特許庁に出願する商標の読み方はどのように扱われるか
特許庁の特許情報プラットフォームでは商標の読み方が記載されているが
商標登録を特許庁に申請すると、一定期間後にその内容が特許庁の特許情報プラットフォーム上で公開されます。この公開情報には商標の読み方も含まれますが、重要な点を理解していただく必要があります。
商標の読み方、つまり称呼はあくまで参考のための情報です。それが商標の権利内容に影響を与えるわけではありません。商標の読み方を特許庁に指定することができると誤解する方もいるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
商標登録出願の際、願書には商標の読み方を記入する欄が存在しないのです。特許情報プラットフォーム上で公開される読み方は参考情報にすぎず、それが唯一正確な読み方であるというわけではないのです。
願書には商標の読み方を指定する欄が存在しない
実際の商標登録出願の願書では、記載できる商標の項目は1つだけで、商標の読み方を記入する欄が存在しないのです。
商標の読み方の決定は、その商標を一般の需要者がどのように読むか、という観点から行われます。つまり、審査官が一般の消費者がどう読むだろうかと想定して判断するわけです。審査官自身の解釈ではなく、一般の需要者を想定した読み方が採用されます。
例えば、あなたが「超」という文字だけの商標を登録し、それを「うるとら」と読ませたいと意図していたとしましょう。しかし、一般的な需要者はこの文字を「チョウ」と読むでしょう。「超」を「ウルトラ」と読むとは通常考えられません。
ですから、商標権者が「超」の登録商標を「うるとら」と読むと主張しても、その主張は審査官や裁判官には受け入れられないでしょう。
商標の登録者であるあなたが、願書に明示的に記載されていない読み方を強制することはできない、ということを覚えておいてください。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247