「商標権って何?」とよく聞かれます。これを理解する一つの方法は、土地の所有権と比較することです。
例えば、あなたが土地を所有しているとします。この土地に他人が勝手に車を停めたら、その人に出ていってもらう権利があります。また、この土地を他人に貸して賃料を得たり、売却して利益を得ることも可能です。
商標権もこれに似ています。あなたの商標を他人が無断で使った場合、その使用を止めさせることができます。
更に、無断使用による過去の損害に対して賠償を求めることも可能です。これは、土地に無断で車を停められた場合に、駐車料を請求するのに似ています。
さらに、自分の商標を他人に使ってもらい、ライセンス料を得ることもできます。
商標は使われることで価値が増し、適切に管理されることでその価値は限りなく高まります。初期の取得コストは同じでも、ブランドの育て方によって商標権の価値は大きく変わります。
例えば、大手チェーンのフランチャイズシンボルのような有名なブランドは、非常に高価で、売却する際は莫大な金額が動くことがあります。このような取引は「のれん代の譲渡」とも呼ばれ、実務上よく行われます。
商標権は国によって登録され、その権利が実務上の取引の対象となります。
つまり、商標権は単なる名前ではなく、実際の取引価値を持つ重要な財産の権利なのです。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
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