商標の区分リストを公開!間違えやすい区分分けの事例とは?

無料商標調査 定休日12/28-1/5

*2017.2.25改訂

(1)商標の「区分」とは?

商標の「区分」とは何か?

商標の区分は、商標そのものの区分ではありません。商標を使う対象となる商品とか役務の分類を区分と呼びます。

商標は、いわば名前などのネーミングとかマークです。名称を何に使うかの対象になるのが商品や役務です。そして商品や役務を区分けするものが区分です。

最初に商標法関連法で商標の区分がどのように定義されているかを検証します。商標の区分は下記の様に定義されています。

定義


商標の区分とは、商標を使う対象となる商品又は役務のうち、政令で定める商品および役務の区分をいいます。

商標法第6条第2項




商標法第6条第2項の政令で定める商品および役務の区分は別表の通りとし、ニース協定第1条の規定する国際分類に即して、経済産業省令により定められます。

商標法施行令第1条




商標法施行令第1条の規定による商品および役務の区分に属する商品または役務は別表の通りとされます。

商標法施行規則第6条


商標法関係の法令に規定される通り、商標の区分の内容は商標法施行規則の別表を参考にすればよいことが分かります。ただし商標法施行規則別表は、指定商品や指定役務が羅列されているだけですので、非常に見にくくなっています。

このため、手元に『「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準(特許庁商標課編)』をおいて参照するようにしています。

商標区分に使う類似商品役務審査基準の紹介

注意)法改正が毎年のようにありますので、内容がほぼ毎年毎に変わります。必ず出願をする際の年度の内容のものを参照するようにしてください。間違って古いものをみないように注意が必要です。

商標登録の際には願書を作成して特許庁に提出します。受理される願書に商標に使う商品・役務を指定します。なお、願書へ書く商標は今使っていなくても、今後使用する計画があるなら問題はないです。

願書に記載されるその商品・役務が入る区分を願書に記載します。この区分は第1類から第45類の45個に分かれています。類ごとに分かれているため区分のことを「類」とか「類別」と表現することもあります。

具体例

それぞれの区分にはその区分に属する商品や役務が記載されています。

  • 第1類:工業用の化学品、肥料、写真用フィルム等が含まれます
  • 第3類:化粧品、シャンプー、歯磨き、つけ爪等が含まれます
  • 第5類:薬剤、サプリメント等が含まれます

方法や手順を業務内容にしていて対応する商品や役務が見つからない場合は、方法とか手順にあてはまる関連商品とか関連役務を調べます。

例えば、うまく字を書く方法についての商標権を取りたい場合には、第41類の「知識の教授、資格試験の実施、資格の認定」等の役務を押さえます。

またビジネスの手順について権利取得を希望するなら、例えばコンサルタント等に関連する区分を選びます。

さらに指定商品や指定役務は、説明語句の修飾語がないものが権利が広いです。

例えば、「飲食物の提供」と「東京地域における飲食物の提供」では、後者に「東京」の限定があるので前者よりも権利範囲が狭くなります。

また「サプリメント」と「コラーゲンを主成分とするサプリメント」では、やはり後者のコラーゲンの限定があるサプリメントの方が権利が狭くなります。

種類

(1-1) 商品区分(1〜34類)

第1類から第34類までは願書に記載する商品が記載されています。事業で販売に使用される商品は必ず第1類から第34類までのいずれかの区分に属することになっています。

珍しい商品では区分の法定表記の中に全く同じものがないかも知れません。この場合にはできるだけ誤解がないように願書に記載すると共に、その商品が属するであろう区分と該当する指定商品を併記しておきます。

(1-2) 役務区分(35〜45類)

第35類から第45類までは願書に記載する役務が記載されています。事業で使用される役務は必ず第35類から第45類までのいずれかの区分に属することになっています。

商品の場合は目に見えるのに対し、広告業、印刷業、運送業、教育業等は働くこと自体で他人に貢献しているため特段目に見えるものではない点が役務の場合は商品と異なります。

商品を渡して顧客から対価をもらう場合には第1類から第34類のいずれかの商品を選択し、商品は渡さないが、何らかの役務を提供して顧客から対価をもらう場合には第35類から第45類のいずれかの役務を選択します。

(2)区分表の一覧

(2-1) 必要な項目

願書にはいずれかの区分と、その区分に入る商品または役務を書きます。

商標の区分選択の注意点としては、商品の中には業務用と家庭用が分かれているものがあること、また金属製とプラスチック製の違いの様に、材料が違う商品の場合には別の区分に属することがあります。また原材料と加工品とでは別の区分に属する場合があります。

また業務に名刺や看板を使うからといって、名刺や看板を選択しないように注意します。名刺を指定するのは名刺を印刷して販売する名刺屋さんの場合です。また看板を指定するのは看板を制作して看板自体を販売する看板屋さんの場合です。

さらに役務の場合は自分自身が行う役務ではなく、他人のために行う役務を選択します。例えば不動産業を営んでいて、その不動産業の集客にウエブサイトを使用している場合、ウェブサイト関連の役務を選択するのではなく、不動産業そのものを選択します。ウェブサイト関連の役務は他人のためにサイトの作成代行をするホームページ作成業の役務です。

要は、需要者が購入する商品がここでの対象になり、商標出願人が使う商品とは違う点を念頭においてください。

(2-2) 分類

各類の商品・サービスの具体例となる商標区分のリストは次の通りです。

区 分 指定商品の内容
第 1類 化学品、工業用接着剤、肥料、原料プラスチック等
第 2類 染料、顔料、塗料、印刷インキ、絵の具等
第 3類 化粧品、せっけん類、歯磨き、香料、つけづめ、つけまつ毛等
第 3類 化粧品、せっけん類、歯磨き、香料、つけづめ、つけまつ毛等
第 4類 燃料、工業用油、ろう、ろうそく等
第 5類 薬剤、衛生マスク、ばんそうこう、歯科用材料、おむつ、サプリメント、乳児用食品等
第 6類 建築用金属製専用材料、金属製金具、ワイヤロープ、金属製包装用容器、金属製工具箱等
第 7類 土木機械器具、食料加工用機械器具、動力機械器具、電気洗濯機、食器洗浄機、3Dプリンター等
第 8類 はさみ類、刀剣、手動工具、スプーン、フォーク、ひげそり用具入れ等
第 9類 太陽電池、携帯電話機、電子計算機用プログラム、眼鏡、ダウンロード可能な音楽ファイル、電子書籍等
第10類 医療用機械器具、業務用美容マッサージ器、家庭用電気マッサージ器等
第11類 暖冷房装置、家庭用電熱用品類、家庭用浄水器、洗浄機機能付き便座、ストーブ類等
第12類 船舶、航空機、鉄道車両、乗物、自動車、二輪自動車、自転車、車倚子等
第13類 鉄砲、火薬、戦車等
第14類 貴金属、宝玉、キーホルダー、身飾り品、時計等
第15類 調律機、楽器、指揮棒、音さ等
第16類 事務用接着剤、紙類、文房具類、印刷物、写真等
第17類 電気絶縁材料、化学繊維、プラスチック基礎製品、ゴム等
第18類 かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、傘、毛皮等
第19類 プラスチック製建築専用材料、セメント、木材、石材、建築用ガラス、石製貯蔵槽類等
第20類 クッション、まくら、木製・竹製・プラスチック製包装容器、家具、食品見本模型、懐中鏡等
第21類 化粧用具、ガラス製包装容器、台所用品、清掃用具、お守り、おみくじ等
第22類 原料繊維、布製包装容器、登山用又はキャンプ用のテント等
第23類
第24類 織物、布製身の回り品、布団、まくらカバー、織物製壁掛け等
第25類 被服、履物、ベルト、仮装用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴等
第26類 リボン、衣服用ブローチ、頭飾品、ボタン類、造花、靴飾り等
第27類 畳類、敷物、壁掛け、人口芝、体操用マット等
第28類 おもちゃ、人形、トランプ、ぱちんこ器具、スロットマシン、運動用具、釣具等
第29類 乳製品、食肉、食用魚介類、冷凍野菜、冷凍果実、肉製品、加工水産物、加工野菜等
第30類 茶、コーヒー、菓子、パン、ピザ、調味料、ぎょうざ、すし、弁当、米等
第31類 生きている食料魚介類、海藻類、野菜、果実、飼料、種子類、盆栽等
第32類 ビール、清涼飲料、果実飲料、飲料用野菜ジュース、乳清飲料等
第33類 清酒、焼酎、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒等
第34類 たばこ、喫煙用具、マッチ
区 分 指定役務の内容
第35類 広告業、経営の診断、市場調査、各種小売等の業務において行われる顧客に対する便益の提供等
第36類 資金の貸付け、有価証券の売買、生命保険契約締結の媒介、建物の売買、税務相談等
第37類 建設工事、自動車の修理、電子応用機械器具の修理、建築物の外壁の清掃等
第38類 電気通信、放送、報道をする者に対するニュースの供給、電話機の貸与等
第39類 鉄道輸送、車輌輸送、自動車運転代行、引越代行、電気の供給、自動車の貸与、企画旅行の実施等
第40類 金属加工、木材加工、食料品加工、印刷、廃棄物の収集、家庭用暖冷房機の貸与等
第41類 知識の教授、セミナーの企画、電子出版物の提供、書籍の制作、イベントの企画、写真の撮影等
第42類 デザインの考案、電子計算機用プログラムの設計、電子計算機用プログラムの貸与等
第43類 宿泊施設の提供、飲食物の提供、動物の宿泊施設の提供、会議室の貸与等
第44類 美容、理容、あん摩、マッサージ、医業、歯科医業、介護、医療用機械器具の貸与等
第45類 ファッション情報の提供、婚礼のための施設の提供、葬儀の執行、施設の警備、占い、愛玩動物の世話等

(3)間違えやすい商標区分の例

実務上間違いが生じ易い商標区分の選択について

商標登録する際には、商標を決めるだけでは十分ではなく、その商標を何の商品や役務(サービスのことです)に使用するかを指定しなければなりません。

この指定した商品や役務はそれぞれ第1類から第45類のいずれかの区分に属します。ですので、商標登録出願の際の区分指定を間違えると、本当に必要な権利が漏れてしまい、どうでもよい権利を取得するミスが発生する可能性があるのです。

また商標区分の指定商品や指定役務を変更するとか追記するとかは、特許庁で願書が受理された後は拒否されます。後で直すことができないから、特に商標区分の記載について慎重に調整を進めます。確認作業は欠かせません。

(3-1) 権利範囲をはっきりさせない方が権利が広いと考えるのは間違いです

商標区分を明確に指定しない方が、権利範囲が広いと考えるのは誤解です。

日常生活では態度をはっきりさせない方がその後の選択肢が広くなります。このため、商標登録する商品とか役務を決め打ちしない方がよい、と考えてしまう場合があります。

ところがこの考え方は結構危険です。

商品や役務を決めないで、とりあえず何でもかんでもあらゆる区分について権利申請した、とします。

審査に合格したのがスリッパとバケツに関連する区分だけで、他のアイテムが全滅して審査に通らない状況であったとします。

この場合、そのまま手続を進めると本当にスリッパとバケツだけについての商標権が発生してしまうことになります。

でも本当に必要な商標権はスリッパとバケツの商標区分についてのものだったのですか、という疑問が必ず出てきます。

商標区分を選択する際には、その商標区分に含まれる商品や役務が権利範囲に入っていないと商標権を取得しても意味がない、という商標区分があるはずです。この商標区分がどれかということを最初に必ず特定しておかなくてはなりません。

そしてその商標区分に含まれる商品や役務が権利範囲に入っていないと商標権を取得しても意味がない、という商標区分を抽出して、その区分を明確に理解した上で実際に商標登録出願をするのです。

そうでないと、本当に必要な権利を取ることができずに、どうでもよい権利を取得してしまうことになります。

(3-2) 扱っているものが商標区分の対象と考えるのは間違いです

商標を使用する商品や役務は何ですか、と聞かれると、多くの方は、「名刺、パンフレット、インターネット、ホームページ」だと回答します。

自身の業務に使用するのは「名刺、パンフレット、インターネット、ホームページ」だから、これらの商品や役務に対して同じ様な商標を他の人に使われると困るからです。

ところがこれが実は違うのです。

たぶん大恥をかく人がいっぱい出ると思いますので、小さい声でそっといいますね。いいですか、よく聞いてくださいよ。

商標区分を選択する際に、最初にする最大の間違いの代表例が、商標登録の際の商標区分として「名刺、パンフレット、インターネット、ホームページ」に関連する区分を選ぶこと、です。

実は、商標登録出願の際に選択する商標区分は、自分が使うものではありません。そうではなくて、お客さまに売るものを指定するのです。ここを勘違いしている方が圧倒的に多いです。

お客さまに対して提供することにより、対価を頂くもの。これらが含まれるものが、選択する商標区分の対象になります。

おそらく多くの方は、確かに「名刺、パンフレット、インターネット、ホームページ」を使っていると思います。けれども、商標法でいう「名刺、パンフレット」は、「自分が使うものではなく、顧客に販売するための名刺やパンフレット」という意味です。

同様に、商標法でいう「インターネット」は、「自分が使うものではなく、お客さまにネット回線を提供する」という意味です。さらには商標法でいう「ホームページ」は、「自分が使うものではなく、お客さまからお金を貰ってホームページを作ってあげる」という意味です。

どうですか?あなたの理解と一致していますか?

さざえさんのマスオさんのように、「えっ、え〜!!」と言わないでくださいね。

もし間違えて「名刺、パンフレット、インターネット、ホームページ」についての商標区分について商標登録を済ませてしまった人は、落ち着いて、次に続く下記の内容をよく読んで理解した上で行動してくださいね。

(3-3) 商標を表示するものを商標区分として選択するのも間違いです

商標を使う商品や役務といった場合に、商標を表示する商品を商標区分の対象に考える人がいます。

けれどもそれも間違いです。

これも間違ってしまった人が恥をかかないように、小さな声でいいますね。

間違いの代表例は、例えば、包装紙、ステッカー、印刷物等に関連がある商標区分を選択することです。

包装紙、ステッカー、印刷物等に関連がある商標区分を選択することにより、包装紙、ステッカー、印刷物等を使って商標を表示しておけば、これらの包装紙などで包んだり表示したりしたあらゆる商品に商標権の効力が発生すると考えるのですね。

けれどもそれは決定的な勘違いです。

仮に包装紙、ステッカー、印刷物等に関連がある商標区分について商標権を得た、とします。

そうして得られた権利の内容は、審査に合格した登録商標を使用して「包装紙、ステッカー、印刷物等」を売ることが独占できる、ということです。

登録商標が表示してある「包装紙、ステッカー、印刷物等」で包んだり表示したりしたものには、権利の効力は及びません。

どうですか?あなたの理解と一致していますか?

「包装紙、ステッカー、印刷物等」を販売しないのであれば、これらが含まれる商標区分について商標権を取得するのはお金と時間の無駄になります。

(3-4) 包装容器に関連する商標区分を選択するのも多くは間違いです

例えば、トマトジュースについての商標権を取得するときに起きるミスは、そのトマトジュースを入れるための缶、ビン、ペットボトル容器に関連する商標区分を選択してしまうことです。

売るものがトマトジュースなら、選択しなければならないのは、「果実飲料」が含まれている区分です。ここで間違えて、缶、ビン、ペットボトル容器等を含む商標区分を選択したのであれば、まるまるトマトジュースについての権利が抜け落ちてしまいます。

同様に、レトルトパック入りの調理済みカレーの商標権を取得する場合には、レトルトパックについての商標区分を選択してはいけません。選択すべき商標区分は、「調理済みカレー」の商品が含まれる商標区分です。

間違えて、レトルトパックを含む商標区分を選択してしまうと、まるまる調理済みカレーについての権利が抜け落ちてしまいます。

ここで、「レトルトパック入りの調理済みカレー」と、「調理済みカレーを入れるレトルトパック」との違いに注目してください。

商標登録出願の際に選択すべき商標区分は、それぞれの商品毎に形容詞句を除いた商品で考えます。

例えば「レトルトパック入りの調理済みカレー」なら、これは「調理済みカレー」が保護すべき対象になりますので、「調理済みカレー」が含まれる商標区分を選択します。

同様に、「調理済みカレーを入れるレトルトパック」なら、これは「レトルトパック」が保護すべき対象になりますので、「レトルトパック」が含まれる商標区分を選択します。

(3-5) 広告で自社の宣伝を行うのに広告業の区分を選択するのは間違いです

今度、自社開発の扇風機をインターネットで広告して販売するために選択しなければならない商標区分は広告業ではありません。

これも間違ってしまった人が多くいると思うので、間違ってしまった人が恥をかかないように、小さな声でいいますね。

商標法にいう広告業とは、自社の広告のことではありません。商標法にいう広告業とは、他人のために広告を行う業務のことをいい、代表的なものとしては、例えば電通とか博報堂とかが取得すべき商標区分です。

「げげっ」、とか言っている人はいませんか?大丈夫ですか?

自社開発の扇風機をインターネットで広告して販売するために選択しなければならない商標区分は、「扇風機」を商品として含む区分です。この商標区分を探すのです。

他の商品の場合も同じです。自社の商品を広告により売り出すために取得しなければならない商標区分は、実際に売り出す商品が含まれる区分です。

例えば、広告により肉を売るのであれば、肉の商品が含まれる商標区分を選択しますし、広告により化粧品を売るのであれば、化粧品が含まれる商標区分を選択します。

(3-6) 知識の教授の商標区分で全てカバーできると考えるのは間違いです

人に何からの情報を伝える商標区分の代表例として、「知識の教授」を含む第41類の商標区分があります。人に何らかの情報を伝える商標区分として、この第41類を取得するだけではカバーできないものがあります。

代表例を挙げると次の通りです。

第41類の「知識の教授」だけではカバーできないもの

  • 旅行情報の提供
  • 不動産情報の提供
  • 税務についての情報の提供
  • 建築工事に関する助言
  • 鉄道運行情報についての情報の提供
  • レストランに関する情報の提供
  • ファッション情報の提供

等は、知識の教授についての商標区分を選択するだけではカバーできないです。
それぞれの業務に関連する商標区分を選択しないと、すべて権利範囲から抜け落ちてしまう点に注意してください。

(3-7) 一つの区分の法律表記全体を選択すればその区分に抜けはないと考えるのは間違いです

商標区分の中には例示列挙のものがあります。
商標法に規定される商標区分の全てを選択しても、権利範囲から抜け落ちる商品役務があります。

法律上の記載を全て選択しても、漏れる権利がある。

これはある意味恐ろしい事実ですが、このことをご存じでしたか?

例えば、商標区分の第35類に小売役務が規定されていますが、この法定上の小売役務を全て選択したとしても、権利範囲からぬけおちる小売役務がでてきます。

第35類に規定されている法律上の表記は、例示列挙であって、あらゆる小売役務の形態をカバーした内容にはなっていないからです。

ですので、第35類を選択すれば漏れなく全ての小売役務がカバーされていると考えるのは間違いです。
実際にご自身が必要なアイテムが含まれているかどうかを一つひとつ検討する必要があります。

その上で抜けている小売役務があるのであれば、別途自ら追加して記載しなければなりません。

そして最後に一番こわい事項を小さな声でそっといいます。

出願の際に記載していない商品、役務とか商標区分は、後から追加することが認められないのです。

後から追加することができないからこそ、ファーイースト国際特許事務所では商標専門弁理士がお客さまと徹底的に商標区分について議論し、相談の上で内容を詰めていきます。

(4)主力業務を中心に商標の区分を考える

商標の区分を考えるときの最大のミスは、「他人に権利を取られたくない」と考えるところから始まります。

他人にこちらの商標を使わせたくないと考えると、あれもこれも商標の区分をカバーしなければならなくなります。

けれども区分数が増加するとそれにほぼ比例して商標登録の費用は増大してしまい、泥沼にはまります。

他人を基準に考えるのではなく、自分は商標をどの業務に使うのかを考えて、ご自身が実際に使う業務関連に即した商標の区分を選択するようにすれば泥沼にはまることもありません。

ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘

03-6667-0247