商標を特許庁に登録し、審査を無事に通過して商標権が得られても、そこは終着点ではないです。逆に商標権が得られた段階はブランド管理の始まりに過ぎないと言えます。
商標権者に法律が独占的な権利を付与するのは、登録された商標が保護すべき価値を有していることを前提にしているからです。
その信用は、商標が適切に使用されることで保持・向上されます。
一方、使用されない登録商標は、時間と共にその信用を失います。
したがって、使用されない商標を法的に保護する必要はないとも言えます。
事実、商標法の第50条では、不使用の登録商標についての取消審判が規定されています。
日本では、登録商標が3年以上使用されていない場合、その商標の取消審判を特許庁に申請できます。
商標権者が商標の使用を証明できない場合、その登録商標は取り消されます。
法律は権利を放置する者を保護しません。
したがって、商標の保持と向上は、事実上、商標権者の義務となります。
商標登録は、ゴールではなくスタートラインです。
ブランドを形成する道のりは、まだ遠いのです。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247