商標登録の道しるべ:あなたのビジネスに最適な商標を選ぶ方法

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1. はじめに

例えば、おいしいフルーツをトラックに満載して、許可を得て駅前で実物販売を行って飛ぶように売れた、とします。

このとき、お客さまにこちらを探す手がかりを残していないと、お客さまがもう一度、あのおいしいフルーツを食べたいと思ったとしても、その願いを叶えることができません。

逆にお客さまにこちらにたどり着く手がかりを残しておけば、お客さまはその手がかりをたどってこちらに再度フルーツを求めて買いに来てくださります。このお客さまに残すための手がかりとなるものが商標です。

例えば、千疋屋との商標を看板や果物を入れる袋に表示しておけば、お客さまは、その千疋屋の商標を手がかりに、再びこちらにくることができます。

商標登録出願により、千疋屋との商標を特許庁で登録しておけば、他人は無断で果物の販売に千疋屋との登録商標を使うことができなくなります。

後は、千疋屋との商標を有名にするだけで、お客さまがお店にくる道筋が完成し、以降はフルーツを絶えることなく販売できる体制が整います。

ただ、商標として具体的にどの様な商標を選ぶか悩むと思います。その選び方の基本的な考え方を説明します。

2. 商標とは何か

商標とは、自社の商品やサービスを自社だけからお客さまに選んでもらうための手がかりになる業務上の目印を指します。文字・図形・記号等の他、立体物や音等も商標として採用することができます。

商標を使うだけでは商標権を得ることができません。商標権を得るためには、実際に特許庁に権利取得のための商標登録出願をして、審査に合格し、登録しておくことが必要です。

登録商標を登録された範囲で使用できるのは、商標権者だけです。

無断で使用すれば商標権侵害になり、差止請求・損賠賠償請求の民事手続だけでなく、罰金・懲役による刑事手続を侵害者に対して採ることもできます。

3. 商標選定のポイント

自社の商標としてどの様な商標を使用するかは、各自が自由に決定することができます。

登録商標は自社のブランドの中心点になる重要なものですから、時々で使用する商標がふらつくのはよくありません。ブランドが定まらないことになるばかりか、本物か偽物かのお客さまの判断に迷いがでるからです。

この形で使う、というブランド設定の方針をしっかり立てて、実際に使う商標を選定して、それを登録するのがよいです。

特許庁に実際に登録する商標には使用義務があり、日本国内で3年使用していないと請求により不使用取消審判で登録が取り消される可能性があります。不使用取消審判を回避するには登録商標そのものを使っている必要があり、類似する商標だけを使っていても、取消は回避できないデメリットがあります。

4. 商標の種類

商標には文字、ロゴ、図形など、さまざまな種類を選択して使用することができます。

お客さまの記憶に残りやすい、ネガティブな意味がない等の切り口から、自社のブランドとして長く使うことのできる中から、最も納得のいくものを探します。

4-1. 商標はひらがなかカタカナのどちらがよいか

商標権の範囲は、同じ読み方の商標を含みます。このため、ひらがなとカタカナの違いで審査の通りやすさとか、権利侵害になるかどうかの違いはほとんどないです。どちらかしっくりする方を選びましょう。

4-2. 商標はカタカナかアルファベットのどちらがよいか

商標権の類似範囲に入るかどうかは、読み方が同じと認定されるなら原則類似範囲にはいります。ですので、こちらについても、どちらがより多く使うかを判断に決定します。

将来外国に展開する場合には、最初からアルファベットを選択しておけば、その登録を利用して国際登録出願制度を利用できるので便利です。

4-3. ロゴマークの方が有利か

文字だけの商標の場合、他の文字列の中に埋もれてしまって目立たないという欠点もあります。このため自社のロゴマークを選定して商標登録される方も多いです。例えばナイキのマークとか、ツイッターの鳥のマークとか、見れば一発でどこの商標か分かる利点があります。

ただ、ロゴマークの商標登録出願の場合、文字情報が含まれなければマークの読み方を指定することはできません。願書に読み方を指定する欄が存在しないからです。

4-4. 立体商標はどうか?

登録される商標は二次元の平面タイプだけでなく、三次元の立体タイプも認められます。

ただ、立体タイプよりも平面タイプの方が、安価に大量に刷ることができるので、実際に商標登録出願される方は、通常平面タイプを選択します。

5. 商標登録の手続き

自分が扱う商標の具体的な候補が上がってきた段階で、商標の検索により、特許庁で登録できそうかどうかの感度を探ります。実際の商標検索には特許庁の特許情報プラットフォームで無料で調べることができます。特許情報プラットフォームのウェブベージの上部にヘルプデスクが表示されていますので、使い方も無料で教えてもらえます。

商標を調べるだけ、使うだけでは商標権者になることができません。

実際に特許庁に権利申請し、審査に合格して、登録手続を完了させる必要があります。

なお、同じ範囲内容の登録出願があった場合には、出願が早い者が正当権利者になります。このため最適な商標が見つかったなら、他の誰かが特許庁に出願手続をする前に、実際に権利申請手続を行う必要があります。

6. まとめ

実際にどの商標を選ぶかは悩むと思います。特許庁の特許情報プラットフォームで、無料で他社の商標登録状況を調べることができますので、ライバルがどの様な商標の権利を取得しているか調べて参考にするのもよいでしょう。

商標を使用しているだけで商標権が発生するわけではありません。自ら特許庁に権利申請しなければ商標権は得られない点に注意してください。特許庁に商標登録を済ませておけば、登録商標を商標権の権利範囲内で使用している限り、商標権侵害で訴えられることはありません。商標権は独占権なので、同一範囲の商標権は特許庁で登録が認められないからです。誰よりも先に登録をすることを忘れないでください。

7. 商売の基盤確保へ

実際に登録できるかどうかは専門家でも判断が分かれますし、特許庁内部でも判断が分かれます。特許庁内部で判断が分かれる、というのは、例えば審査官の判断に対して異議を申し立てたら、その異議が認められる場合等です。

このため、採択した商標が登録できるかどうかは、弁理士・弁護士の意見を聞いた上で進めるのが、時間や費用を節約する上でも重要です。

8. ビジネスに最適な商標を選ぶ方法についてのよくある質問

Q1: 商標とは何でしょうか?

A1: 商標とは、商品やサービスの出所を示し、それらを他のものと区別するための識別マークです。商標には文字、図形、ロゴ、さらには音や色も含むことができます。

Q2: 商標を選ぶ際の重要なポイントは何ですか?

A2: 商標を選ぶ際には、覚えやすさ、オリジナリティ、対象とする市場への適合性などを考慮することが重要です。また、法的な制約や既存の商標との競合も確認する必要があります。

Q3: 商標の種類とは何ですか?

A3: 商標には、文字(固有名詞やアルファベット)、図形(絵やデザイン)、ロゴ、さらには音、色、動き等も含むことができます。それぞれの種類はよしあしがありますので、自社に最も適合すると思われる場合を、他社の取得事例を参考に決定します。

Q4: 商標登録の手続きはどのように進めればいいですか?

A4: 商標の登録手続きは、まず自分の商標が他の商標と競合していないか調査し、次に登録申請を行い、審査を受けるというプロセスを経ます。必要に応じて、専門家に助けを求めることもあります。

Q5: 商標登録のメリットは何ですか?

A5: 商標登録のメリットは大きく二つあります。一つは、自社の商標を独占的に使用できること。法的な保護を得て、他の企業が同じまたは類似の商標を使用することを防ぐことができることです。もう一つは、商標権は財産権の一種なので、有名になれば高額で取引可能なことです。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

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