弁理士に登録して20年以上になりますが、転機になったのは独立当初に高額ライセンス交渉をまとめたことです。
私が代理人を務めるクライアントの商標権により、当時、数億円規模のライセンス契約が成立しました。
この商標権を巡って激しい争いがありましたが、無事に交渉がまとまり、喜びもひとしおです。
もちろん、私が個人的に数億円を得たわけではなく、クライアントが商標権のライセンス料として数億円を受け取ることになりました。
この成果に対して、クライアントも普段の冷静な姿勢を崩し、笑顔が見られたことを今でもはっきりと覚えています。
商標権の取得には、それなりの費用がかかりますが、誰にとっても範囲が同じなら商標権を取得する金額同じです。
多くの方が他人に使用されたくないという消極的な理由で商標権を取得しますが、商標権は財産権と同様で収益を生む力があります。
自分の持つ商標権が数億円規模の経済効果を生み出す、もっとも重要な点は案外スルーされがちです。
商標権は、土地の権利と同じく、他人に貸し出して収益を得ることも、売却して利益を上げることも可能です。
ただし、商標権を持っているだけで自動的に利益が上がるわけではありません。その価値を高めるためには、ブランドの維持と発展に向けた不断の努力が必要です。
当時の私のクライアントのケースのように、努力が実を結び、数億円のライセンス収入という形で報われることがあります。商標権の価値を引き出すためには、人知れぬブランド維持のための努力が隠されているのです。
商標権を通じて得られる利益は、その価値を高めるための日々の努力の結果です。このような成功の経験を励みに、初心を失わず、クライアントと共にさらなる高みを目指していきます。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247