商標登録の保護対象は
商標は、商品のパッケージに表示する識別標識
商標登録は、商標をどの商品・役務に使用するかを指定して登録することにより、登録された商標と一体となったブランドの信用力を保護する制度です。
登録できる商標は、文字や図形、記号、マーク等です。
商標とは、いわば名前のような役割を果たすものと考えるとよいです。
例えば、商標「iPhone」をスマートフォンを指定して登録すると、商標権者以外は「iPhone」という商標をスマートフォンに使用することができなくなります。「iPhone」というスマホの名前を独占使用できます。
意匠登録の保護対象は
意匠は、物品そのもののデザイン
意匠登録は、物品そのもののデザインを、物品を指定して登録することにより、そのデザインが付された物品の製造販売を独占保護できる制度です。
俗に「意匠商標」とか「デザイン商標」とかの言葉を聞くことがありますが、意匠登録と商標登録とは全く別です。商標というカテゴリーの中に意匠という枠組みがあるのではありません。
商標は商標法により保護され、意匠は意匠法により保護されます。法律体系が全く別になっています。
例えば、意匠登録の例として、自動車「スカイラインGT-R」のデザインが登録されていた、とします。
この場合は、意匠権者以外は、無断ではスカイラインGT-Rのデザインと似た、「自動車」を製造販売することができません。
意匠法で保護されるデザインは、物品と一つになったものであり、物品からデザインを切り離すことができないと法律上は考えます。
これに対して商標法で保護される商標は、物品や役務から切り離されたシールやタグ等の形で提供されるものです。
商標登録と意匠登録の違いは
商標登録はネーミング、会社名、商品名、サービス名等の文字等からできているブランドを保護するものです。
これに対し意匠登録は物品に表現されたデザインを保護するものです。
意匠登録の場合には保護の対象となるデザインが新しいことが必要です。
つまり既に知られているデザインは原則として意匠登録されないことになります。
これに対し商標登録の場合には造語でなくても商標登録の対象となります。
つまり既に知られているものであっても商標登録されることが可能です。
意匠登録の場合にはデザインのモチーフそのものは登録の対象とならず、そのモチーフを具現化する物品を特定する必要があります。意匠登録で保護されるデザインは物品とワンセットで保護対象となります。
商標登録の場合はネーミング、ロゴ等の商標だけを登録するのではなく、その商標をどの事業分野、具体的にはどの商品やサービスに使用するかを指定する必要があります。
商標登録で保護されるブランドは指定する商品やサービスとワンセットで保護対象となります。
ファーイースト国際特許事務所
弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247