索 引
洋服商標登録出願でネクタイ・手袋・靴下が抜ける構造的ミス
索 引
- 1. はじめに——「無料で取れたはずの権利」が最初から捨てられている
- 2. なぜ起きる?——願書の「指定商品」から漏れた瞬間に権利は消える
- 3. データが示す異常——「洋服はあるのにネクタイ等なし」がここ数年で激増
- 4. 現場から見える構図——「狭く出せば早く多く回せる」という誤った経済合理性
- 5. 専門家不在のサイン——願書を本当に見ているのか
- 6. 「気づいたときには倍額」の現実——後戻りコストは想像以上に重い
- 7. よくある誤解に答える
- 8. 3分セルフ診断——あなたの第25類、ここを確認
- 9. 実務的アドバイス——”広げる”ではなく”最適化する”
- 10. 結論——出願書類の第1枚でブランドの未来が決まる
アパレル商標で「靴類」を外すリスク:2020年以降の急増データが示す実務上の注意点
今週は、アパレル分野の商標権について権利取得漏れ問題を集中的にスクープしています。ここ1,2年で生じる商標権の権利範囲が異様に狭くなっていることから、もし素人さんが商標登録の手続きをしたなら、きっと権利漏れを起こすだろうと予測できる範囲を集中的に調べています。予想通り、ざくざく権利申請漏れ疑惑の商標権が見つかります。今回は洋服の商標権に靴の権利が含まれていない事件をスクープします。
弁当箱の商標登録で水筒の権利入れ忘れが2020年に急増
索引
- 初めに
- (1)2020年になって急に弁当箱を権利に含む商標権で水筒の権利入れ忘れが急増
- (2)お客さまの心理を見事に突いている
- (3)区分は課金単位。同一区分内で権利申請漏れがないか確認すること
- (4)まとめ
初めに
2020年に発行された商標公報を解析すると、2020年になって、急に商標登録の際の権利申請漏れが疑われる案件が急増しています。
商標登録の際に権利を広げても追加料金が発生しない範囲と、権利を広げると追加料金が発生する範囲があります。ここの違いを勘違いして、商標登録の手続きを進めたために権利申請漏れを起こしているように外部からは見えます。
追加料金が発生する範囲で権利漏れを起こしても後から漏れた部分を補充しても追加料金はほぼ発生しませんが、追加料金が発生しない範囲で権利漏れをやらかすと、最初に支払った料金と同額の費用が別に追加で必要になります。どこで権利漏れを起こしやすいのか、徹底解説します。
野球シューズの商標登録でスポーツ以外の靴の権利入れ忘れが5000万円分近く発生か
索引
- 初めに
- (1)野球靴の商標登録で2020年の一年だけで前年度比1200件約5000万円分のスポーツ以外の靴の権利入れ忘れが発生
- (2)本当に野球靴等の特殊な靴だけの権利に絞る必要があったのか
- (3)特許庁申請前にプロと必ず相談すること
- (4)まとめ
初めに
2020年発行の商標公報を調べてみると、その年に商標登録された商標権の中に、不自然な権利取得状況を見ることができます。
具体的には商標登録のプロが権利申請したなら起こすはずのない権利漏れをあらゆる分野で観測することができます。しかもその数が半端なくて500件、1000件単位で見つかります。
本来なら最初に特許庁に提出した願書に記載しておけば、無料で権利範囲に含めることができたのに、まるであえて権利範囲から外したかのようなざるの様な権利取得漏れが、2020年になって、急に見つかります。
今回は野球シューズ等のスポーツ用シューズの商標登録について、権利範囲にそれ以外の靴を指定し忘れた事例を取り上げます。