商標登録と著作権による保護との関係

無料商標調査 商標登録革命

はじめに:商標登録と著作権の違い

知的財産の保護には、商標法による「商標登録」と著作権法による「著作権」という二つの仕組みがあります。それぞれ根拠法が異なり、機能や目的、使い方も大きく違います。

商標登録は、企業や個人が商品やサービスを特定し、他者と区別するための制度です。ロゴ、ブランド名、スローガンなど、商業的な利用が前提で、登録すると独占的な使用権を得られます。商標を無断で使った相手に対して法的措置を取れるのが商標権の強みです。

一方、著作権は、文学、音楽、映像などのオリジナル作品に自動的に与えられる権利です。複製、配布、公演、上映、放送、送信、翻訳、翻案など、作品利用全般を保護します。著作権は「登録」が不要で、著作権法上の著作物に該当する作品が生まれた瞬間に自動発生します。

この違いを押さえておくと、自社の知的財産をどう守るべきかの判断がしやすくなります。

商標登録とは

商標登録とは、特定の商品やサービスに関連する記号、デザイン、言葉、フレーズなどを法的に保護するための制度です。自社の商品やサービスが市場で他社のものと区別されることを保証し、ブランド価値を高め、消費者の混乱を防ぎます。

商標は文字、図形、記号、立体形状、色、音などが対象です。大切なのは独自性があり、商品やサービスの出所を特定する手がかりになることです。

一度登録されると10年間有効で、更新すれば無期限に権利を保持できます。手続きは自分で行うことも、弁理士に依頼することもできます。登録した商標を無断使用した者に対し、使用停止や損害賠償を請求できます。

著作権とは

著作権は、文学、音楽、芸術作品などの創作物に対する権利で、創作者が自動的に得る法的保護です。保護範囲は、複製、公開、演奏、上映、放送、送信、貸与、翻訳、翻案など、作品の利用全般に及びます。

著作権は、著作権法上の著作物に該当する作品が創作された瞬間に発生します。登録や手続きは不要です。ただし、保護を受けるには一定の創作性が必要です。単なる事実の列挙やデータの集積ではなく、個性を表現した独自の内容でなければなりません。

保護される作品の種類は幅広く、小説、詩、映画、音楽、絵画、彫刻、建築作品、プログラムなどが含まれます。

商標権と著作権の関係

商標権を得るには、保護したい商標を使用する商品・サービスを指定して特許庁に出願し、審査に合格して登録を受けなければなりません。出願時と登録時の二段階で費用もかかります。

著作権を得るには、著作権法上の著作物を創作するだけで足ります。費用の支払いも、文化庁等への登録も不要です。

一見すると、審査も費用もいらない著作権のほうが有利に見えます。しかし実はそう単純ではありません。

4-1. 著作権は「相対権」

著作権は簡単に発生しますが、侵害された場合には、相手が自分の著作物を「知っていて複製した」事実を権利者側が裁判所で立証しなければなりません。

侵害者が「その著作物は知らない、見たことも聞いたこともない」と否定した場合、権利者側の立証は困難になります。つまり、権利の発生は簡単だけれど、権利の行使が難しいのが著作権の弱点です。

4-2. 商標権は「絶対権」

商標登録で得られる商標権は、取得に費用も時間もかかります。審査に合格しなければ権利は発生しません。

しかし一度商標権が発生すると、侵害者が「登録商標の存在を知らなかった」としても、差止請求や損害賠償請求が可能です。著作権と違い、「知っていたかどうか」は侵害成立の要件になっていません。

権利の発生は大変だけれど、権利の行使が著作権より容易。これが商標権の強みです。

4-3. ダブルの保護が受けられる場合もある

同一の物品に対して、商標権による保護と著作権による保護の両方が成り立つ場合もあります。たとえば、キャラクターデザインに商標登録とともに著作権が認められるケースです。

4-4. 商標権と著作権が矛盾する場合

特許庁の審査に合格した商標であっても、他人の著作権を侵害する商標は使用できないという規定があります(商標法第29条)。「使用できない」とは、使用すれば著作権侵害になるという意味です。

それぞれの管理と保護

商標権の管理

商標権を維持するには、登録した商標を日本国内で継続的に使用する必要があります。3年間使用していない場合、第三者からの請求で登録が取り消されるおそれがあります。

有効期限(10年)が近づいたら更新手続きを行いましょう。他社が類似商標を登録しようとした場合には、異議申立で保護することもできます。

著作権の管理

日本では、創作した作品には自動的に著作権が発生します。ただし、侵害が起きた場合に備えて、作品の創作日や著作権者の証拠を確保しておくことが大切です。公証役場での証明や日付の記録が有効です。

無断利用が発覚した場合は、法的措置で著作権を守れます。

まとめ

商品のネーミングの大半は著作権法の著作物に該当しません。「商標登録しなくても著作権で守られる」と考えるのは早計です。

登録商標と同じか似た商標を、商標権の権利範囲内で無断使用する行為に対しては、差止請求・損害賠償請求による民事上の救済措置、さらに刑事上の措置も受けられます。

弁理士・弁護士としっかり相談しながら、自社に合った保護の形を整えましょう。

よくある質問

Q1. 商標登録と著作権の主な違いは?

商標登録は、商品やサービスが特定の事業者から提供されることを示すもので、登録して法的保護を受けます。著作権は、文学・音楽・芸術作品など独自の創作物に自動的に付与される権利で、登録は不要です。

Q2. 商標を登録しないとどうなる?

他の事業者に同じまたは類似の商標を使われても、法的に止めるのが困難になります。商標権がなければ、侵害を主張する根拠がないからです。

Q3. 作った作品に自動的に著作権は発生する?

はい。日本では創作した瞬間に著作権が発生します。ただし、著作権法上の著作物に該当する必要があり、侵害時の証明のため、創作日の記録を残しておくと安心です。

Q4. 商標権と著作権は重複して保護される?

はい。たとえばキャラクターデザインは、商標登録でブランドとしての識別性を守り、著作権でデザインの創造的要素を守る、という二重の保護を受けられる場合があります。

Q5. 保護期間はどのくらい?

商標登録は10年単位で、更新すれば無期限に延長できます。著作権は原則として著作者の死後70年です。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247

商標のことでお困りですか?

商標登録の出願・調査・侵害対応について、
弁理士が無料でご相談に応じます。お気軽にお問い合わせください。

ファーイースト国際特許事務所|弁理士 平野泰弘

コメントする