「日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」
この登録商標もまた「シルバーウィーク」と同様の権利者の「宝ホールディングス株式会社」ですね。
同じく、標準文字でもう1件登録されています。
「ゴールデンウィーク」
- 商標登録第4824147号
- 権利者:損害保険ジャパン日本興亜株式会社
- 出願日:2004年4月1日
- 登録日:2004年12月10日
- 指定商品及び役務:
第36類「生命保険の引受け,生命保険契約の締結の媒介,生命保険に関する情報の提供,生命保険についての相談及び助言,医療保険の引受け,医療保険に関する情報の提供,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡」等
あれ、同一の称呼・外観・観念のものは商標登録できないのでは??と思った方もいらっしゃるかもしれません。
商標登録は指定商品及び役務が同一または類似でかつ、商標が同一または類似のものが登録できません。
そのため、「損害保険ジャパン日本興亜株式会社」が「生命保険の引受け」等の指定役務の範囲で登録を受けたあとでも、「宝ホールディングス株式会社」が「日本酒」等の指定商品の範囲で商標「ゴールデンウィーク」の登録を受けることができるのです。
指定商品及び役務が同一または類似かどうかは、各商品及び役務につけられたコード(例えば 洋酒:28A02)が同じかどうかで判断されます。
そのため、区分(例えば 第33類)が異なってても同一または類似の商品及び役務だと判断されることがあります。
例えば、第29類「加工野菜及び加工果実」(32F04)と第30類「チョコレートスプレッド」(32F04)は区分は異なりますが、コードが(32F04)と同じなので類似します。
他類間類似商品・役務一覧表
〈参照〉
他類間類似商品・役務一覧表
https://www.jpo.go.jp /shiryou/kijun/kijun2/pdf/ruiji_kijun9/dai9han_tarui.pdf
3、まとめ
大型連休の呼び名である「シルバーウィーク」も「ゴールデンウィーク」も登録商標でした。
日常でよく使用している言葉も商標登録させていることが、ありますよ。休みの間にぜひ調べてみてください。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247