登録商標の類否判断とは?その重要性と判断の進め方

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1. はじめに

1-1. 登録商標と類否判断の関係

特許庁に商標登録出願の権利申請をして、審査に合格して、登録手続を済ませると商標権が発生します。

特許庁に登録されている登録商標と同一の商標だけが商標権の権利範囲に入るなら、ライバルは登録商標を少し改変するだけで商標権の権利範囲をすり抜けることができます。

これでは商標を有効に守ることができないので、商標権の権利範囲には、登録商標と同じ商標だけでなく、登録商標に似ている商標も含まれます。

登録商標とその類否判断の重要性について理解を深めていきましょう。

2. 登録商標とは

登録商標とは、実際に特許庁に登録されている商標をいい、商標権者だけが登録商標に関係する範囲を独占して使用できる権利を持つことができます。

商標権は独占排他的な権利です。このため商標権者は特許庁に登録されている原簿に記載された者だけです。この権利者だけが登録されている範囲に関係ある範囲で登録商標を独占して使用できます。

なお、商標権者は法人である必要はなく、個人でも法人でも取得できます。さらに複数の個人・法人でも取得できます。

10年間の権利期間が切れる前に、自動車の運転免許証と同様に、更新手続を行うことにより、権利を持ち続けることができます。

注意点としては、実際に願書を作成して審査に合格しないと商標権が得られないことです。商標を使い続けるだけでは商標権者になれない点に注意しましょう。

3. 類否判断とは

商標権の権利範囲は、登録商標と同じ商標だけでなく、登録商標に似た商標も含まれます。この登録商標に似た範囲をどの様に判断するか、説明します。

3-1. 判断の要素

比べる商標同士が似ているかどうかは、次の三要素を元に判断されます。

  • 外観:商標の表現の仕方
  • 称呼:商標を読んだときの音声
  • 観念:商標が示す内容

原則として、これらの三つのうち、一つが共通する場合は比べる商標同士は類似すると判断されます。

例えば、「大海原」と「おおうなばら」とは、読み方が同じですので、称呼が同一であるとして類似と判断されます。

また例えば、「クイーン」と「女王」とは意味が同じですので、観念が同一であるとして類似すると判断されます。

3-2. 誰が判断するのか

審査官や審判官、裁判官等、商標同士が類似するかどうか決定する立場にある者が、需要者の立場に立って判断します。

つまり審査官自身の価値観で判断するのではなく、審査官が、一般需要者ならどう感じるかを頭の中で考えて判断します。

3-3. どの様に判断するのか

外観・称呼・観念の三要素を中心に、商標全体を観察して総合判断により決定されます。

例えば、商標「王様」と「玉」とは似ていないと判断される場合があります。

  • 「王様」と「玉」とは漢字二文字と漢字一文字で、それぞれ外観が異なります。
  • 「王様」オウサマと読むのに対し、「玉」はギョクと読むので称呼も異なります。
  • 「王様」は国や地域を統括する代表者を意味するのに対し、「玉」は丸いたまを意味するので、観念も異なります。

このため、商標「王様」と「玉」とは判断の三要素の共通点がないため、似ていないと判断されてもおかしくありません。

ただし、商品分野や業務分野が将棋に関係する場合には、「王様」と「玉」との共通性が考慮されることもあります。

両者は同じではないけれども、互いに将棋の駒の一つの意味も判断されて、両者は類似すると判断される可能性もあります。

商標同士が似ているかどうかの判断は専門家でも意見が分かれます。機械的な画一的判断をしないように、審査例・審判例・裁判例等を参考に、どの範囲までなら類似するのかを弁理士・弁護士と協議しながら判断していく必要があります。

4. 類否判断の重要性

商標を登録するときには、商標だけでなく、その商標を使う商品・サービスについても指定する必要があります。

商品・サービス分野によっては、登録商標の類似範囲が広く解釈されたり狭く解釈されたりする場合があります。

同じ業務範囲に大量に密集して商標が登録されている分野の場合は、一つひとつの登録商標の類似範囲が狭く判断されています。互いに類似しないと特許庁で判断されたので、同じ業務範囲でも人気の分野は類似範囲が狭く判断される傾向があります。

4-1. にたりよったりの商標が乱立登録されている商標は避ける

特許庁のデータベースの特許情報プラットフォームで無料で商標を検索して、こちらに関係する業務分野で、にたりよったりの登録例が多数見つかる商標は、登録を避けるのがよいです。

同じ様な商標が同じ業務範囲に多く登録されいている、ということは、少しの違いがあれば登録が認められるからです。

これはほんの少しの違いが大きく評価されることを示し、ライバルがこちらの登録商標を少し改変しただけで商標権の権利範囲をすり抜けることができる可能性を暗示するからです。

5. 類否判断の進め方と注意点

一般論ですが、互いの商標が類似するかどうかは、自分に甘く他人に厳しく判断しがちです。

通常、新しく商標を登録する側は、既に登録されている商標の類似範囲を狭く判断しやすいです。また逆に商標権者側は自己の登録商標の範囲を広く解釈しがちです。

実際に比べる商標同士が似ているかどうかは、教科書的な事例を除き、専門家でも意見が分かれます。

自分にだけ甘い判断で事業を進めて後で困らないように、弁理士・弁護士の判断をききながら慎重に類否判断を進める必要があります。

6. まとめ

登録商標に類似する商標の範囲は固定的なものではなく、特許庁の判断でも揺れることがあります。

私が実際に直面した今年の事例でも、特許庁内部の審査官の判断と、審判官の判断が真っ二つに分かれたことがありました。

特許庁内部でも判断が分かれるくらいに微妙な判断事例も存在します。

機械検索判断に頼ることなく、弁理士・弁護士の意見も聞いて総合的に判断することが重要です。

7. 登録商標の類否判断に関するよくある質問

Q1:「登録商標の類否判断」とは何ですか?

A1: 「登録商標の類否判断」は、商標が他の既存の商標と似ているかどうか、または混同される可能性があるかを判断するための手続きです。新たに商標を登録する際や、商標の権利侵害が疑われる場合などに行われます。

Q2:類否判断はどのように行われますか?

A2: 類否判断は、商標が商品やサービスの類似性、商標自体の形状や音、意味など、多角的な視点から評価されます。具体的な手続きは専門的な知識が必要となるため、画一的・機械的判断に頼ることなく、弁理士・弁護士に依頼することが一般的です。

Q3:なぜ類否判断は重要なのですか?

A3: 類否判断は、商標権の侵害や、消費者が商標間で混同する可能性を未然に防ぐために重要です。また、新たに商標を登録する際には、他の既存の商標との重複を避けるためにも必要となります。

Q4:類否判断の結果が「類似」と判断された場合、どのような影響がありますか?

A4: 類否判断の結果が「類似」と判断された場合、新たに申請した商標の登録が拒否される可能性があります。また、既存の商標権を侵害していると判断された場合、損害賠償請求などの法的なリスクも生じます。

Q5:類否判断にかかる時間や費用はどのくらいですか?

A5: 類否判断の所要時間や費用は、対象となる商標の数や複雑さ、依頼する弁理士等の専門家の料金体系などによります。具体的な詳細は専門家に相談することをおすすめします。

ファーイースト国際特許事務所
弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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