地域を象徴する人気のマスコットキャラクター、すなわち「ご当地キャラクター」は、商標登録を通じてその権利を守ることが可能です。
これにより、ご当地キャラクターの名前やデザインを保護することができます。
ただし、名前のみ、あるいはデザインの画像のみを商標登録する場合、保護されるのは登録した部分のみとなりますので、全面的な保護を目指す場合は、その点を考慮する必要があります。
さらに、商標登録の際には、権利の範囲を明確にし、どのような商品やサービスに使用するのかを指定することが重要です。
例えば、ご当地キャラクターを用いた着ぐるみが実際に商品として販売されるのか、それともイベントでのみ使用されるのかによって、指定する商品やサービスが異なります。
通常はご当地キャラクターの着ぐるみは販売されません。自分が使うものではなくて、ご当地キャラクターを使ってお客さまに提供するものを指定します。
提供するものがご当地の産品ならその産品を指定商品に選びます。またご当地のイベントのマスコットキャラクターになるなら、そのイベントを指定役務に選びます。
販売目的でない場合は、着ぐるみを商品として指定するのではなく、提供する商品、イベント開催サービスなどを指定することで、適切な保護を得ることができます。
商標登録申請書に記載する指定商品は、そのキャラクターを使用して実際に販売する商品に限られます。
キャラクター自身が商品となるのか、それともキャラクターをプロモーションツールとして地域の特産品などを販売するのかによって、指定商品の範囲は変わってきます。
このように、ご当地キャラクターの商標登録は、地域文化の発展と保護に貢献するだけでなく、地域経済にもプラスの影響をもたらす重要な手段です。
地域のシンボルとして愛されるキャラクターを守り、より広く活用するために、正しい知識と手続きが不可欠です。
ご当地キャラクターの商標登録に関するQ&A
Q1: ご当地キャラクターの商標登録にはどのようなメリットがありますか?
A1: 商標登録により、ご当地キャラクターの名前やデザイン画像を無断で使用されることから保護できます。これにより、キャラクターの独自性とブランド価値を守り、地域の魅力を長期的に伝えることができます。
Q2: ご当地キャラクターの名前だけを商標登録することは可能ですか?
A2: 可能です。ご当地キャラクターの名前のみを商標登録することで、その名前の使用を保護することができます。ただし、デザインは保護されないため、全面的な保護を目指す場合は、名前とデザイン両方を登録することをおすすめします。
Q3: 商標登録する際、どのような点に注意すべきですか?
A3: 指定する商品やサービスの範囲に注意が必要です。不適切な指定は、権利の行使に影響を与える可能性があります。また、商標として登録可能なキャラクターには、一定の独創性が求められるため、その点も考慮する必要があります。
Q4: 商標登録後、どのような権利が得られますか?
A4: 商標登録されたご当地キャラクターの名称やマークとしての画像は、登録した人の専有物となります。これにより、第三者が無断で名前やデザインを使用することを防ぎ、また、使用を許諾する際には使用料を受け取ることが可能です。さらに、商標権の侵害に対しては、法的措置を講じることができます。
Q5: 商標登録する際に必要な書類は何ですか?
A5: 商標登録をするためには、商標登録申請書に加え、商標となるご当地キャラクターの図案や名前の明示、指定商品またはサービスの詳細などが必要です。また、申請者の情報や代理人がいる場合はその情報も提出する必要があります。具体的な書類の内容や形式は、国によって異なる場合があるため、事前に特許庁のウェブサイトなどで確認することが重要です。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
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