日本初のポテトチップスを発売・湖池屋の商標について

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(1)新たな湖池屋を象徴するロゴマーク

(1−1)六角形が示すコアバリュー

2016年11月、湖池屋は新しいロゴマークを発表しました。
これはコーポレートブランドを統合し、新たな1歩を踏み出すにあたり、採用されたものです。

それまでは「コイケヤ」とカタカナで示していましたが、新しいロゴは「湖」の文字を六角形で囲んだデザインとなっています[下記(1−2)参照]。

これまで、企業の中心的な価値観であるコアバリューとして、「親しみ」、「安心」、「楽しさ」を掲げていました。ここに「本格」、「健康」、「社会貢献」を加えたものが、新生湖池屋の6つの柱となります。

六角形のデザインは、これを象徴的に表したものなのですね。

元々、湖池屋の社名は、創業者・小池和夫氏の出身地(長野県)にある諏訪湖と関係があります。
会社を設立する際、小池氏は湖のように大きく成長させたいと願い、小池の「小」を「湖」と変えました。

創業者の思いが込められた「湖」の文字を、新生湖池屋の要となる六角形が囲んでいると思うと、特別なものに感じられますね。

1つの商標には、いろいろな意味が込められているんだね。

それを知ると、会社で働く人たちや商品が身近に感じられそうだね。

(1−2)新生湖池屋を示す商標

湖 KOIKEYA(商標登録 第5937010号)


特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

  • 権利者:株式会社湖池屋
  • 出願日:2016年9月9日
  • 登録日:2017年3月31日

区分は以下の通りです。

  • 第30類「菓子、パン、サンドイッチ、穀物の加工品、即席菓子のもと」など

こぼれ話

CMでおなじみのフレーズも商標に?

軽快なリズムで歌われる「イケイケGOGO 湖池屋〜」というフレーズに聞き覚えがあるでしょうか?
これは、湖池屋のCMで流れているものですが、この「イケイケGOGO」という言葉は、商標登録を目指して出願されており、現在、審査中となっています。

(2)プライドをかけてつくり出した一品「KOIKEYA PRIDE POTATO」

(2−1)創業当時の食感を追求した新商品

2017年2月、新生湖池屋として初めての商品「KOIKEYA PRIDE POTATO」が発売されました。

これは、日本産のじゃがいもを100パーセント使い、製法においても一切妥協せず、理想のおいしさを求めてつくられたものです。
3種類が発売されましたが、一時は販売休止になるほどの人気を博しました。

そして、2017年9月。「KOIKEYA PRIDE POTATO」シリーズとして、新たに2種類が発売されました。
新商品「手揚食感」は、創業当時、手作業で揚げていた頃のような絶妙な食感を追求したものです。

この「KOIKEYA PRIDE POTATO」シリーズも、商標として登録されています。

(2−2)「KOIKEYA PRIDE POTATO」シリーズの商標

KOIKEYA PRIDE POTATO(商標登録 第5936998号)


特許庁の商標公報・商標公開公報より引用

  • 権利者:株式会社湖池屋
  • 出願日:2016年9月5日
  • 登録日:2017年3月31日

区分は以下の通りです。

  • 第30類「じゃがいもを使用した菓子」

商標をよくみてみると、「KOIKEYA」と「POTATO」のアルファベットの「O(オー)」が、六角形になっているんだね。

ここでも、商標のなかに思いが込められているのね。

(3)まとめ

1962年に日本で初めてポテトチップスが販売されてから、今年で55年を迎えました。
近年、ポテトチップス市場における湖池屋の売り上げは、全体の2割ほどでした。
首位のカルビーが7割以上を占めており、2位でありながら大きく水をあけられたかたちでした。

この状況の打破を目指す新生湖池屋にとって、新しい商標は再スタートの象徴となっています。
そして、企業が変わろうとしていることを、消費者にわかりやすく示すものでもあるでしょう。

このように商標とは、さまざまな意味や思いを込めて考えられたものであり、企業の在り方と深く結びついたものなのです。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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