無料商標調査 定休日8/12-8/14

商標登録における指定商品の追加


1. 商標権の範囲は指定商品・指定役務で決まる

商標登録出願では、登録を受けたい商標だけでなく、その商標を使う商品・サービスも願書に記載します。商品は「指定商品」、サービスは「指定役務」と呼ばれます。

商標権は、商標と指定商品・指定役務の組み合わせによって範囲が決まります。商標だけを登録して、あらゆる商品やサービスを一律に独占できる制度ではありません。

願書では、指定商品・指定役務を第1類から第45類までの区分に分けて記載します。ただし、区分は手数料計算や分類のための枠であり、権利範囲そのものは願書に書いた商品・サービスの内容を基に判断されます。同じ区分に属する商品をすべて保護できるわけではない点に注意してください。

2. 出願後に指定商品・指定役務は増やせない

出願時に記載しなかった商品やサービスを、後日の補正で追加することはできません。特許庁も、指定商品・指定役務を出願時の表示から増加させる補正はできないと案内しています。

例えば、第25類で「被服」だけを指定して出願した後、当初の記載に含まれない商品を新たに加えて保護範囲を広げる補正は認められません。別区分の商品やサービスを追加したい場合も同じです。

追加を認めると、後から広げた範囲にも当初の出願日が与えられ、同じ範囲について先に出願した第三者との関係が不公平になります。このため、出願後に保護対象の追加が必要になったときは、原則として新しい商標登録出願で対応します。新しい出願には、その出願時点を基準とする審査と手数料が伴います。

3. 認められる補正と認められない補正

指定商品・指定役務の補正がすべて禁止されているわけではありません。出願時に記載した範囲を増やさない補正であれば、次のような対応が認められる場合があります。

  • 指定商品・指定役務の一部を削除する
  • 広い表示を、その表示に含まれる具体的な商品・サービスへ減縮する
  • 区分の明らかな誤記を直す

一方、当初の表示に含まれない商品・サービスへの変更や、権利範囲を実質的に広げる変更はできません。補正後の言葉が似ていても、当初の表示に含まれるかどうかが分かれ目になります。

補正書の書き方にも注意が要ります。特許庁は、変更や一部削除のつもりでも、補正対象項目や補正方法の記載を誤ると、意図以上に権利範囲を狭める結果になる場合があると注意を促しています。いったん削除した商品・サービスを元に戻す補正も、増加と判断されるおそれがあるため、提出前の確認が欠かせません。

4. 出願前に商品・サービスの漏れを防ぐ

漏れを防ぐには、区分から考え始めるのではなく、商標を使う予定の商品・サービスを事業の実態に沿って書き出します。

  1. 現在販売している商品・提供しているサービスを列挙する
  2. 出願後に始めることが具体的に決まっている事業を加える
  3. 自社製品だけでなく、小売、修理、教育、情報提供などのサービスも確認する
  4. 特許庁の「類似商品・役務審査基準」やJ-PlatPatの商品・役務名検索で表示を確認する
  5. 指定する必要性と費用を区分ごとに見直す

将来の可能性を無制限に並べればよいわけではありません。広い表示を使うと、実際にその商品・サービスを扱う予定があるかについて、特許庁から確認を求められる場合があります。現在の事業と具体的な事業計画を基に、漏れと過剰指定の両方を避けます。

複数の区分にまたがる出願では、どの区分のどの商品を直すのかを明確にしてから補正書を作成してください。補正によって保護対象を失わないよう、不明点があれば提出前に弁理士へ確認するのが安全です。

5. 指定商品の追加に関するよくある質問

Q1: 出願後に商品を一つ書き忘れたことに気づきました。補正で追加できますか?

A1: 当初の指定商品の表示に含まれない商品を増やす補正はできません。保護が必要であれば、原則として新しい出願を検討します。

Q2: 登録後なら指定商品を追加できますか?

A2: 登録後も、既存の商標権へ指定商品・指定役務を追加して範囲を広げることはできません。追加したい範囲について別の出願を行います。

Q3: 指定商品を削除する補正はできますか?

A3: 一部削除や範囲を狭める補正は認められる場合があります。ただし、事件が審査・審判に係属している期間など、補正できる時期に制限があります。

Q4: 一つの願書で複数の区分を指定できますか?

A4: 一つの願書に複数の区分を記載できます。手数料は区分数に応じて計算されるため、必要な商品・サービスと費用を併せて検討します。

Q5: 商品名をどの表現で書けばよいか分かりません。

A5: 特許庁の類似商品・役務審査基準やJ-PlatPatの商品・役務名検索が参考になります。日常的な呼び方と審査で採用される表示が異なる場合もあるため、事業内容を弁理士へ伝えて確認してください。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

商標のことでお困りですか?

商標登録の出願・調査・侵害対応について、
弁理士が無料でご相談に応じます。お気軽にお問い合わせください。

ファーイースト国際特許事務所|弁理士 平野泰弘

コメントする